国の下の王選街

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「ダメだ!」
男は思わず叫んだ。
どうして、どうして、どうして。
観察対象に実験対象は自分自身。
他にはここらにいる転生者達。
チャンスがこんなに沢山いるのに、望んだ結果は得られない。
妹を蘇らす方法がわからない。
自分が持ち得る全てを使って、余りないヴァイゼの余命の中で、彼女に会いたい。
ふと彼は顔を上げた。紙の人形が彼を見上げるのがわかった。
そして紙人形はふと、キィキィと不快な音をたてる。
誰か客人が来たようだ。
溜息をついてオワリ・ノ・ハジメは紙の人形が指し示す方向を眺めた。
「……。」

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2017年8月9日 19時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

「っと!ほっ!」
ひょいひょいと木々を飛び移って森を抜ける

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月12日 12時] 11番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「あぁ。」
森の中か。
眷属を飛ばして、オワリは目を閉じた。

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2017年8月14日 10時] 12番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「ただいまー!」
古い風車のなかにはいる

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月14日 12時] 13番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「風車……か。」
懐かしい風景が、浮かびあがろうとして、戦火に消えた。
「ッ……。」

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2017年8月16日 16時] 14番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「♪」
テーブルと四つの椅子と暖炉
三つの椅子には大きい動物のぬいぐるみが
座らせてある
「ふぁあ……」
干し草のベットに寝転がる

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月16日 17時] 15番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

それは暑い夏の人のこと。
この辺りは涼しい風が入る場所で、他の場所よりは幾らか涼しい。
しかし、ここ最近はじめじめとした暑さにやられる者も多くなった。
やられていたのは、樹齢何百年の木の枝から垂れ下がった紐に繋がれた木の板に座る彼女もそうだった。
付けている臙脂色のスカーフを暑そうに緩め、首には身体が熱を逃がすために汗の筋ができている。
それくらい暑いのだが、今にも寝てしまいそうにうつらうつらと舟を漕いでいる。
彼女の傍らには、青々しい草に隠れて数冊の本があり、どれも古そうな物ばかりだ。
風が吹く度にページがパラパラと捲れ、止む度にパタンと閉じる。
彼女の羊のような角に付けられたアクセサリーもモビールのように揺れて、光を反射しながら綺麗に回る。
かさりと、草と何かが擦れた音を耳にし、まだうとうとしてハッキリしない脳を動かし後ろに目線を向ける。
「あら…何方、かしら…?」
久々の来客に頬が緩み、ふわりと笑みが浮かぶ。
発せられた声は、まだ子供らしい顔に似合わず随分と大人っぽい口調で、その容姿に加えてこの口調。
人間離れしていることとその儚さをより際立たせた。

依十 (プロフ) [2017年8月9日 18時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

てきぱきと。部屋に通されてしまい女神のような彼女ことフィリアは感嘆してしまった。
フィリアがありがとう、と言ってすぐ少女は裏口へ向かってしまった。
手足のせいで家事が出来ない、というわけではない。一応工房でもある程度の手伝いはしているのだ。転がしてしまったものの、林檎だって御遣いで頼まれて買ってきたものである。
しかしてきぱき。無駄の無い作業をこなした彼女は、フィリアからしてみればよく出来た娘だと思ってしまうのだ。
そのよく出来た娘が、王選代理者だなんて。フィリアは滲む茶葉の溶媒を眺めながらそう思った。
羊のような外見を持つ少女がそんな職に就いていることを、フィリアは知っていた。それも不思議な話ではない。この街ではむしろそうでないことの方が珍しいのだ。
たまたま以前、街中でこの少女が戦闘を行っている所を遠巻きに見たことがあるというだけのこと。その容姿から種族は十中八九ミシュリングだろう。
だから、自分はメヒャーニカーで良かったと思った。もしミシュリングが恐れるという二つの種族であったら。
「あんな可愛いお嬢様から、『可愛らしい』なんて言って貰えなかったでしょうね」
なんて、言って、自惚れて。頬を緩めて喜んだ。
別に、他の種族であったならば家に招いて貰えなかったとか、茶と菓子を貰えなかったとか、そういうことを思ったのではない。フィリアはナルシストなのだ。褒めてもらえることが、讃えてもらえることが嬉しい。自尊心の高い高飛車な性格かと思われがちだが性根にあるのはただの無邪気だ。褒められれば子供のように喜ぶ。
そんな上機嫌でそっと、自慢の義手で引き裂いて仕舞わないようにベールを捲って。可愛らしいカップに傷などを付けぬようそっと茶を飲んだ。

鈴美 (プロフ) [2017年8月10日 0時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

裏口の戸を開けると、背の高い草が一本の道を囲う様に整えられ、その道は途中で畑に行ったり花壇へ行ったりと、何本かに分かれている。
周りが背の高い草で囲まれているとはいえ、青々しい草の緑の中ではその補色である赤は目立つであろう。
「何処かしら…外から何かが転がってきそうなのはこの辺りなのよね…」
草を掻き分け、赤を探す。
すると、まだ若い緑の中に真っ赤に熟れた林檎を見つけた。
その林檎を傷つけない様に優しく取り、表面をハンカチで軽く拭く。
まるで血の様に赤いその林檎は、背の高い草で囲まれて見えなかっただけでその草さえ除ければ、林檎という存在を周りに知らしめる程存在が強く主張されていた。
「いけないわ…彼女待ってるもの、急がなきゃ。」
小屋の中とはいえ、転がってきた林檎を取りに来ただけの彼女を待たせてはいけないだろう。
ーー私″なんか″より、ずっと輝いていている彼女だもの。
そうやって自分の事を下に見るのは良くないと、昔誰かに言われた気がする。
その時は少し直そうと思っていたが、今ではそんな事を気にする程余裕がない。
だから余計に私なんか、と思ってしまう。
そう考えているうちに裏口の前まで来ており、林檎を確認してから戸を開ける。
彼女の前に林檎を置き、これかしら?と確認を取るかのようにニコリと微笑む。

依十 (プロフ) [2017年8月10日 8時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

きぃと鳴る立てる蝶番。音の方を見やれば裏口の扉には、可愛らしい羊さん。
ベールは外していた。留金も外して一式を膝の上へ。だから少女のことを青い瞳にはっきりと映せた。
「あら、やっぱり可愛らしいお嬢様だわ!!」
鋏の手をかちゃりと鳴らして合わせる。今度はその美しい微笑がはっきりと見えたろう。それはまた、少女に卑屈な感情を植え付けるのだろうか。仮にそう思わせても、美しい彼女は気づかないのかもしれない。
「ありがとうお嬢様。そうね、林檎はこちらに。えぇ、ありがとう!!うふふ、可愛らしい貴女にこんなにおもてなしされちゃって、私とっても嬉しいわ。このお茶とお菓子もとっても美味しい。もしかして貴女が作ったのかしら?」
林檎は受け取りバスケットへ。鋏の手を器用に扱いころりとそこへ入れた。
それから、茶と菓子を褒める。世辞などではない。実はフィリアの住まいで出る菓子もとても美味いらしい。──それはきっと彼女が敬愛し慕う『ママ』が作るからそう思っているだけかもしれないが──彼女にとってはそれと同等ほどの美味しさに感じられた。
仮にこれらを少女が作ったのなら感心も感心大感心。これまたよく出来た娘であると舌を巻く。
そしてそうであるのなら、彼女は立派で素敵な母親になれるだろうと乙女らしく夢見て思った。

鈴美 (プロフ) [2017年8月12日 22時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

嬉々とした表情とそれに合った声で彼女は作った菓子を褒め、そして笑った。
ベールという一つの壁掛けなくなった今、彼女の顔がはっきりと見える。
その声に合う綺麗な顔。
如何にも人形と言えるような、整い過ぎとも言える青い瞳を持つ彼女の容姿に改めて見惚れていた。
容姿だけじゃない。
彼女の全てが芸術品と呼べるものであると感じた。
「えぇ、このクッキーは私が。でも、この紅茶はご近所さんに貰った物なんです。」
多く買ってしまったから、とつい最近貰ったこの辺りでは名店のダージリンの茶葉。
流石名店といったところか、とても香りが良い。
茶菓子と合わせるのには打ってつけ、私が作ったものでは合わないかもしれない。
そのくらい、いい紅茶なのだ。
それなのに彼女は菓子を褒めてくれた。
名店の紅茶に気を取られず、私が作った菓子を褒めてくれた。
それがとても嬉しくて、思わず笑みが溢れてしまう。
本当に彼女は出来た人だと思う。
容姿端麗。
まさにその言葉が当てはまるような彼女。
でも、もし彼女が悪魔や魔女だったら。
きっと私は彼女と話せなかったのでしょう。
彼女が悪魔や魔女じゃなくて、本当に良かったと思った。

依十 (プロフ) [2017年8月13日 23時] 6番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「あら、そうだったのね!!なら私、とっても運がよかったみたいだわ。こんなにおもてなししてくださるのだもの!!」
少女を青い瞳に映して、ふふと。楽しげに笑った。
ところで、運は良かったのだろうか。
出会ったばかりでこんなににこにこと和やかな時間を過ごせるのに、二人が敵対者になり得る未来はそこらにころりと転がっているのだから。
彼女達のどちらか片方でもの気分で。或いは彼女達の意思に関係のない命令で。或いはちょっとした神様の悪戯で。
ミシュリングは悪魔だの魔女だのと呼称する二つの種族を恐れる。しかしこんな街じゃあ、その敵は種族どころではなく住民のほとんどにまで拡大し得る。

フィリアは。そうなってしまった時どうするだろうと未来を憂う。少女の劣等同様に、表と面に出さず心の中で、暗く暗く。
どうするだろう。
どうするだろう。
どうするだろう。
考えてはみるものの、彼女の答えはいつも一つだった。
だからこれはただのポーズ。心も綺麗でいたい、無邪気な彼女の格好つけ。
そんなことも感じさせないけ笑顔で、彼女は未来を、重くした。
「ねぇお嬢様!!私……また今度、ここに、遊びに来てもいいかしら!!」

鈴美 (プロフ) [2017年10月1日 1時] 7番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

かつりかつりと煉瓦道。煉瓦の粘土と金属が響く。耳を劈くような引っ掻き音ではない。
そうやって、白髪の三つ編みを振りまく色白の、誰が見ても美しいと思う少女が歩くのだ。残念ながらきっと愛くるしいであろうその顔は、雪のカーテンのように純白のベールによって窺うことは出来ない。まるで月の女神が綺羅星のタイルを、銀の靴で歩く様に見えていただろう。
しかしそれを作る彼女の足は、膝から下が円錐形の細長い金属で出来ていた。
誰が見ても可憐だと思うだろう容姿には、不釣り合いにも不釣り合い。更に彼女の体から伸びる腕は真っ黒に禍々しく、しかし美しいシザーハンズであった。
そんな右手には、真っ赤に熟れた林檎の入ったバスケットを持っている。
かつりかつりと、煉瓦道。
商店からの帰り道だった。馴染みの果物屋への御遣い。そこの婦人はいつもこの容姿のことを綺麗だと言ってくれるので、彼女はそこへ遣いへ行くことが好きだった。
そんなことがあり、優雅に鼻歌まで口ずさむ上機嫌。
そんな姿はやはり女神のように美しくて、麗しいのだった。
そんな彼女は、かつり。歩みを止める。ベールの内側の青い瞳。それが前方の人影を捉えたのだった。
ただの人影ならば女神のような彼女とて気にも留めない。しかし彼女は停止した。何故ならその人影は、彼女をじぃと見ていたのだから。
「あら」
可憐。出来すぎたような当たり前に、彼女の唇からは可憐な声が放たれた。容姿に対しては、少し幼く柔らかい声。
円錐形の足のせいで高い位置から、眼前の人影を見据えて彼女は言った。
「あら、美しい私になんの御用かしら」

鈴美 (プロフ) [2017年8月9日 16時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

おかしなものだ。
つい先程までどこまでも青く澄み渡っていた空は、昼下がりに差し掛かると途端にその姿を紅のグラデーションを帯びた雲のドレスを纏ったかのように変貌した。
それを見上げる二つの黄金の宝石は、しかし暗がりによってより引き立ち、撫で付けられた炎の海と良い相性を成している。獰猛な獣の如く存在感を主張するそれらに加え、良く鍛え上げられたことの伺える筋肉が服越しにも見て取れる。
けれど、生憎それらの持ち主は獰猛な獣でもなければ、特別に進化を遂げた超人種でもない。
沈みかけの太陽にも負けない逞しい光を放つ彼の瞳が見詰める先で閃く閃光。ひとつ、またひとつと突きを空に繰り出す先端が尖った金属を括り付けている長棒を握るのは長身の大男。
纏っているのはいつもの作務衣ではなく、この街にやってきた当初から身に付けていた、漆黒の上等な生地でできていて、丈夫さを重視した、しかし如何なるものが着ても映えるデザインの騎士制服であった。
いや、正確には20年程も前に、騎士として認められた際に着ることを許されてからほぼ毎日のように身に付けていた、だ。
今日も今日とて孤児院で子供達の世話をして過ごしていたようだが、何か思うところがあったのか、少し気難しげな面持ちで無我夢中に稽古をしている。すると、不意に聞き慣れぬ、決して不快ではない音色を刻む金属音が近付いて、彼の立つ裏路地の行き止まりを通り過ぎかけて立ち止まる。
その淡麗な容姿を隠すように垂らしたベール。動作や完全に沈みかける寸前で少女を照らす太陽までもが、彼女を女神かなにかであるかのように演出する。
それとは不釣り合いとも思える、しかし綺麗に研ぎ澄まされた鋭利な鋏の義手と、同じく金属でできた義足。
その姿は、一度目の当たりにすれば、忘れることはまず有り得ないだろう。
此方を振り返る少女。その艶やかな唇が開き、放たれた言葉に、正直、彼女を知る彼でも少しがっかりしてしまう。
「フィリアさまはお麗しいのに、ご自身がそう自称することで、相手が引いてしまうことをいつになったらお気付きになるのですかね?」
思わず苦笑を浮かべ、槍を納めて芝居掛かった風に跪いて、まるで姫か何かのように扱う。それは本職が騎士なだけに中々に様になっており、こうしておけば、取り敢えず相手のご機嫌を崩すことはないと思われたことからの行動である。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月9日 23時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

彼が跪いたから。普通の膝下の骨の長さより幾分も長い金属性の義足のせいもありフィリアは首が痛くなりそうなほど下方を見なければいけなかった。
しかし、ご機嫌取りをされるのは嫌いではない。芝居がかった口調でも、年頃の乙女であらば、それも自尊心の高い性格上、期限が良くなるのは間違いない。しかし彼女の根本的な性格は無邪気である。そうわざわざ小芝居を打たなくても彼女は喜んでしまう。
「まぁ、素敵な騎士様が麗しいだなんて。私とってもとっても嬉しいわ。でも可笑しなことを伺うのね?私が美しいことなんて、相手がどう思うかだなんてことで変わらないのよ?私の心がいくら醜くても、私のこの体が美しくって可憐なことは変わらないわ、おじさま」
言われた皮肉を返すつもりではないがそんな呼称をした。
おじさま。
知り合った当初はまだ容姿に似合っていなかったその呼称。しかしそれも年月の末、だんだんとしっくりとくるようになってしまっていた。
「それにおじさまも酷い人ね。私のことを案じてくださっていることは勿論理解しているわ。だけれどそんなもう、定型文みたいになっている質問も何回目なの?私、もう答え疲れちゃったわ。意地悪ならもっと面白いことを言ってくださらないかしら?」
ベールでよくは見えないが微笑んだ。台詞は少し棘を含んでいるが、口調は柔らかいものだった。
まったく、と言うような。馴染みの相手とのじゃれ合いを楽しむように、やはり可憐であった。

鈴美 (プロフ) [2017年8月9日 23時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

彼女の憂いの篭った言い回し。
騎士としてはどうにか晴らしてやるべきだが、この男、生憎既に他の方に忠誠を誓っている故。とはいえ、可憐な女性を悲しませるのも趣味ではない。幾ら相手が本気ではなかろうと、流石に敬意を示して接するのは、当然の行いであろう。
「おやおや、フィリア嬢は御冗談がお嫌いで?なーんて。分かったよ、もう言わない」
畏まった風に跪いた状態から起き上がり、やれやれと過振りを振る。
どうせ何度同じことを問うたところで、この少女に限って、変わろうとすることはないのであろう。
「今度からの台詞、考えとくな」
せめてもの嫌がらせとして、そんな皮肉を吐いて、にんまりと笑みを浮かべる32歳の大男。
服や細かい容姿は上物で整っているのに、いかんせんこの優美な少女とは雰囲気が違い過ぎて、側から見ていると、なんとも妙な組み合わせだろう。
___....美女と野獣、といったところか。
自分で考えておきながら、何故だかうっと少し狼狽えてしまうのを全力で隠す。
その一環として、ところで!と話を振り掛ける。
「嬢ちゃんはいったい何をしていたんだ?匠さんになにか頼まれてたのなら、立ち話している場合じゃあねえとおもうんだが...」
首を傾げて訝しげに少女を見やる青年とも中年とも言えぬ男性。
彼の言う匠というのは、無論、美少女たる彼女の手足の生みの親であり、彼女が寝泊まりしている家の家主...彼女が言うところの、"ママ"だ。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月12日 15時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

くすりくすりと。鋏の義手を、ベールの外側から口元へ添えて笑った。
可憐な少女に、ぎらりと光る指先。
きっと、彼女と長い付き合いを持つ者はその漆黒の刃には当然、慣れてしまっているだろう。それがこんな女神のような少女に繋がっていること。そんな不釣り合いで相応しくない凶器が似合ってしまうように見える光景。
慣れてしまったが故の油断。彼と彼女は敵対し得る生き物。それどころか周りのほとんどがそうである。
美女と野獣、なんて。この街という檻の中では、どちらが、誰が、何が野獣であるかもわからないというのに。
それでも今のここではこの空間では、御伽噺のような束の間が許される。
「全く、もう、もう。おじさまったら意地悪を仰るのね!!」
責めるような台詞ではあるものの、口調はふんわりと彼女は告げた。跳ねるように、歌うように、楽しんでいる。こんなじゃれ合い程度でフィリアは喜んでしまう。
だってこんなに、彼女は嬉々と輝く。
たぶん彼女がこう楽しげなのは、彼と話すのが楽しいから。それともう一つ、これから話すことは、彼女が慕い敬愛する人物の話だから。
「だけれど美しい私は許してあげるわ!!ふふ、本当は優しいおじさまは、すぐにそうやって私を心配してくれるもの。でも安心して。生憎だけどおじさまのその考えは杞憂になってしまうの。確かに私はママの御遣いでいつもの奥様の所へ林檎を買いに行っていたわ。御遣いなのだから帰らないと。けれど少しくらいの道草ならママも許してくれるわ。知っているでしょう?うちの夕餉はちょっと遅い時間なの。だからそう」
無邪気な女神は悪戯気に微笑んだ。
「丁度お茶をするくらいの時間ならあるのだけれど」
勿論、暗に彼を茶に誘っていた。

鈴美 (プロフ) [2017年8月14日 21時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

日は完全に沈み、星々が天で煌めき出す。
その光をも味方にする金属製の漆黒の少女は、いったい女神でなければなんなのだろうか。無邪気な悪魔か、はたまた漆黒の星が具現化したのか。
動き一つ一つが義手とは思えぬほどに美しく、彼女の敬愛するメヒャーニカーの技師が傑作と謳うだけある。
不釣り合い?
そんな風に考えるのは武具とは無縁の軟弱者だけである。
確かに、彼女は一見して麗しいか弱き王妃様のようだ。だがそんな彼女であるからこそ、これらの装備を活かし、その姿を戦乙女ならぬ、戦女神と化すのだ。
なにより、これら義手義足は外見に捉われず、きちんと刃としての役目を果たす事にも重みが置かれている。
この男も以前彼女の匠に会ったことがあったが、一言たりとも会話はしていない。いったいどんな感性の持ち主なのか。
何気に気になるところではある。
そして気になることはもう一つ。
目の前の女神本人である。
もちろん、彼女の圧倒的強さを認めていない訳ではない。それどころか、闘えば自分が勝てるかどうか、正直なところ自信はない。
だがしかし、こうやって共に話していると、本当に近所の知り合いの幼い娘とじゃれあっている。そういう風にしか感じられないのだ。いったい、彼女の人生..または前世で何があったのか。
恐らく、それを知る時は来ないのだろう。そう、諦めはついている。
知識欲も重要な欲求ではあるが、今は彼女の幸せを優先すべきと考えている。
彼女のこうして喜んでいる表情は、それはもう天使のようで、とても柔らかく、優しい声音だ。
それにしても、そんな彼女に自分の直すに直せぬ癖を指摘されるとは。心配性..なのだろうか。
「はい、わたくしの腕は常にレディーをエスコートする為に空いているのです。良ければ、あちらに馴染みの喫茶店がありますので、そちらに」
にっこりと作り笑いとも、本心からの微笑みともとれる完璧な笑顔を向ける騎士。
だが今回ばかりは、少し本心からの笑みによってしまった。何せ、彼も嫌いではないのだ。この少女との会話は。
言うや否や差し出した左手と、心臓側の胸に当てる右手。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月16日 10時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「うーん…配達がない
バイトもない
……もうからない!!」
耳を帽子でかくし、ローブで体を隠して町を歩く

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月9日 16時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

「んへへ」
嬉しそうにすり寄る
「あはは、最近変な輩がうろついてんすよ」
そういって自分の頭のバンダナを触る
「一応自衛は出来ますけどね
あ!ごはんおごって!お腹すいた!!」

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月12日 18時] 6番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

少年が頭をすり寄せると、まるで本当に動物の頭を撫でてやっているみたいな気分になって、男もなんだか嬉しそうだ。これがマイナスイオンか。
「んん...?」
あまり答えになっていない返答が帰ってきて、よく分からずに首を傾げて眉を顰める。だがすぐに、まあ言葉足らずなのが空くんか...と無理矢理納得する。
と、今度はいきなり飯を奢れと。礼儀がなっていないのには、孤児院での教育の限界を感じて悩ましく思うも、彼とて誰彼構わず食事を強請るわけではなかろう。馴染みである彼だから、嫌がられる心配なしと判断したのだろう。
そう思うと、彼の頼みを無下にはできずに、近くの喫茶店によることを提案する。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月12日 21時] 7番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「やった!」
嬉しそうに喜び目を輝かせる
「えへへ、ゴーさんとごはんだ♪
久しぶりだな♪」
フニャッと気の抜ける笑顔で隣を歩く
「……あんね、ごーさん」
少し寂しそうな声で服を掴む
「……あんね、あんね、俺嬉しい」
うつむきながら言う

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月12日 22時] 8番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

少年が予想以上に喜びを露わにするので、思うように表情が制御できずに、思わず頬を緩め、苦笑してしまう。
「空くんは本当に食いしん坊だなぁ」
暫く歩いて、商店街の向こうにある喫茶店への道半分程で、男は自身の腰辺りの生地を掴まれていることに気が付き、一旦歩みを止める。
どうした?
そう問おうとするや否や、少年はありったけの語彙や思考力を駆使して言葉を紡ごうと励む。
言葉では嬉しそうなのに、どうしてこんなにも哀しげなのか。男性は見えぬ痛みに胸が引き裂かれそうで、思わず空をがしりとしっかり腕で包み込み、抱き締める。
「大丈夫。キミは生き残れるよ。俺がいるから。怖くなったら孤児院に戻っておいで」
ぼそぼそと、だが力強く男子の獣耳に囁く。そのまま優しく微笑すると、もう一撫でして、彼を肩に担ぐ。
「良し!ちょっと飛ばすぞ!」
宣言するや否や全速力で走り出す青年。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月14日 8時] 9番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「……。」
力になる言葉
抱き締めてくれる腕
やっぱりごーさんは凄い人だ
もうホッとしてる
頭を撫でられてから肩に担がれる
「うぉ!?
え、ちょ、ゴーさん!
「よし!ちょっと飛ばすぞ!」うぇ?!」
急に駆け出す
でも
「ひゃっほおぉおおい!!!!」
久しぶりの肩車
楽しくないわけがない

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月24日 6時] 10番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「わかった、そうするよ」
後ろを向きながら歩く
しばらくするとパン屋につく
「これだよ」

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月13日 16時] 10番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「はい。お願いしますね」

口を閉ざし、道を覚えるように頭のなかで大まかなこの世界の地図を開き書き加えて行く。生憎と行き倒れそうになっていたところが何処にあるか分からない為地図の橋にメモ書きをするだけになるのだが。

どのくらい時間が経ったのかは分からないが到着したようだ。パンの焼ける匂いが食欲をそそる。
魔力で賄える最小限は口にした為生命維持にはこれ以上の食事は本来今現在では必要ないがパンはある程度日持ちがする為備えとしては良い。それに中途半端に腹に入れると魔力の効率が悪くなる為入るだけ入れておきたい。

「此処がそうですか───失礼、情報料は如何ほどで」

馬刺 (プロフ) [2017年8月13日 21時] 11番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「あー…んー……」
情報料、と言われても
ただの道案内だ
そんな事言われても何をすればいいのやら
こうゆう事でお金を貰うのは主義に反する、とはいえ何か言われそうだ
……よし
「じゃあさ、あそこにある…
見えるかな?
憎たらしい顔のキャラパン
あれ好き何だけど今日買うの忘れてたんだよね
あれ買ってくれればいいよ」

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月13日 21時] 12番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「顔を象ったパンか。承知しました」

気を使わせてしまったのか沈黙が雄弁に語っている。
だが対価は必須だ。対価無しには何もできないことは種族柄。いや職業柄よく解っている。
返答するとすぐに扉を開けた。チリンと鳴る鈴の音を聞きながら適当にパンを店員に注文する。
食にこだわりはないため売れ残りか冷めて固くなっているように見受けられるパンを入れた紙袋と頼まれたパンとおまけで入れられた砂糖を塗したパン入りの紙袋と引き換えに数枚の金貨を出す。
人の好い店主が経営するこのパン屋は値段が良心的だ。今後また来ようと思いつつ紙袋を受け取り店から出る。

「このパン屋、良い店ですね。どうぞ」

金の入った袋の紐を固く結びローブの下にあるベルトに括りつけるとおまけとキャラパン入りの小さい方の紙袋を渡そうとする。

馬刺 (プロフ) [2017年8月13日 23時] 13番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

「そうでしょ!
えへへ、すきなんだここ」
嬉しそうに受け取りながら言う

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年9月1日 22時] 14番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

【お知らせ】
【ツァウバラーの角について】の補足説明を追加しました。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月6日 21時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

「ふわぁあっふわぁ...」
大きな欠伸を溢して、ふわふわと街中を徘徊する白いフリルと桃色のリボンで装飾された日傘。いや、良く良く見れば、大きな陰を地面に落とす傘の手元と中棒を持つ、小さく白い柔肌が覗いている。
すると、路地に入った途端突風が吹き、傘の持ち主の姿がきゃっ!という風音にも掻き消えてしまいそうな小さな悲鳴と共に露わとなる。
「いっつつつつぅ。びっくりしたあ」
片手をついて立ち上がろうとする少女..服装や身長、顔立ちから言うと、どちらかと言うと幼女とも言える彼女は、そのほっそりとした身を傘と同じく白いリボンとレースに飾られたロリータに包んでいる。へたり込んだことで、コンクリート造りの地面に自慢のベージュの混ざったホワイトミルクティー色の長髪がついてしまっているが、本人は気にしていない様子。
お人形のような幼女が、風に吹かれて尻餅をついてしまった。此処が一般人が通る場所ならば、なんと微笑ましいと見守られるだろう。
だが、忘れてはならない。
この白いリボンでツインテールに髪を結わいている彼女がいるのが、次期王を選ぶための、終わることのないトーナメントに数々の者が代理者として参加させられている、通称、王 選 街 であるということを。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月6日 21時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

くすりと頭上から。かつりと下方から。可愛らしい猫でも見るかのような慈愛の視線を送り彼女はそのツインテールに歩み寄る。
「あらあら、天使様が転んでしまったのかと思っちゃった」
それこそ、天使のような声色。そこには可憐な少女がいた。幻想的に美しい容姿。しかしそれは奇怪な手足を持っていた。禍々しくも芸術品のような美しさを放つその部品は、メヒャーニカーという種族の匠が作った特注品である。美しさだけでなく強さも兼ね備えている。
そんな腕は漆黒に輝くシザーハンズである。触れれば切れてしまいそうなその先端を器用に扱いツインテールの彼女の襟首を引っ掛けて立たせる。
「こんなに軽くてはまた風に飛ばされてしまうかもしれないわね、ソビアー様?」
シザーハンズを引っ込めて溜息を吐き彼女はそう言った。
奇怪で機械的な手足を持つ彼女の名はフィリアという。この王選街の外れにある小さな工房を住まいとする、王選代理者の一人である。そしてソビアー様と呼ばれた彼女と同じチームの一員であった。

鈴美 (プロフ) [2017年8月9日 23時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

背後からかけられる声にゆっくりと振り返りながら、引き上げられるがまま立ち上がり、コツという、微かに高さのあるヒールの床に当たる音を立てながら、女神さながらの容姿と自負している少女を振り返る。
近寄る際に、無論気配は感じていたが、そこは流石前世が長なだけあり、誰であるかは分からずとも、少なくとも悪意のない人物である事は見抜き、この状況に至る訳だ。
純白のベールから垂れる同色の艶ある二つの三つ編み、そして見紛う事のない、彼女の最大の特徴であり、彼女の愛の象徴である義手義足。すると、忽ちロリータの女児は、そのふっくらとした頬を緩め、満面の笑みを浮かべて、さも流星のようにきらきらと輝く視線を送る。
「あぁ、フィリア!ありがとう、心配してくれるのか?フィリアは今日も優しく美しい、鋼の天使だなっ!」
だが驚きは真実である。恐らくただの通行人であろうと予測していたためである。そして、ヴァイゼにとって予測が外れることは、とても珍しく、とてもわくわくしてしまう...所謂、テンションが上がってしまう出来事なのであった。
その為か、本当に仲が良いのか、彼女に礼を伝えるだけでは収まらず、興奮気味に少女に抱き付いて、彼女の容姿を上から下まで、隅々を眺め回し、褒め散らす。その際に激しい動きにつられてふわりふわりと舞う彼女のスカート。同じくぴょこぴょこと触手のように、上下するツインテール。
側を通り過ぎた人々には、女神と天使が抱き合っているようにしか見えなかったことだろう。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月12日 12時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月16日 18時] 3番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

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眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月5日 20時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]
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