国の下の王選街

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(出会い目的の書込は法律で罰せられます→ルール)

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ときどききこえてくる
「イヤァアアアアアアアアアア!!」
あのひのかぞくのひめい
「誰か!だれかぁ!どうして!? どうして劣等種なんかにぃぃ!!」
ほのおにつつまれ、
ただたちつくすわたし
「....おばあさま!おばあさま!オワリが!」
そんななかひびく、
ちいさなおんなのこのなげき
わたしは_________...

「わたしに勝てると思うてか、小僧め」
出直して来なさい。
告げて、とどめの初〜中級魔術である巨大な水の玉を生成し、相手を閉じ込めて意識を捥ぎ取る。
殺.しはしない。そう、この街に来た時に決めている。もし、その時が来るのであれば...それは....___
一人目の挑戦者を容易く返り討ちに合わせて、近くの岩に腰を下ろして欠伸をする。
畏怖故か、他でも戦闘が起きているからか、遠くからは軽い地震をも起こしている地響きが轟いているが、それ以外に周りに人気がない。沈黙の中、幼女は風に靡く天使の羽の如きシルク色のリボンを眺め、その湖のような瞳で遠くを見る。
もう、すべて終わってしまったのだな。
やれることはやって、尽くせる手はすべて打った。運が悪かったのだ。
何度自身にそう言い聞かせただろう。
あぁ、空が青く広がっていて、太陽が馬鹿みたいに燃えている。
本当に、まるでわたし達を観戦して、馬鹿にしているようだ。
虚無を写す瞳が、ゆっくりと閉ざされる。

【乱闘イベント】
(専用)

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月14日 15時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

(yuiyuiさん専用)

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月16日 10時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「ああ、ソビアー様じゃないですか。」
太陽が、じりじりと身を焦がすようだ。
マフラーを巻いた首は、汗ばんで気持ちが悪い。されど、彼は____オワリ・ノ・ハジメは、マフラーを外すことが出来なかった。
『お兄様。』
どうして。
どうして、あの時、彼女は死ななくてはいけなかったのか。
彼女ほどに、気丈で可愛らしい女はいなかった。彼女は善人で殺めることなんて知らないような、純粋で無邪気な子供だったのに。
そして、今目の前にいる女は、ソビアー・ディーンという名の彼女は、全てのヴァイゼの命を背負っていながら、全て守り切れなかった。責任を果たせなかった。
恨んでも恨んでも、キリがない。
どうして、守ってくれなかった!
貴女の罪は、重い!
それは、とても意味がないことと知っているのに。
自分は、無駄なことをしている。
……いつから、彼女が絶対に守ってくれるのだと錯覚していたのか。
胸の奥で小さく何かが喚いている。
「あの時我々を守って下さらなかったのに、中々、強いじゃないですか。」
皮肉まじりに、自分は彼女へ話しかけた。にしてもなぜ、自分が吐いた彼女への棘のある言葉一つ一つが、自分の方へ向かって放たれているような錯覚すら覚えてしまうのだろう。
誤魔化すように、両刃の剣を引き抜いて、
「勝負しましょうよ。ソビアー様。」

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2017年8月16日 11時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

じりじりと近付く気配を感じて、ゆっくりとそちらを振り向いく。同じく時間を掛けて目を見開く女児は、翻る赤い布を視認した瞬間に、表情が、身体が、声が強張ってしまう。
「そ..れはっ..」
ぽつりと小さな唇から溢れた言葉は、しかし風に掻き消えた。
数メートル先から接近中の少年を彼女は"知っている"。否、彼の正体が一発で分かってしまったのは、彼以外にこんな晴天の日に不釣り合いな物などわざわざ着てこないからだ。そう、あの赤いマフラーをかかさずに首に巻く少年は、前世で守れなかったヴァイゼの民の一人、オワリであった。しかし、彼のマフラーは、以前の物と酷似しているが、細かい違いは感じる。
つまり、あの戦いで、ヴァイゼは聞き及んでいる通り、塵一つ残さずに全滅したということか。
一瞬のうちにそこまで考えて、思わず悲痛な笑い声が漏れてしまう。
「ふふっ..はははっ..! 」
それでも、実の妹を救えずにいた事を恨む家族でさえ、まだ自分の事を長として、最も叡智を手にした大賢者として扱うか。さま等と。そんな事、微塵も思っておらぬだろうに。
くつくつという笑いを堪えて、もう一度相手に向き直り、岩から飛び降りる。スカートの両端を摘むと、ぺこりとお辞儀をして、邪悪な微笑みを含んで言葉を紡ぐ。
「まぁ、これはこれはオワリじゃないか!わたし、とっても心配していたの。そんな物騒な物は捨てて、ヴァイゼらしく、頭脳で勝負するべきではのぅて?」
困惑を隠しきれずに口調が混ぜ混ぜになる癖が露見してしまうが、今重要なのは、話し方ではなく、内容であろう。
頭脳戦等、それこそナンセンスな提案だということは、ヴァイゼという種族の特徴を知っている者ならばどんな阿呆でも明白だ。
おまけにこの無邪気な物言い。いったいなにを企んでいるのか、それは表情からは読めない。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月16日 12時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「心配?」
オワリが次の瞬間浮かべた表情は何だったのだろう。嘲笑の類か。それとも、悲哀の情か。
オワリ自身にもよくわからない。
わからなくて、わからなくて、むしゃくしゃして。
知りたくなって、知りたくなって、理解ができなかった。理解不能でも答えはもう出ている。
「ははっ! ヴァイゼ同士で頭脳勝負なんて、ナンセンスですよ。ソビアー様。きっとこの乱闘の期間中に終わらないじゃないですか。我々は、能力の差異があまり無い種族なんですから。」
何を考えているのだろう。彼女は。ソビアーは。
むかしむかし、まだ、ヴァイゼがメンシュに滅ぼされる前のはなし____。
オワリは、彼女に畏怖を覚えたことがあって。
きっと、自分ではこの人に勝てないだろうな。なんて、そう思ったことがあって。
その事をふと思い出して、懐かしい気分には……なれなかった。
「それに、手荒な真似をするのがこの祭りでしょう。生憎____。」
諦めが悪くて。
長々と。
長々と。
いつまでも諦め悪く。
剣を引く抜いたまま、彼はこの瞬間まで動かなかったが。
「手加減はしません。」
距離を詰めて。
剣を横に振った。

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2017年8月16日 19時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「えぇ」
心配していましたとも。
願わくば、転生するなと。転生するのは、強い怨念、あるいは悔いの残った者。
殲滅され、悔いのない者は少なくないのは当たり前。
だが、そんな中でも、自分の無力さを激しく後悔し、生まれ変わってしまった自分と同じに、家族に等しい他のヴァイゼ達が転生するだなんて..申し訳がなくて、申し訳がなくて...
そしてソビアーは、長老として、孫たちのおばあさまとして、その責を果たすつもりでいた。
だがどうだ。いくら作戦をを立てたり、相手の行動を先読みしても、ヴァイゼが優勢だったのは始めだけ。長丁場に持ち込まれれば、持久戦に負けるのはヴァイゼであることは、ヴァイゼと交流の多かったツァウバラーが相手である時点で明らかであった。
___どうして?!どうしてみんなは...
「ふふっ、それもそうね」
微笑を浮かべて、高らかに宣言する。
「ソビアー・ディーン!臨戦態勢に入ったため、これより抑制機の一時解除を要求する!」
首に繋がれた抑制機に組み込まれている通信機が彼女の言葉をキャッチすると、瞬時に手続きが行われ、2秒後には、彼女の持てる全ての能力と知識が解き放たれ、同時に中継が開始される。
ふわりと真っ白な、足首まで伸びるスカートを翻し、桃色のマニキュアで染められた指先を唇に当てて悪戯気に微笑む。
「それじゃあ...」
___...わたしにすがるの!?
「戦おっか?」
ぶわっと瞬間的に相手の視界が塞がれる。
よくよく見れば、それは汚れひとつない純白の...先刻まで彼女が履いていたスカートであった。
そして今、彼女は腰から50センチほどの長さの黒いホットパンツという姿で、太もものに装着している投げナイフを片手に三つずつ引き抜く。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月16日 23時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

___今週もやって来てしまったか。
いつもならば喧しい程の賑わいを見せる商店街付近。人々が食料を、快楽を、休息を求めて訪れる、この街に二つと無い皆が和気藹々としていられる場所。
それがどうだ。乱闘イベント期間中は、何もかもが閉鎖されていて、常に開いている屋台でさえ、今は此処にはない。
それ程、場合によっては途轍もない被害を街が被る可能性があるということだ。
通常でも戦闘による自己アピールは許可されているが、この街に住む王選代理者共には一つだけ、暗黙のルールがある。

街をできるだけ壊すな。

何故かというと、これら戦闘における建物などの被害は、修理されることがないからだ。もちろん、個人で直す者がいれば、それで良いのだが、誰が破壊したとも知れぬのに、そいつの為に生活費をはたくなど迷惑にも程がある。そういった事からできた暗黙のルールだが、本当ならば、少し考えれば分かるだろうにと、初めてそれを聞かされた時の男性は思った。
しかし、現に居るのだ。他人など顧みず、ただ己の欲するがままに暴力を振るう、そんな輩が。
とまぁ思考に耽っていたこの大男だが、何かを察知したのか、ハッと何かに気付いたように左上の、とある家の屋根を見やる。瞬間、その場から1メートル程跳びのき、コンマ数秒後、男性の燃える炎のような髪が揺らめいていたところを通過し、矢が石畳に突き刺さる。
「....っ!」

【乱闘イベント】
(専用)

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月14日 12時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

まさか、この場面でヴィレンツァ一族全滅の真実を知ることになろうとは。なんだか、これから子供達にあの童話を読み聞かせる時に、とても後ろめたい気持ちになりそうで少し顔を顰める。
まぁ、童話や英雄譚、神話にかけてまで、大抵の物語はどういう風に物事を捉えるか、何の目的で書かれているかによって、大まかな内容以外は都合の良いように改変されている。ヴィレンツァの童話も例外ではなかったということだ。
とりあえず今はそんなことよりも、自身も相手も臨戦態勢に移ったことから、相手が抑制機解除申請をするタイミングを待ち、すぐさま反応できるよう集中することの方が重要だ。
片手剣の部類に入ると見える武器を同じく構える相手。その洗礼された動きから察するに、矢張りこの街の育ちではありえない。
もしかしたら、此処に来る際予め読んでおいた資料に書かれていた、『トイフェルなのにとある貴族に仕える』という、正しく意味不明な人物というのは彼なのだろうか。
いや、恐らく間違いないだろう。
それ故の騎士服で、それ故の言動だろう。
「まさか、こんなイレギュラーが俺の対戦相手とはねえ...」
怯んでいる訳ではない。しかし、そのトイフェルの主人の親は他界していると聞く。彼女を生み、彼に託した直後に。
恐らくだが、彼等の寿命を引き換えに取り引きをしたのだろう。となると、軽く数十年分もの命..基、魔力を保持していることになり、それは本気でしゃれにならない。
メンシュが一年分の寿命を渡すだけでも、トイフェルはそれを膨大な魔力に変換する。それだけで取り敢えず、5回は身体を完全に破壊されても再生できるし、己の得意とする技が存分に発揮できるだろう。それの何十倍もの威力を発揮し得る魔力量を持っているとされるトイフェルを前に、抑制機を解除された状態でまともに戦えるどころか、勝利できる自信が持てる奴はそうそういないだろう。いや、居てたまらない。
だがこの男、幸か不幸か、無自覚な戦闘狂である。強者を求め、弱者を守る。
「楽しくなりそうじゃねえか、なあ!」

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月16日 16時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

なにやら物思いに耽っている様子の(外見年齢からして)青年。
どうやら此方の発言を聞いて何故か愉快に思っているらしい。滑稽なのだろうか。彼にとっては、メンシュ等取るに足らぬのだろうか。
ならば尚更、燃え上がるというものを。
例えこの事実を知らずとも本気で相手はしたが、若干の油断が生じたやもしれなかった。
しかし、相手が手加減のつもりはないことは分かるが、全力を出さぬと言うので、少しがっかりとする。
無論分かっているとも。魔力を使えば力を引き換えに寿命が比例してなくなる。つまるところ、あまり多くは消費できないのだ。
だが、一年分とは舐められたものだと。
ならば、と解除申請を行うトイフェル-敵-を見据える。
______本気にさせるまでだ...!
現役騎士は、中継機に繋がれた撮影器具の位置を把握し、それらの起動を確認するとともに対戦相手に問い掛ける。
「おまえさんのご主人も、これを見ているのかねぇ。だとしたら、あまり惨いこたあできねえんだが」
なんせ血肉が飛び交う戦闘もあるにも関わらず、中継テレビの視聴には年齢制限がないのだ。
ここまで来ても子供思い(ロリコン)を発揮する男性。
何度も言うが本人は至って真面目に心配をしているだけである。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月16日 18時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

相手の迅速な行動と判断、主従同士に芽生えているであろう信頼関係を感じ取って感心し、またその容赦のなさは、幼き頃の自身の家庭教師を思い出した。
毎度毎度、真面目に宿題をやっているのに、「ここがダメだ」「あそこはもっと良い表現を使え」「あれができてないではないか!」等と罵って来る。
特に礼儀作法が苦手だった。ダンスでもやらされなかったストレッチを叩き込まれ、今や身体は柔らかく、それは戦闘にも役立つようになり、遂には父と同じ、上位騎士となれた。
剣の師は父だったが、彼はあまりガミガミした性格ではなく、それは使用人の務めなのだろうか?と本気で疑問に思ったものだ。
だが確実に、その悔しさをバネに、彼は人生に大きく貢献することになった努力を繰り返し、確実に強くなった。
「あぁ、んじゃ、...」
青年従者の深紅の瞳を見据え、腰を落として一瞬、その黄金色の瞳を閉じる。
半径数メートルの音のみに集中することで周囲を把握し、店と店に挟まれた路地のような商店街というフィールドをどう活かす戦術を何パターンか思い浮かべて、最初の一手を..___
真っ直ぐ突っ込む...風を装い、直前で頭に手を置いて跳躍し、空で上体を反転させる。そのまま重力に逆らわずに勢いを武器に乗せ、槍を地面すれすれから思い切り背中目掛け突き上げる。
「フンッ..!!!」

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月16日 22時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

背中への一突きを初手に選んだ理由は、簡単。極細な神経が数多く通っているから。
いつだったか、医療系の職に着く友人がそんな話をしていたことを覚えている。
手術を行う際は、途轍もなく危険なので、必ず正面から腹を開くのだと。
「あー...やっぱだめ?」
だが残念ながら、反応速度まで尋常ではないようで。
重力を最大限活かした攻撃も、当たらなければただの突風。
おまけに相手は宙に浮くという反則技を使いやがる。なんとも厄介だ。
だが青年の常に余裕を持った表情が、一瞬曇ったことに、男性は気付いていた。
つまり、油断はあって、勝機もある。
弁償だの言っているのだから、相手もそれなりの損傷の覚悟があるということだろうか。
当の本人も褒めてくれるのだし、もっと自信を持とうと改めて決意を固めて。
すると、死角になにかが走るのを捉え、反射的にそれを捌こうとするも、寸前できちんと敵を観察しろと脳が命じ、足払いを回避。念のため刃が通ると予想された軌道からも身体を逸らし、跳躍して距離を取る。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月16日 23時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

残念ながら接近戦からは離脱されてしまって、騎士として磨き上げた技術を発揮できなくなってしまったことに落胆する。
相手に屋根に登られてしまっては、空からの攻撃を避けるのみになってしまう。
ほら、現に黒髪のトイフェル、まさしく悪魔といった印象を受ける自称従者くんは、その貴重な魔力を消費し、遥か上空から、回避不能とも思える礫を降らせてみせたではないか。
騎士、危機一髪。
_____だが、誰が彼が接近戦を最も得意とすると決め付けたのだろうか。
ニィッと口の端を吊り上げ、直後、大きな、なにかが破裂しその勢いで周りを巻き込んでいるような..."爆発音"が轟き、その何かが発する爆風によって、礫の多くは吹き飛んでしまった。いくつかはどうにか耐え、大男目掛けよろよろと落下してくるも、これは目にも留まらぬ槍さばきで容易く払い除ける。
もう一度上を見上げれば、青年の立っていた建物が、完全に崩壊して、高さは最早3メートル程度となってしまっていた。
「いやぁ、こんなもんの扱いが得意でもなんの役にも立たんよ!ってまぁたじじ様に怒られるんだろうなぁ〜」
そう苦笑しつつ後頭部をかく男性が左手にひょいと握っているもの。それはどこからどう見ても、爆弾であった。
「んーで」
驚く暇もなく、炎を灯した小枝を二本ばかし相手に向け投げる。もちろん、その程度で相手が倒れると思っている訳ではない。
目的は、その側にある。
この時点で男性は、できるだけ距離を取り、限界かと思うと柱の裏にしゃがみ込み、両目両耳を塞ぐ。
キィィィィと嫌な高い音を最後に聞き...ボボボドドーーーーーーン!!と耳がボケてしまう程の超音波に、目が焼き切れてしまう程の閃光を放つ、且つとんでもない威力が見て取れる爆風が押し寄せてくる。
「あーあ、これじゃあまた、『騎士たるもの、動きは優雅に!可憐に!』って怒られちまうな」

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月17日 0時] 6番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

【お知らせ】
本日から明日にかけまして、乱闘イベントを開催いたします。ポイントはロルできちんとどちらが勝者か決定しないと付け兼ねますのでご注意を。
では、みなさんに賢王の加護があらんことを。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月14日 7時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

ああ、あと数センチ自分の身長が高ければ。それか踵が高めのヒールを履いてこれば。少女は一人冷や汗をかきながら必死に背伸びして落ちてきそうな本を震える指先で抑えた。
「駄目……っ! 無理…」
古い本屋の門で、高めの台に登り必死に本棚にへばりついてる少女。傍から見ればなんと異様な光景であろうか。しかし、彼女からすれば死活問題なのである。二分ほど前面白そうな本を見つけ、それが少し背の届かない場所にあったため台を使って抜き出そうとしたところ、思いのほか本が詰まっていたらしく1冊を取ろうとするともれなく他数10冊の本がついてきそうになった。
それを阻止するべく咄嗟に両手を使ってる食い止めたのはいいのだが、そこから動けなくなってしまったのだ。
しかし、少女には如何せん体力がなくもうそろそろこの状態も限界。
カクンッと精一杯伸ばしていた足から力が抜けるのが分かり、これから起こりうる痛みを想像し固く両目を瞑った。
「ーーーっ…!」

あ い こ (プロフ) [2017年8月14日 1時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

コツリと背後から、ふわりと辺りから、甘くて、少し子供っぽい、でもやはり心地の良い香りが漂う中、先のうねったツインテールが舞う。
「まったく情けない嬢ちゃんだなぁ」
いったい誰が今彼女を罵ったのか、一目見ただけでは判断は難しかった。
なんせ、この書店には現在、彼女と、真後ろに仁王立ちする、幼女としか呼べぬ女児がいるのみで、今の発言が彼女から発せられているとは考えにくいからだ。
しかし、青と白を基準とした、所謂ロリータ服に身を包んだ幼女は、まだもっちりとした頬を、大人びた雰囲気で引き締め、眉間にしわを寄せて不機嫌そうにこちらを伺っている。
この状況に更に妙な要素が加わり、少女は危うく転倒しそうになって、思わず本棚から手を離してしまう、が、衝撃はいつまでたっても来ない。
その様子を見て、純白の長いリボンを靡かせ、幼女は小首を傾げる。
まるで、いったいなにをしているのだ?と問いかける様に。
「なぁに?わたしが魔術で本を押さえつけているのを分かって離したのではないの?」
一々どこか雰囲気がその容姿を裏切る。しかし、崩れ落ちた女子を優しく抱き起こし、心配するように眉を寄せ見下ろす光景は、まさに幼く可憐な天使のようで、こんな街にはつくづく不釣り合いだ。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月14日 8時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

首を傾げる幼女を見て、少女も小さく首を傾げる。
色々なことが1度に起こりすぎて、分かったことは目の前の幼女がどうにかして助けてくれたということだけ。
だから少女は慌てて台から降り、深緑のドレスの裾を持ち上げゆっくりと頭を下げた。
「お、お見苦しいところをお見せしました」
自分の靴を見つめて3秒、そこでふと右のヒールの踵が折れかけていることに気づく。
さっきの無理な背伸びの時にやってしまったのか、さりげなく幼女に知られないように右足を奥に隠す。
もうあの本は諦めようと、これ以上あれに執着するとろくなことが起きないと諦めて目の前の幼女が去るのを待つ。
いや、これからどうしようと考えて動けなくなっていたという方が正しいが。
しかしいつまで経っても幼女の気配が動かない、少女はしぶしぶ頭を上げてもう1度幼女の方を見やった。
記憶の引き出しを開けても出てこない、1度も会ったことがない筈なのになにか気になることがあるのかと頭を傾げるが特に思い当たることは無く、小さい声で幼女に呼びかけた。
「あの…?」

あ い こ (プロフ) [2017年8月14日 12時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

少女の明らかに慌てた様子。
それに自身の無さげな表情に、魔力どころか生命力も微かにしか感じないオーラ。
それらから幼女はなにかの答えを導き出したように、棒立ちする少女を見詰めて、目を見開き、大きく口を開ける。
「あぁなるほど、どうせすぐ行き倒れるだろうと家族に送り込まれたタイプのメンシュか!」
ぱっと明るくなった表情を見ると、なんと不謹慎なと思ってしまうのは仕方がないが、彼女は謎に仮説を立て解明するのを生き甲斐としている。これはただの無邪気だと割りきらねばならない。
と、不意に少女をまじまじと上から下まで舐め回すように見詰め、再びにんまりと微笑むと、ぎゅっと両手を握って、何処へやら導くように引っ張る。
「おいで!」
そう促すや、書店の上階にある部屋に通す。
開くと、そこは彼女の服装からはあまり考え付かない程に素朴で散らかった空間だった。着ているドレスのようなフリルは一切ないどころか、ほぼ下階の書店と風景が変わらないとすら思える。
辺りには本棚に大量の参考書やら図鑑やら、床には古い新聞紙や彼女が書いたのであろうメモや論文....。
「さぁ、ここに座ってくれ!少し待っていてね」
だがなに一つ気にしていない様子の幼女は、ベッドに腰を下ろすよう促した後、お茶か何かを取りに、隣の台所へと消えてしまった。

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月14日 14時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「え、いや、あの、」
こんなに可愛い女の子にも馬鹿にされる事にショックを覚えつつ、されるがままに腕を引かれる。
なんだこの子は、普通の子ではないだろうからメンシュではない事は確かだ。
この本屋に来てから頭が混乱しっぱなしで、もう考えることも放棄し始めている彼女はこの本屋に上階があったなんてことにも驚く暇がない。
少女は連れてこられた散らかった部屋に、大人しく座り辺りを失礼のないように見渡す。
その途中に気を引く表紙を見つけ、恐る恐る手に取った。長い前髪を耳にかけ読書に耽っている姿は年相応には見えないが、気品が溢れ出していた。
数ページ本を読んだ後、我に返りここに連れてきた張本人が消えていった方に体を伸ばした。
「大丈夫ですか?」
あまりにも帰ってくるのが遅く、やはりあんな小さい子にすべて任せるのはいけなかったか。
後悔に襲われ、もう1度呼びかけ返事を待った。

あ い こ (プロフ) [2017年8月14日 19時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

街外れの工房には魔女がいる。
王選街にはいつからかそんな噂があった。
なんでもその魔女は、鬼と破壊の女神を飼い慣らしているとか。
そして王選街の戦いにおいて団体活動をし他を圧倒するとか。
そしてそして。実はその魔女の正体はただ腕と料理の腕がいいだけのメヒャーニカー。実はその鬼の正体は半年もないほど前に誕生したばかりの、ツァウバラーの長が転生しただけの赤子。実はその女神の正体は精巧な義手義足を持った、美しいただの少女。
なんて事実が広まったのがつい二ヶ月ほど前であった。
しかも彼らは団体活動をしていないどころか別々の主に雇われているときた。
突き詰めれば敵同士の彼らだが、今日も一つの小さな工房でいつも通りの日々を過ごす。
「それじゃあママ、行ってくるわ」
女神のような少女は「ママ」と呼んだ工房の中の人物にキスをすると、乳母車を引いて外へ出た。
とても、平和な、光景。

鈴美 (プロフ) [2017年8月13日 21時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

「困ったなぁ」
リヤカーを引いているうさみみの少年が道端で頭をか変えている

バトルΦ@モデルガン欲しいね (プロフ) [2017年8月23日 15時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「ッッ、うぉっ!?」
人混みに弾かれるように路地に押し出され思わずドスンっと派手な音をたてて尻餅をついた。すると、派手に尻餅をついたせいか地面に溜まっていた砂が舞い上がってしまい、慌てて目を閉じはらうように手を滅茶苦茶に振った。その行動を十秒ほどやった後、男は薄く目を開き何回か瞬きをした後パッチリと目を開いた。それから、いてぇと顔を歪め小さく呟き痛む腰を擦りながら近くにあった壁に手をついてノロノロと立ち上がりズボンを叩いて土や汚れを落とした。そして、いつものようにつばの部分を掴み深く被ろうとしたが、手はスカッと宙をきった。そこでいつもの帽子が無いことに気づく。
「んー、ここに来るまでにはちゃんとあったからなぁ…」
尻餅をついた時に飛んじゃったかなー?と、キョロキョロと首を動かせば奥に見える黒の帽子。それに思わず見っけ!と嬉しそうに叫び拾いに行こうと近づいていく。
奥にいる人影に気づかないまま。

赤川 (プロフ) [2017年8月13日 23時] 1番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

買いものの帰り、あまりにも人が多くその人混みに流されてしまいそうになる事数回目。少女はもう自分から諦めて少し細い路地に出て人混みが切れるのを待っていた。
「ああ、失敗…」
この時間帯はとても混むとわかっていたはずなのに、いつの間にかこの時間。そしてこの人の多さ。
自分の迂闊さに頭が痛くなる、と溜息を一つ吐くと同時に少女の目の端に黒い何かが舞い降りた。
カラスかなにかかと体を強ばらせるが、一向に動く気配がなく、そこでようやく帽子だということに気づく。
落し物だろうかとその帽子に近づき、手を伸ばそうと体を屈ませると目の前に影が。少女はそれが人で、しかも男だと理解するのに数秒要し
「ぁっ…!」
理解してから慌てて帽子から手を遠のかせた。

あ い こ (プロフ) [2017年8月14日 0時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

帽子を取ろうと近づいたのはいいものの、何者かが帽子に手を伸ばしている。影の大きさ、細さからして女性だということは分かるが、最近の世の中は物騒だ。女だからって余裕かまして近づいていったら実はめっちゃ強かった!って事があるかもしれない。青年はその事に気付き少し離れた所でピタリと動きを止め、ぱっちりと開いていた目を細めて警戒心を上げた。でも、すぐにそれは彼女が帽子から慌てて手を遠のかせた事で解かれた。よいしょ、と手を伸ばして彼女の前にある帽子を手に取り叩いて砂を落とす。そして、深く被り彼女と視線が合うように屈んだ。
「拾ってくれようとしてくれてありがとなー!」
ニカッと、子供みたいに笑った。

赤川 (プロフ) [2017年8月14日 18時] 3番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

にこりと邪気のない笑みを見せられ、強ばっていた少女の体から少しだけ力が抜けた。
「いえ、お身体大丈夫ですか?」
悪意がないとわかってはいるが、他人と目を合わせることが苦手な彼女は俯きがちに労りの言葉を掛ける。
しかしその少女の後ろから、同じように人混みに流された男が思い切り彼女にぶつかってしまう。
「きゃっ…!」
予想もしていなかったつよい衝撃に、目を瞑ってしまうが、すぐにこのまま倒れると目の前の男に抱きつく形になってしまうことに気づいた。
どうすればいいか短い時間で必死に考えた結果、男を上手いこと避けて転べばいいという答えにたどり着き、倒れる寸前思い切り右に体重を掛けた。

あ い こ (プロフ) [2017年8月14日 19時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「あれ……? 柔い」
きっと硬い地面の衝撃が来ると思っていた少女は、その柔らかいものがなんなのか分からず瞬き三つ。
彼の魔法が助けてくれたのだと気づき、どっちにしろ迷惑がかかったのだと申し訳なさで縮こまる少女。
「本当にすみません。ご迷惑を」
体制を立て直しドレスの裾を持ち上げ頭を下げる。
そのたった一つの動作から、気品が溢れ出ており孤児院育ちでは無いことを匂わせることを少女は分かっていない。
彼女はちらりと困ったように、未だに減らない人混みに目を向け小さなため息をついた。

あ い こ (プロフ) [2017年8月14日 23時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

臙脂色のスカーフを靡かせ、羊の耳と角を持つ真っ白な少女が人通りの少ない路地近くの通りを歩いていた。
元々人通りの少ない通りとはいえ、もう日が暮れる間際の今では殆ど人は見ない。
しかし、そんな事は気にも止めずに嬉しそうな表情を浮かべている。
少女の手元には林檎や桃、沢山の果物が詰まった紙袋を持っており、その果物が少女の帰路を急がせる理由だった。
早く家についてこの果物でジャムを作ろうと、不思議と足が速くなっていく。
だが、嬉しさだけで足を速めているわけではなかった。
時間帯も関係はしているが、此処は少し前から物騒な人が多いと聞いた。
ミシュリングである少女は、持ち前の五感と身体能力の高さを使えば余程のことがない限り死ぬことはない。
勿論、怖いということもある。
それよりも、変に戦闘に持ち込まれて折角買った果物に傷が付いたりしては大変だからだ。
「急いで帰らなきゃ…」
と、もう少し速さを上げた。
この通りは緩やかな下り坂が多くなっている。
そんなところで速さを上げたらどうなるだろうか。
案の定、少女は坂を下っている途中、石に躓いて転んでしまった。
坂の終わりあたりで少女の体は止まった。
紙袋から飛び出した数個の果物が少女の周りに転がっている。
肘を擦りむき、顔にも切り傷を作り。
それでも少女は笑みを浮かべたまま、果物を紙袋に詰め直し小走りで進む。

依十 (プロフ) [2017年8月13日 21時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

何か視線を感じる。
立ち止まって辺りを見回しても、一瞬影を見たとしてもすぐにいなくなってしまう。
見つけたとしても、こちらに害がないのなら戦闘は避けたい。
しかし、酒独特の臭いと鉄錆…否、血の臭いが鼻腔を満たしている。
「何もなければいいのだけど…。」
そう呟いて再び走り出す。
二つの臭いは何時迄も付きまとうようについて来る。
そして、恐らくその発生源であろう人物も。
それを気にしないようにしてから暫く経った頃、急に臭いが強くなった。
臭いの発生源が真後ろにあるかのような、それくらい強い臭い。
ぐいっとスカーフが首に食い込み、苦しくて振り向けば、少し後ろに如何にも不審者というような人物が。
恐らく、先程から付けてきた人物だろう。
その人物はニタニタと気味の悪い笑みを浮かべ、その手には首に巻いていたスカーフの一部があった。
強く引っ張られてはいないとはいえ、気管を絞められているのか、空気が入り難い。
「っ…うっ…!」
紙袋を持っていない片方の手で、スカーフを持つ人物の腕を掴み力尽くで離させようとしても、体格差や男女の差からそれは失敗に終わった。

依十 (プロフ) [2017年8月14日 15時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「……!」
マトの強さを過信し過ぎたのか。
オワリは、目を見開いて、目の前の光景を見た。
マトは、確かに女だったのだ。
「くそっ。」
たんっと地面を蹴る。
また、助けられない。また。また?
「汚らしい手で、マトさんに触れるな。」
不審者相手に、眷属を攻撃態勢にいれた。
どうして、マトにこんなに自分は入れ込んでいるのだろう。
彼女はハジメではない。
知っている。知っている。シッテイル。シッテイル?
オワリは纏まらない思考の中で、強く弓を引く。
「マトさん!」
不審者が下卑た笑みを浮かべている。あゝ、目障りだ。
マトは、呼吸がし辛いのだろう。苦しげな表情である。それを認めたオワリは、いつものような態度で居られないのだ。
何故。何故、何故?
自分が、人が不幸になっても気にしない人間だと知っている。
頭が。脳内が。こんがらがって、痛い。
「今助ける!」
それでも、自分は叫ぶのだ。

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2017年8月14日 18時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「っあ…オワ、リ、さ…?」
短い間とはいえ気管を絞められていることに変わりはなく、目の前がちかちかと点滅する。
そんな中、聞き慣れた声が耳に届き、その声の方へ目線を動かせばそこには見慣れた弓を構える青年が。
いつもは冷静で落ち着いている彼は、今は声を荒げ後ろにいる不審者を睨みつけている。
苦しい状況で、助けると言われたことに涙がじわりと滲む。
それはきっと生理的な涙だろう。
彼は弓を構えている。
彼が何かしているのに、私は黙って助けられるのを待つの?
そんなの許さない。
私がそんな事しちゃいけない。
不審者の脛を踵で蹴る。
相手が動じなくとも、それでも何度も何度も。
せめて、彼が弓を放つまでの足掻き。
それくらいしか今の私には出来ない。

依十 (プロフ) [2017年8月14日 20時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「……ッ!」
ひゅん。と、飛ばした矢は、不審者の肩にあたり、不審者は怯んだようだった。
脛を蹴るマトの攻撃と、肩に突き刺さる痛みからか、不審者はマトから離れた。
「大丈夫か。マトさん。」
オワリはもう一度油断なく矢を構えながら、マトに言った。
眷属たちはばさばさと羽ばたいて不審者の視界をさえぎって此方に意識を割かさせない。
不審者は手を振って煩わしそうな顔をしていた。
「先に行って。急いでいるようだったし。俺は、こいつをかたしておくから。」
オワリは、表情を和らげて、マトの背を押す。
……彼女が自分に、それを許さない人だと知っているのに。

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2017年8月15日 20時] 6番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「っ…げほっ!けほっ…!」
不審者の肩に吸い込まれる様にして矢が当たり、その拍子に不審者のスカーを掴んでいた手が緩んだ。
不審者は痛みのあまり、勝手に離れていった。
今まで少ししか入らなかった酸素が急に入ったことにより、咳き込んでしまった。
しかし、それは少しずつ収まっていった。
彼は根が優しいから私を助けてくれた。
助けてくれた彼に不審者を任せてはいけない。
これ以上、私なんかの為に力を使わせたら駄目。
そんな気持ちが心を埋め尽くし、まだ少し荒い息のまま紙袋を置き、彼の少し前に立った。
「駄目です。先に行くなんて、できません。」
私だけ逃げるなんて駄目、絶対に。
その思いが体を動かした。
手にはいつも持っている小型のハンドガンを握り、その銃口の先には不審者がいる。
致命傷は与えられなくても、重傷にさせる事は出来るはずだから。

依十 (プロフ) [2017年8月17日 1時] 7番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

日没から数刻経過しても未だ人通りの絶えない大通りから少々離れた路地に幾つかの人影があった。
酒場に近いが不思議と喧噪は聞こえず、そこは夜の静けさが辺りを支配していた。

「本当人間って訳解らない」

黄衣のローブを着た褐色の肌を持つ見た目だけ幼子は闇夜の中ぽつりと呟いた。
いつもより目深にフードを被り、頬の腫れ傷を隠しながら人通りのない小道で愚痴を吐露する。

「出会い様に5000兆円欲しいと言ってきたからありったけの金貨を袋にいれ大人の頭蓋骨くらいに膨らんだヤツを渡したら! 偽物だ俺を騙すつもりだったんだろ! と叫き出して頬叩くとか本当に………!」

偽物を渡す時もあるけど人は選ぶ。それにそういう時はチョロそうなヤツだけって決めているというのに! 善良な子供を疑うなんてなんて奴だ! これだから酔っぱらいは! とそこらに置いてある未だ酒の匂いが残る空き瓶に向かって唾を吐き捨てた。

「対価は有りっ丈貰ったから良いけれど困ったなぁ」

回復系の魔法は覚えてないというのに本当困った。
有りっ丈の魔力を持っていったが痛覚は多少誤魔化せても腫ればかりはどうしようもならない。
叩かれた頬の痛みが引かないのか擦りながら足下にあった通行を妨げる邪魔な物を蹴る。死体蹴りは趣味でないが息をしていない大男が道を通せんぼするのが悪い。跨ぐにしても微妙に足の長さが足りないのだから仕方ない。

馬刺 (プロフ) [2017年8月13日 16時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

『しかし俺はメンシュどころか他人の気持ちさえわからないがな』
幼い癖に、どこか達観したような高圧的な台詞。しかしその声に見合うような人影は見られない。暗夜のせいか?否。ただそれが、普通なら予想しうることが難しい容姿であったということ。
ローブの少年の前方に、何かがあった。この暗さのせいでそれが何であるかは判別し難い。しかし人影ではないことはわかる。何か、細い四つの骨組みの上に籠のようなものが乗ったシルエット。
からから、と音を立てて近づいて、ようやくそれが何か理解できる距離になる。目を疑っただろうか。それは乳母車であった。
何故そんなものが。何故こんな場所に。先ほどの声の主が転がしてきたというのか。
その疑問は、やっと至近距離。月明かりが丁度差すタイルにそれが乗って解消される。
乳母車には赤子が乗っていた。その頭の左側。
角が、四本。
『そんなに俺珍しいか魔人殿』
近づいて、声も理解する。これは誰かが喉から発したそれではない。魔術によって産まれた音である。それが、この赤子から。
腹にかけられた薄手のブランケットから除くぷにぷにとしていそうな、小さな赤子の腕。そこにはぎらりと月光を反射させる抑制機。
もし噂を知っていたならば、乳母車を見た時点で気づくべきであった。
これは。四ヶ月前に転生し蘇った、ツァウバラーの長。最高峰にして最悪の魔術師だと。

鈴美 (プロフ) [2017年8月13日 18時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

此奴直接脳内に───!
魔力で造られた声だという事は理解は出来た。だが何故生まれて一年と経たない子が何故魔法で音を再現できるのか。
少年は恐怖や戦慄といった感情を一切感じていなかった。あるのは謎の声がどういう仕組みなのかという興味と興奮だけだ。

「他者の気持ち? そんなの僕だって時々解りませんよ」
メンシュみたいな強欲で愚かな奴は単純で分かり易いがそれ以外は複雑で奇怪だ。
客が何を望むのか解らないなんて商人としては非常に困る。客の望む品を揃える自分としては余計に。

ため息を吐きながら乳母車に目を移した。機械から声が出ているのかと注意深く見たがどうみても何変哲の無いただの乳母車にしか見えない。

「確かに珍しい。魔力量が半端ないというかなんというか───ところでその角一つ貰えたりしない?」

桁違いの魔力量。しかも良質で今まで感じてきた魔力とは遙かに異なる味がする。高位どころか最高峰といっても過言では無いだろう。
漏れ出てる魔力の発する香りだけで食事をしている気分になれるなど今までに1度たりともありはしなかった。

しかし何故乳母車に乗っている? 姿を変えているのか? それとも本体は別の所にいるか姿を不可視にして乳母車を押している? まさか赤児が本態ではないだろう。しかし周囲に満ちた魔力はこの赤児から出ている気がする。
しかし声から感じる知性と老熟した雰囲気はどう考えても赤児とは思えない。
転生して早くも記憶を取り戻した類いなのだろが。そうだとしてもこんな時間に何をしている?
左手で頬を擦り続けながら少年は怪しまれないように。また警戒心を悟られないようにローブに手を入れ右手でナイフを握り締めた。

馬刺 (プロフ) [2017年8月13日 20時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

幸せは何処へ消えてしまったのだろう。あんなにもきらきらと輝いて、眩しかったというのに、今じゃもうその輝きを忘れている。
何故、自分たちは闘っているのだろう。全てはあの王の所為だ。
全てはあの、メンシュの所為なのだ。
「ハジメ……。」
己の幸せの根元にいた少女の名前を。哀愁の名前を。妄執の名前を。男は口に出して確認した。
オワリ・ノ・ハジメは、幸せという名の輝きを思い出したかった。
「はぁ……。」
一度死んだ時の記憶は、曖昧で役立たずだ。
「………。」
かつて自分は、ハジメを必ず守ると叫んだ。守ってくれと神に祈った。
……だが、しかし、神はとうの昔に死んでいた。
……そして、オワリは無力すぎた。
「本当は、お前の声が____。」
思い出せずにいるんだ。
泣いて叫んで。狂って狂って世界を呪って呪って呪って呪って呪って呪って、____諦めて。
オワリはふと、下等動物の魂を移し替えた蝶型の紙を手の中から外に出した。
後でしっかり戻すが、少しくらい自由にさせてやらなきゃ、窮屈だろう。
人影も近くにいないし。
ばさばさばさ。
はらはらはら。
嗚呼、見事だ。
その時。
数十の蝶の舞の向こうに、誰か人影が見えた気がした。

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2017年8月12日 11時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

【お知らせ】
【『乱闘イベント』と『選戦イベント』】についての説明を追加しました。
なお、次の『乱闘イベント』の開催日は14日の月曜と致します。
みなさんの健闘を祈ります。
(『選戦イベント』の開催日につきましてはまた後日)

眠子(ねこ) (プロフ) [2017年8月11日 23時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]
(C) COMMU