ACT専用ボード

メッセージ一覧

『ユア・ブレス』
シナリオ投稿場所

IDee (プロフ) [1月8日 17時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

『天国へと至る階段』


《登場人物》

◇宮坂 翼 (みやさか つばさ)
キャスト:賀藤有住

「色んな人の笑ってる顔が見たくて芸人になったのに、気付いたら俺自身が笑えなくなってて、周りのことも呆れさせてばっかで。……それでもさ、どうしても辞めたくないんだよな。簡単に諦められるくらいならこの歳まで足掻いたりしてないってわけだ」

「天国なんか行ったって、そこに俺がいなきゃすぐに飽きて『やっぱり生きてた頃の方が良かったなぁ』って思うようになるぜ! 今度は退屈すぎて死にたくなるかもな。……なあ、お前が死にたいなんて思わなくなるまで、俺が隣にいてお前のこと笑顔にするよ。だから、死ぬとか言わないでくれよ…………」

23歳。上京してまで芸人になったものの、なかなか芽が出ずに悩んでいる青年。死ぬために訪れた廃ビルの屋上で絵描きの若者・白戸祈織と出会い、絵のモデルになって欲しいと頼まれたことから、自殺を断念して彼と屋上で過ごすようになった。
のらりくらりとしており、どんな時でも余裕のある態度で人と接するよう努力している。だが、実際は人一倍繊細で抱え込みやすく、そのくせ人を頼るのが下手。不器用で、大事なことほどまっすぐに言葉にできない性分。
暗い色の金髪で、瞳の色は黒に近い灰色。フーディとスカジャンの組み合わせにデニムジーンズというカジュアルな服装。見た目だけならヤンキーである。
小さな町の平凡な家庭で生まれ育ったが、高校卒業と同時に上京。芸人事務所に所属するものの、今日に至るまで思うようにファンは増えていない。長年コンビを組んでいた相方は半年前に芸人を辞め、会社員になった。当初は応援してくれていた両親にすら「ちゃんと将来のことを考えろ」と諭されている。それでもなお「芸人として大成したい」という夢を捨てきれていない。帰省中の現在は、町でいくつかの短期アルバイトをして過ごしている。
屋上で祈織と過ごす時間は翼にとって大きな心の支えになっており、あの日絵のモデルの話を持ち掛けてくれた祈織に深く感謝している。それと同時に、些細なことでも良いから今度は自分が祈織の助けになりたいと思うようになった。


◇白戸 祈織 (しらと いのり)
キャスト:一瀬海来

「ねえ、宮坂さん。この屋上ってね、この町で一番天国に近い場所なんです。だからぼくはここで絵を描き続けてる────いつか、天使様が現れてぼくを天国に導いてくれるまで」

「翼くんは、もしも突然耳が聞こえなくなったらどうする? どんなに自信作のネタを披露しても、誰の笑い声も聞けないとしたら……そうなっても、芸人を続けようと思える? …………そっか、翼くんは強いんだね。ぼくは……ぼくならきっと、全部嫌になって逃げちゃうだろうな」

22歳。翼が屋上で出会った絵描きの青年。実は、親族が町の総合病院で代々院長を務めているという、町で広く知られている名士の家系。そして現院長の次男坊でもある。当の本人は医療よりも芸術に興味を持っており、美術大学で油絵を専攻している。現在は休学中。
淡い色の茶髪に、限りなく白に近いクリーム色の瞳。ゆったりとした厚手のカーディガンにスキニーパンツというシンプルな服装。丸眼鏡を掛けている。
生まれつき軽度な目の病気(人より少し眩しく感じたり、物が二重に見えたり)を患っていたが、年々その症状が悪化している。翼と出会うより少し前から総合病院の眼科で手術をしようという話が持ち上がっていた。ただ、手術が失敗すれば眼鏡でも矯正できないレベルまで視力が失われるというリスクと、手術が成功したとしても再発の可能性があることを説明され、あまり手術に前向きでない。「二度と絵を描けなくなる可能性が少しでもあるなら、そんな未来に辿り着いてしまう前に──つまり手術を受ける前に自分で死を選ぶ方が良いのかもしれない」と苦悩している。
独特の死生観を持っており、死後には“天国”という空の上にある楽園へ行くことが夢。自分が人生に疲れきっていたタイミングで目の前に現れた翼のことを、「ぼくを天国に導いてくれる天使様」だと信じ込んでいる。屋上で翼と出会い、祈織にとっての“天使”である彼の絵を描けたことは、ある意味で祈織に自殺を考えさせる一つの要因となった。

水有 (プロフ) [1月28日 19時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

《あらすじ》

「これは、ぼくときみが死ぬまでの物語。」──というのが作品に付されたキャッチコピー。物語のほとんどが翼の視点で進んでいく。
売れないお笑い芸人の青年・宮坂翼は、自分を見つめ直すため生まれ故郷へ帰省することに。
夢と現実の狭間で疲れ果ててしまった翼は、「最後にこの町の景色を眺めながら死ぬのも悪くない」と廃ビルの屋上へ足を運ぶ。すると、そこにはスケッチブックを広げて絵を描いている若い男がいた。
「こんな場所で出会ったのも何かの縁だと思うんです。もし良ければ、僕にあなたのことを描かせてくれませんか」
絵描きの男・白戸祈織が口にしたその言葉から、二人の不思議な関係が始まる。一週間に一度廃ビルの屋上を訪れては絵のモデルを務め、翼は祈織にお笑いネタを見て貰う──それだけの関係。しかし、そんな短い時間の中で、二人は確かに心を通わせていく。
翼が家で両親と話している時、町の総合病院の話が話題に上がる。その流れで、祈織が総合病院院長の次男であり、普段は町の外の大学に通っていること、そして何らかの手術をするため一時的に町に帰ってきていることを知る。
その翌週の土曜、いつものように屋上で祈織と会った翼は、祈織に手術のことを尋ねる。すると、祈織は自身が幼い頃から抱えている目の病気とその病状のことを明かした。
そして、手術日が間近に迫ったある土曜日。いつもの約束を終え、廃ビルからの帰路についていた翼の携帯に、突然祈織からの着信があった。その電話で言われたのは、「絵のモデルをして貰うのはもう終わりにする」という内容だった。
電話越しの祈織の態度にどことなく嫌な予感を感じ取った翼は、急いで廃ビルの屋上へと引き返す。すると、そこにはスケッチブックを抱き締めてフェンス越しの町の景色を眺める祈織の姿が。「どうして戻ってきちゃったの?」と、悲しげな顔で祈織は言う。そして、死を選びたくなるほど苦悩していたことも吐露する。そんな祈織に対して、翼は縋るように必死な言葉で自分の想いを伝える。翼の想いに心動かされ、祈織は再び生きる希望を見出すのだった。
そして数週間後。東京に戻った翼は、今日も小さなステージで渾身のネタを披露する。人のまばらな客席には、花が咲いたような笑顔を見せる祈織の姿があった。
原作のラストでは上記のシーンの後にコマがホワイトアウトし、「これは、二人が死ぬまで続く物語。」という誰のものとも分からないモノローグが入ることで締めくくられる。今回のドラマでは、上記のステージのシーンを映しながらモノローグを翼と祈織の両名が読み上げ、直後にエンドロールが流れるという構成になっている。
作品においてフィーチャーされている“ブレス”は、「笑った時に零れる吐息」。

水有 (プロフ) [1月28日 19時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

『むつのはな』

あらすじ:因習村の生贄の青年と神の物語。
つららから滴る水の音が響く岩窟に細い肩を震わせて一歩一歩奥へと進む青年がいた。魄(ハク)は村の因習により神の生贄として選ばれ、実質村から追放されたのだった。しかし彼は悲嘆で泣き叫んだり逃げ出そうとしたり、掟に背くことは決してしなかった。掟を破れば村が吹雪の中凍りついて、人も草木も永遠に春を見ることが叶わなくなってしまうという言い伝えがあるから——と疑わしい伝承のためではない。掟に背かない理由は覚束ない足取りを見れば明白である。真っ赤になった素足が白銀の雪原に足跡をつけ、その手はあかぎれと切り傷だらけ、無垢な薄く白い着物ははだけて隠されていた身体の痣が露わになっている。魄には逃げる気力も残されていないのであった。兄や両親から受けた仕打ちを思えば藁のように頼りない掟にすがりついて逃げ出してしまえばよかったのだが、神域に近づくにつれて強くなる凍てつく風と雪が魄の復讐心すら凍りつかせてしまったのである。

神域と呼ばれる岩窟の奥には美しい男がいて、その男は魄を見ると不躾に顔を歪めた。村人の信仰心と御饌を迎え入れるめでたい日であるからその日に相応しく雪を降らせたというのに、魂が弱って少しも美味くなさそうだ——と男が眉をひそめる。魄に近づき、彼の真っ白な細い息を撫でるようにしてからその身体の傷を見て、眠るがいい、それだけ言って岩窟の奥へと消えた。
そう言われてもどうすれば良いか分からない魄。困る彼の元へやってきたのはなんとも可愛らしい白兎、かと思えばその姿はよく見ると雪像なのであった。動いている、と驚く魄であったが、雪兎が愛らしく小首をかしげ、ぴょんと動いてはこちらを振り返る。まるでついて来いと言わんばかりにぴょこぴょこしているので、魄は信じがたい光景であったが岩窟の奥までついていった。窟の一室に通されると、そこには寝台や文机などが用意されてあったが、それも全てまさかの雪製である。ここで横になって休んでね、とジェスチャーで伝える雪兎に取り敢えず頷くと、一仕事終えたらしい兎はどこかへ帰っていった。勿論、そのしとねは冷たく触れられるものではなかった。魄は冷たい岩肌に身を寄せて眠るのだった。

目が覚めると、あの真っ白な男が立っていた。私の作る寝台は気に入らなかったのかと訝しんだ男に対し、この者は何を考えているのかと無性に腹が立った魄は眠れるわけがないと抗議した。更に不思議がる男は、おもむろに机に(鹿だろうか)肉塊を置く。精をつけるがいい、と出された氷の皿と大きすぎる生肉に、魄は頭が痛くなる。雪の上で眠れば凍傷になるし生肉は食べられるものではない、とはっきり男に言い聞かせると、男は美しい目を見開いた。どうやら人間の生体というものをまるで知らないようだった。魄は男に人間というものを教える。雪や氷は苦手で体温は保たねばならないし、肉は熱せねば食べられない。そう話し、薄々感じていた男の正体を神だと確信するのであった。それは俺を喰らうはずの存在である。
それから神は、魄へ歩み寄るようになった。人間というものを理解しようとし、苦手なのだと話した火も起こすようになり、外出は禁じていたが雪像を連れていくという条件で魄が岩窟から出ることを許した。雪豹と狩りに出かけ、手に入れた命を、魂と身体に分けて食す。幾日も重ね、魄は人が変わったように元気になった。それを神は優しげな瞳で見つめるだけで魂を喰らおうとする日など来なかった。この関係を明確な言葉で言い表すのは難しいが、魄はもうただの贄ではない。神の愛し子であった。

まるで時が止まったように同じような日常が二人の間に紡がれる。本当に時が止まっているのは魄の出身の村の方であったが、村を避けて外出する魄はその事は知る由もなかった。神となにげなく言葉を交わす時、いつだか身体と心に負った傷のことを話したことがあった。魄は神との交流で既に癒されていたため、過去の話だとでもいうように何気なく口にしたのだった。まさかその夜、村に猛吹雪が襲うなど、彼は思いもしなかった。神域の奥の奥、山の頂上で神が凍てつく吐息を吹くだけでその白い息は雪となり氷となり、その痛いほどの寵愛は雲のように村全体を覆いつくし、永遠に降り積もる雪と怒りが全てを凍り付かせたのだった。植物も動物も、人さえも熱を奪われ時を止められた村で唯一生き残ったのは、疎まれ蔑まれていた生贄だけ。彼は何も知らないまま、火のともるあたたかな岩窟で神から愛されるのであった。

IDee (プロフ) [1月29日 20時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]

登場人物

◇神 (演:千堂ルカ)
「魄。調子は如何程か。君に与えた部屋は幾らかあたたかくしたが……本当にこれが適温か? 私には暑すぎる……。む、君がそういうのなら、構わないが……本当に解けてしまわないのか?」
「君はもう何も心配しなくていい。私は君を知ったのだ。私の氷は君をもう傷つけはしまい。もう何も、憂うことはないのだ……」

彼は神である。それ以外の名はない。絹糸のように白く長い髪は和紐で一本に括られている。全体的に色合いは真っ白であるが、その瞳の色は水縹。白い着物は青系の装飾で華やかに彩られており、常人とは到底思えない美しさと風格が漂う。言葉や動きに品があり緩慢な所作が特徴的で、魄に優しく接するところから優しさも窺えるが、実態としては極めて冷酷。氷のような心を持った人物であるが、清純な魄と接して、魄にだけは氷の解けたあたたかな表情を向ける。
神の持つ能力としては雪を操る、氷の息吹を吐き出す、など。火は苦手。しかし彼のためを思い、後半では岩窟の至るところに火をともす様子が見られる。神の食事は生きた者の魂で、直接ものを口に運ぶことはない。出会ったばかりの魄は気が滅入っていたため魂が弱り、端的に言って不味そうだったため魂の快復を待っていたが、神を恐れた今までの贄とは異なる様子に惹かれ、やがて深く愛するようになった。雪で作った動物を魄のために操ったり、何気ない時間にふと歌を歌ったり、他の人間には決して見せなかった姿は魄だけが見られる特権である。


◇魄 (演:羽藤忍)
「構わない、俺はもう死ぬ運命だ。生きていたところで戻る宛てもない……。俺のことは放っておいてくれ」
「村に? 戻りたいはずないだろう。あそこは嫌な思い出しかないんだ。真っ直ぐ帰ってくる。狩りを手伝ってくれる雪豹も、はやくあんたの元に帰りたいみたいだしな。それにここは……俺の家でもあるんだろう?」

村で陰湿な仕打ちを受けていた青年。胸元に雪の結晶のような痣があり、この痣を生まれつき持っている人物が神の贄となる掟だった。身長は170㎝程度で発育もそこそこ良かったのだが、茶色の血統であるにも関わらず髪は純白で瞳の色は真紅であったことから気味悪がられ、その上、村の掟も近年は贄が百年以上にわたって存在していなかったことから徐々に風化されていたので、神への捧げものとして丁重に扱われるどころか、その存在を疎まれていた。外に出るのが好きではなかったので仕事はしておらず家事をしていたため、料理が得意だが、その腕を神に振るえず少し残念に思っている。神との交流を経て、負の感情が打ち消され優しく微笑むようになるのが印象的。舞台は寒い岩窟のままであるが、その頬に差す紅からはあたたかさが感じられる。
神との出会いの場面の真っ白な着物を身に付けた姿はまるで白無垢のようだが、それ以外には草履も何も身に付けておらず、吐く息の白さが儚さを思わせる。全体的な印象としては好青年らしい風貌。神がどこかから調達してきたらしい新たな和服も白が基調で装飾は青系統で彩られることに、何やら独占欲を感じさせられる……。

IDee (プロフ) [1月29日 20時] 4番目の返信 スマホ [違反報告]

・キャスティングについて
神~敢えてハーフであるルカくんを和風な物語にキャスティングしたかというと、その和の世界に登場する雪の神ということで、冬景色が織りなす美しい世界観と村からはみ出した魅力を持つ浮世離れした雰囲気を出せるのはルカくんしかいないと思ったからです。お歌が得意なルカくんには、本編のストーリー上は特に目立たないシーンにはなりますが、魄に歌を楽しむ姿を見せる場面で、やはり神の威厳を崩さないためにも並みでない歌唱力が必要になりますし、上手いからこそ魄との関係性の接近や、その距離の特別感が演出されると思うのです。

魄~アクション傾向の忍くんをアクティング要素の強いキャラクターにあてたのは、その意外性と先の読めない展開の設定にありました。原作を知らない方が忍くんから物語展開を予測するとしたら、冒頭場面では恐らく逃げる・戦う選択を取ると思うのですが、どこまでも従順なキャラ設定に驚きがあるのではないかと思います。また、神が作った雪像が彼のために食料を幾度か調達してくるのですが、後に彼も共に雪原へ出て狩りをすることも増え、そのシーンの撮影では得意のアクション、もとい熱量のある動きが魅せる本当の魄の内面まで演じ切っていただきたいと思いました。

IDee (プロフ) [1月29日 20時] 5番目の返信 スマホ [違反報告]

『Vivian』


《登場人物》

◇乾 惣士郎 (いぬい そうしろう)
キャスト:佐藤和泉

「君が僕の頬にくれた口づけを忘れられなかったんだ。仕事に追われて心が荒ぶ日も、君が僕以外の客と睦まじく過ごしていたであろう日も、僕はずっと君のことを考えていた。……もっとも、君はたった一度訪れただけの客のことなど覚えてやしないだろうけれど」

「ヴィヴィ、君はいつもそうだ! 嫋やかに微笑んでは僕を惑わせるばかりで、肝心なことは何一つ教えてくれない。どうしてだ? 僕は君に何もかも捧げたっていうのに! ……なあヴィヴィ、君を救うためにはどうすれば良い? 僕にはあと何が足りないんだ? 教えてくれ、ヴィヴィ…………」

20代半ば。歓楽街のショーパブで働く黒服。
新卒で有名企業に採用されたものの、社風が自身の性格と合わずに数年で辞めた過去がある。会社員時代、先輩に連れられて訪れたショーパブでヴィヴィアンと出会った。そこでヴィヴィアンからサービスとして頬にキスをうけ、彼に恋をする。ヴィヴィアンのことを「ヴィヴィ」と呼ぶ。
会社員時代にヴィヴィアンに恋をしてから、黒服になった今でもずっと想いを寄せ続けている。その気持ちは果たしてヴィヴィアンに届いているのかいないのか、今のところ仕事仲間以上の関係になれそうな様子はない。
根暗で気弱、おまけに臆病。誇れることは学歴しかない。思い込みが激しい性格で、たまに人の話を聞かない。感情が昂ると、後先考えず衝動的な選択に走ることがある。
癖のある黒い髪に、青みがかったグレーの瞳を持つ。服装は、上下黒いスーツにグレーのネクタイ。最初の方はモッズコートを着ているが、ヴィヴィアンと逃げることを選んだ時に彼に自らのコートを着せてからは、ずっと変わらずスーツ姿である(多少着崩したりはする)。
ヴィヴィアンを追っ手から匿うために自分が所有している財産をほぼ全て使い果たす。物語の最後ではヴィヴィアンと心中することを選び、その結果惣士郎だけが死んでしまう。
原作者のコメントでは、「救いたいふりをしながら、本当は誰より救われたがっていた」と評されている。


◇ヴィヴィアン
キャスト:城崎頼

「ねえ、もっともっとおれと遊ぼう! 人生っていうのは楽しいことだけで良いんだ。他の人の生き方なんて知るもんか。おれとシローが楽しく生きられるなら、きっとそれが一番すてきな生き方だ!」

「シロー、おっきな声出さないで。怖いよ。……ねえ、シローはおれのこと嫌い? おれはシローのこと好きだよ。それだけで良いじゃん。それだけじゃ……だめ?」

年齢不明(見た目は20歳ほど)。歓楽街のショーパブで働くステージキャスト。透き通るような美しい歌声と華やかな容姿を持ち、常連客からは“歌姫”と呼ばれている。店のキャストの中では一番の人気を誇る。
過去に惣士郎が客として来店した時のことは覚えていなかったが、現在同じ店で黒服として働く惣士郎とはすぐに親しくなった。惣士郎のことを「シロー」と呼ぶ。
本名や経歴などは一切不明。ショーパブのオーナー等は知っているのかも知れないが、少なくとも惣士郎は何も教えて貰っておらず、作中でもヴィヴィアンに関する情報は全く明かされない。ただ享楽的な性格と奔放な生き方のみが描写されている。
肩につくほど長い薄桃色の髪に、深淵を映したような真っ黒な瞳を持つ。中性的な顔立ちであり、身体も小柄で華奢。ショーパブの制服は露出が多いためすぐに男だと分かるが、そうでなければぱっと見では性別を判断できないだろう。
ショーパブの制服は布の薄い真紅のミニドレス。日によってコスプレ衣装を着ることもあるが、惣士郎に連れ去られた日はいつものミニドレスだった。逃避行が始まってからは惣士郎のモッズコートを羽織るようになる。
ヴィヴィアンの最大の特徴として、“惣士郎と共に行動していない時のヴィヴィアンの様子は作中で一度も描写されない”というものがある。つまり、『Vivian』という物語で描かれるヴィヴィアンは、全て惣士郎の視点から見た姿でしかないということ。
原作者のコメントでは、「ヒトであったかどうかすら定かではない存在」と評されている。

水有 (プロフ) [1月29日 21時] 6番目の返信 スマホ [違反報告]

《あらすじ》

作品においてフィーチャーされている“ブレス”は、「必死で駆ける二人の荒らぐ呼吸」。物語は全て惣士郎の視点で進行する。
歓楽街のとあるショーパブで黒服として働く青年・乾惣士郎には、想い人がいる。同じショーパブに勤めているステージキャストのヴィヴィアンだ。本名も経歴も何もかも知らない彼に、惣士郎は密やかな恋心を抱いていた。
ある時、いつものようにショーパブに出勤しようとした惣士郎だったが、その日は何やら様子がおかしかった。店の軒先に、明らかにカタギではない風貌の男たちが何人も立っているのだ。その中の数人には見覚えがあった。この辺り一帯の店の元締めをしている暴力団の構成員たちだ。
遠目から構成員らの姿を確認し、店に入るのを躊躇っていると、店長からの着信が。その電話で教えられたのは、「ヴィヴィアンが暴力団の幹部を撃ち殺してしまい、彼らに捜索されている」という衝撃の内容だった。
焦った惣士郎はすぐに踵を返し、ヴィヴィアンが行きそうな場所をしらみ潰しに回っていった。すると、とある路地裏でヴィヴィアンを発見する。ショーパブの制服姿で縮こまっているヴィヴィアンに駆け寄り、「本当に君が人を殺したのか?」と尋ねる。そんな惣士郎に、ヴィヴィアンは「シローは、おれがやったと思う?」と聞き返した。
遠くからは暴力団員たちの怒鳴り声が聞こえてくる。このままではすぐに見つかると考えた惣士郎は、自身の着ていたコートをヴィヴィアンに被せると、彼の手を引いて駆け出した。行く宛てなどどこにもなく、逃げ切れる保証もない。けれど、一度走り出してしまったからにはもう止まることは許されない──ちっぽけな彼らの命懸けの逃避行が始まった瞬間だった。
使えるものは全て使って、歓楽街の外まで逃げて、終わりの見えない旅をした。いつ居場所がバレるか分からない恐怖に晒され続ける日々を、それでもヴィヴィアンは心底楽しそうに過ごしていた。まるで追われている事実など最初から存在しないかのように。反対に、惣士郎の精神は日に日に摩耗する一方だった。「ただヴィヴィアンを助けたい」──その思いだけで逃げ続けるには、もはや限界が近づいていた。
ある日、ついに惣士郎は思い至る。「そうだ、心中してしまおう」と。ヴィヴィアンにその旨を伝えると、彼は「それでシローが満たされるなら」と惣士郎の提案を快く受け入れた。
寂れた安いホテルのベッドで、旅の途中で手に入れた毒薬を二本の注射器に入れ、互いの首筋に刺し合う。最期に「おやすみ」と言葉を交わし、二人は永遠の眠りに就いた。

一つの命が終わりを迎えたその部屋で、ヴィヴィアンは再び目を覚ます。毛布の中からするりと抜け出ると、ベッドの中で冷たくなっていく惣士郎の頬にキスを落とし、そのまま部屋を出ていった。部屋の扉を開けて外に出る直前、ヴィヴィアンは振り返り、笑顔で惣士郎に手を振るのだった。
原作のラストはこのようなシーンで幕を閉じる。しかし今回のドラマでは、上記のシーンの直後にエンドロールが流れ出し、カメラはベッドの上で死んでいる惣士郎を映す。そしてそのままエンドロールの間中ずっと惣士郎の死体を不規則な角度のカメラワークで映し続ける……という奇妙なアレンジが加えられている。なお、原作者はこのアレンジを大層気に入ったという。

水有 (プロフ) [1月29日 21時] 7番目の返信 スマホ [違反報告]

『Next page, Next ask』


あらすじ:漫画で縮まる二人の距離を描いた甘キュンストーリー。
校舎の端っこにひっそりと佇む文芸部の部室。部員のほとんどは女子だが、宇崎ひろと(ウザキ - )と佐野瑞希(サノ ミズキ)だけは男子部員。宇崎は漫画を読むのが好きで、佐野は絵を描くのが好きな、いわゆるオタクである。
場面は宇崎が漫画を読み終わって顔を上げ、尊さのあまり漏れる溜め息から始まる。
女子部員のオススメだというそれはBLというやつで、宇崎にとっては初めて触れるジャンルだったが、その面白さに一気に引き込まれた。違う机で絵を描いていた佐野の元へ駆け寄って、感情のまま一息かと思うくらい早口に感想を話す。佐野は描く手を止めて、微笑みながら聞いていた。

宇崎と佐野はこの高校の文芸部で初めて知り合った仲だが、旧知の仲のように親しかった。クラスは違ったが、時間が合えばいつも二人でいる。文芸部の中でも、女子と話す機会は沢山あったが、結局は二人でいる時間が一番好きだった。
佐野は宇崎が楽しそうにしているのを見て「ぼくたちもやってみよう、それ」と提案した。

佐野の言うことには、より深い解釈には体験が必要だとのこと。宇崎は納得して、漫画の舞台であった水族館に行くのであった。
いつも二人でいるものの、二人きりでお出かけするのは初めてで、宇崎は何だか緊張する。しかし佐野は漫画の検証だと言わんばかりで、宇崎は自分だけドキドキしているのかとモヤモヤするのであった。

人混みの中、手を繋ぐ。知っている人がいたらどうしよう。売店で互いにプレゼントを選ぶ。どんな気持ちで選んでくれたんだろう。筆箱に入れた海月のボールペンを見るたびに心が揺れるのであった。
その後も、宇崎のいうところの"デート"は続く。放課後の買い食いから二人きりで残った部室でのキスまで。何でこんなことをするのか、そもそも目的は何だったのか。佐野のことで頭がいっぱいで、宇崎の心は揺れに揺れ、顔を見るだけで胸が苦しくなってしまうことに気付いた彼は少し距離を置くことにした。

避けられていることに気付いた佐野は何度か宇崎と話そうとするも、ことごとく避けられてしまう。どうしたの、俺何かしちゃった? どう尋ねても宇崎は走り去ってしまうが、その真っ赤な頬は隠しきれていない。その反応にようやく決心がついた佐野は、宇崎へチャットを送った。「明日の昼休み、部室に来てほしい」宇崎は頭の中で漫画のページをめくるが、こんなセリフは出て来たことはない。なんの創作物から言葉を借りたわけでもない、佐野の言葉だった。

約束どおり部室で会うと佐野は宇崎を真っ直ぐに見つめて、「好きだよ」と気持ちを伝えた。劇的な展開でもなければ、ロマンチックにも出来ない。それでも俺はひろとのことが好きなんだ、と。いつになく緊張した面持ちで想いを伝える彼に、宇崎は瞳が潤んだ。
両想いだった、その喜びで宇崎は佐野の胸に飛び込む。とびっきり愛らしいその泣きそうな笑顔に、佐野は思わず愛おしさでため息が出るのだった。
部室にある佐野のスケッチブックには宇崎と思われる男の子の寂しそうな横顔が描かれていたが、そのページは窓から吹いた風にあおられて、最期には真っ白なページが広がるのであった。

IDee (プロフ) [2月3日 17時] 8番目の返信 スマホ [違反報告]

《登場人物》

◇佐野 瑞希 (演:継宮 伶士)
「どう、ドキドキした? ……俺じゃなくて、ひろとに聞いてるの。キャラの心情、分かりそう?」
「ひろとのことが嫌いであんな真似するわけないでしょ。ほんと鈍感なんだから……いや、不器用な俺には言われたくないか。ほら行こう、遊びに行くんでしょ」

高校2年生。頭も回って運動も出来る非常に器用なタイプだが、想いを伝えるのに関してはとても不器用。体験を提案したのは単に宇崎が楽しそうだったので、もっと作品を楽しんでもらいたいという善良な心からだったが、その体験で宇崎に近づこうとする魂胆は段々と宇崎を見る目が熱っぽくなっていくことで分かる。
少し淡白な性格で人付き合いはあまり得意ではなく、一人でも平気なタイプ。だがその優秀さはクラスの中でも光っており、真面目で何でもそつなくこなす彼は一目置かれる存在でもあり、同級生からは仲良くというより尊敬されている。だが、本人はそれに気づいておらず、まあ友達は別にそんなにいなくても、と思っている。感情は顔よりも仕草に出るタイプ。
身長は宇崎に比べて10cmほど高く、綺麗という表現が似合う端正な顔立ち。焦げ茶色の髪は、髪質も優等生のようでサラサラと素直。耳にかからず首元もすっきりした、清潔感のある雰囲気。因みに二人の学校の制服は紺色のブレザー。
普段は部活動では風景画のスケッチと小説の執筆をしている。最近隠れてひろとの絵を描いているのは、彼にも言えない内緒である。


宇崎 ひろと (演:吉良 歩之)
「はぁ……聞いてよ瑞希。ラストが本当に最高だったんだよ……。いやこれは俺の言葉じゃ伝わらないから、瑞希も読んでよ! 感想語りあおう!」
「瑞希が俺のこと好きでいてくれてたなんて、今でも信じられないんだ……。本当? ほんとのほんと? ……そっか、そうだね。へへ、俺も好き」

高校2年生。純粋な性格で影響を受けやすいタイプ。BLにハマった理由は、描写が綺麗だったから。もともとは少年漫画がすきだったのだが、少女漫画を飛び越えて、ソレを布教されてしまった彼はその魅力に取りつかれ、いつものように佐野に感想を伝えることから二人の恋は始まった。
容姿としては女子からモテそうな格好いい男の子なのだが、内面のギャップがあると共に、前々から佐野とは0距離で仲が良かったため学校全体が二人の関係を公認し見守るオタクになっていた(当時は付き合ってもいなかったが後日譚として二人の交際がクラス全体で祝われるほんわかエピソードがある)。性格は心優しいムードメーカーで少し天然な面もある明るい存在。クラス内でも人気があり、彼の周りにはいつも誰かしら人がいる。
身長は170cm前半で、瑞希よりも薄めの茶色の髪色。瑞希と比べると表情がとても豊かで、喜怒哀楽がすべて顔に出るタイプ。勉強は少し苦手だが、体育は得意。それでも文芸部に所属しているのは小説を読むのが好きだから。漫画で恋が実ったが、それまでは実は瑞希の書く小説をよく読み、感想を語っていた。

IDee (プロフ) [2月3日 17時] 9番目の返信 スマホ [違反報告]

・デートシーンについて
色々なロケ地へ向かい撮影していただきます!

水族館で仲良しデート
あらすじに書いた以外にも、屋内のイルカショーで水を思い切り被ったりふれあいコーナーで餌やりをしたり……水槽のお魚は瑞希よりもひろとの近くに集まります。そのシーンを撮影するのは少し苦労したかも??

放課後帰り道デート
少し寄り道をしてショッピングパークに行きます。
クレープを食べ合うシーンはキャストくんの好きなトッピングを選んでもらいました! 伶士くんと歩之くんは何を選んだのでしょうか。
ここでは漫画のセリフ「まだ帰りたくない」を引き出すために、瑞希がひろとを色々なところへ連れていき、セリフを繋げれば体験が終わりに近づいてしまうため、わざとセリフを忘れる場面があります。

その他にもデートで向かう場所がありますが、キャストくんをお貸しして下さったお二方をはじめとして皆様にも考えていただいたら嬉しいです!

IDee (プロフ) [2月3日 17時] 10番目の返信 スマホ [違反報告]
メッセージ返信
メッセージの一覧に戻る
(C) COMMU