えすえすおきば

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よんくん夢

箸レーゼ (プロフ) [2023年11月8日 19時] [固定リンク] PCから [違反報告]

寒くなってきて、冬の予感を風や生活の中に感じる時期になってきた。冬はかなり冷え込む韓国の寒さは私には少し堪えるものだ。初めてここで冬を過ごした時にそう言うと、彼氏にはちょっと笑われた。「(名前)は温室育ちだからなんだぜ?」……そんなわけがあるか、とその時は一蹴したけど。
とにかく、数年経った今でも寒いものは寒い。恐らく私は寒がりなんだと思う、はじめのうちは単純に慣れてないだけだと言い聞かせていたけど、そろそろそれも言い訳がましいくらいにはこの街で過ごしている。
朝目覚めると、体温を吸い込んで暖かくなった毛布が纏わりついて、私を離そうとしない。——いや、実際は私が離したくないだけでもある。でもまぁ、相思相愛ってことにしておこう。
さむ、と声が小さく漏れ出る。とっくに起きていてここにはいない彼氏、いつも早起きで、寝起きの悪い私とは大違いだ。私が目覚める頃にはもういないことがほとんどだから、ちょっと寂しいような気もするけど。
「좋은 아침、(名前)。起きてる?」
「んー………起きたくない」
「朝ごはん冷めるんだぜ〜…あと、」
まだ朧げな視界に、さらりと映る黒髪。相変わらず綺麗だと、ぼんやりとした頭でも思う。
瞼の重さに勝てず——勝つ気もなく——目を閉じた瞬間を見逃さないとでもいうように、間髪入れず手が伸びる。頬を掴む手はどこか優しくて、だけど眠気を覚ますようにほんの少しの力が込められていた。
むに、と軽く引っ張られて、やめてよ不細工でしょ、と言いたくなる。眠いしめんどくさいし言わないけど。
「むぇ、なに……」
「可愛い顔だなって、思っただけなんだぜ」
「思ってないでしょ……」
愉快そうな声がするから、絶対笑われてると思う。むっとして目を開けると、思ったとおり楽しそうな顔のヨンスがいた。
私が目覚めたからか、頬から温もりが離れていく。それがなんだか無性に寂しくて、さっきまであんなに起きたくなかったのが嘘みたいに起き上がる。ヨンスは一瞬、驚いたように目を見開いたけど、どこまでが策略だったのかにっこりと笑顔を浮かべていた。
悔しいけど、彼は私の扱い方をよく分かっているのだ。……きっと今日も、おいしい朝ごはんが待っているんだろう。
「お寝坊さんも起きたことだし、朝ごはん食べるんだぜ」
「…ん、そうだね。行こっか」
何も言わなくても、黙って手を差し出してきてくれる。そしてその手は優しくて、あったかくて、どこまでも愛おしい。だから私は安心してその手を取れるのだ。絶対に私を受け止めてくれるってことを知っているから。
多少朝に弱くたって、きっと彼はそんなこと気にもしていない。むしろ楽しんですらいるんだろう。
そうでなきゃ、他の誰にも見せないような、こんなに優しい表情を向けてくれたりはしない。だって彼はそんなに器用なひとじゃない。私と一緒で。
朝からこんなに幸せな気持ちになれるなんて、いつかバチが当たるんじゃないだろうか。だけど、少なくとも今はその時じゃないだろう。
だってこんなにも、あたたかい手がここにあるのだから。
ほんの小さな、本当に些細なものだけど。その喜びを閉じ込めるみたいに、ぎゅっと繋いだ手を握る。微かに返ってきた感触がまた嬉しくて、私は笑った。
言葉にならない思いが溢れないように、もう一度握り返しながら。

箸レーゼ (プロフ) [2023年11月8日 19時] 1番目の返信 PCから [違反報告]

うーんうーん、やっぱりこみゅ〜にすると読みにくいね((

箸レーゼ (プロフ) [2023年11月8日 19時] 2番目の返信 PCから [違反報告]
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