えすえすおきば

メッセージ一覧

てきとう
中身あるかも微妙
ただの原作CPの妄想

私と巴衛がミカゲ社を出て、まだ数年の頃の話だ。

私は保育士として近所の保育園に勤め始めた。
巴衛が勤めている会社は、最近いい波が来ているらしい。しかも、それがどうやら巴衛の腕によるものだというから驚いた。
だって巴衛は、いくら優秀とはいっても、まだ“人間”としては数年しか生きていないのだから。
「とーもえっ」
「…奈々生」
「聞いてよ、今日スーパーでケイちゃんと偶然会ってね〜」
「奈々生」
「なによ、さっきか、ら——」
唇に触れる、優しい柔らかな感触。
巴衛はずっとそうだ。
ある日突然優しくなって、それから、それから………
ああ、まだ私たちの記憶はあそこにある。あそこでの思い出が、あまりにも多すぎる。
なんだかふと社が恋しくなって、私は離れていく巴衛にもう一度そっとキスを返した。
もう、私の額には彼の力は宿っていないけれど。
目の前の美しいひとは、もう言霊で縛れないけれど。
私たちの関係は、「土地神」と「神使」ではなくなったけれど。
必死に人間社会に食らいつく元妖狐の夫と、小さい頃から貧乏だった妻。そんな夫婦が支え合って暮らしている。
私たちの住む小さなアパートには各部屋に神棚があって、私たちはそれを気に入ってここに住んでいた。
神棚に備える榊の水を替えながら、私はふと思い出すのだ。
瑞希、鞍馬、ミカゲさん、皇女、みんな元気かな。
『こちら』からは分からないからこそ、たまに寂しく思うことがある。
だけど。
「奈々生は今、幸せか?」
「当然でしょ!私、今すっごく幸せ!」
あなたがいつだって隣にいてくれる。そんな毎日は、私を勇気づけてくれるのだ。

箸レーゼ (プロフ) [2023年6月3日 22時] 1番目の返信 PCから [違反報告]
メッセージ返信
メッセージの一覧に戻る
(C) COMMU