【理想という名の箱庭で】なりチャ
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詩音が閉館準備をしていると、奥の本棚に人影が見えた。
(あそこは……自然科学コーナーだっけ。珍しい、人がいるなんて。それにしても、見覚えない人だなぁ。誰だろう？)
｢初めまして、こんにちは。何かお探しですか？｣
持ち前の愛嬌を活かして、斜め後ろから覗き込むように声を掛ける。
Mashiro Lio (プロフ) [2020年2月16日 17時] 4番目の返信
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｢あー……｣
星の本はたくさんある割に借りる人が少ないため、図書室の住人を自称する詩音もあまり記憶がない。
(何だっけ。星……星座……由来…………あっ！)
｢それって『星座と神話』か『星空名前辞典』ですか？ その2冊は先週から閉架に入っちゃってますね｣
(あと……星の本？ 星の本って結構いっぱいあったからな……)
Mashiro Lio (プロフ) [2020年2月16日 21時] 5番目の返信
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(おおう、独り言か？にしても長いな……)
自分も独り言癖があるので、心の中でだけ1人で勝手に共感する。
｢星、お好きなんですね。いいですよね、私もときどき見てるんです｣
表向きは、こう口にしながら。
そして、目の前にいる誰だかもわからない相手の望みを叶えるため、軽やかに身を翻した。
｢ちょっと待っててくださいね、すぐ出してきますので｣
Mashiro Lio (プロフ) [2020年2月17日 8時] 6番目の返信
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図書室隅の扉から、閉架へと向かう。あの本を移したのは最近のことなので、場所を忘れてはいないはず。
｢たーしーかー……先週入れ替え作業のときに……この辺かな？｣
はたして、『星座と神話』は思った通りの場所にあった。思ったよりも早く見つかったのでルンルンとスキップしながら戻ると、先程の青年は、別の星に関する本を手にしていた。
｢ありましたよ～！ あ、そっちの本も借ります？ 準備すぐ終わるんで、貸し出しカード出しといてくださいね～｣
Mashiro Lio (プロフ) [2020年2月17日 13時] 7番目の返信
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詩音は利用者の少なさで数時間前にスリープしたパソコンを立ち上げていたが、蛍をみて｢あっ！｣と声を上げた。
｢わああすみませんすみません、書くもの無かったですよね！ これでよろしければどうぞ！｣
詩音の胸ポケットには、かなりいろいろ入っている。そこからピンク色のシャーペンを引っこ抜き、カウンターに置いた。
Mashiro Lio (プロフ) [2020年2月17日 19時] 8番目の返信
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｢コラックマ！可愛いですよね！あ、私はすみっコずまい派ですけど、コラックマも好きなのでシャーペンとか持ってて｣
(おお、字が綺麗……)などと思いつつ、詩音はパソコンの方でも本のバーコードをスキャンしていく。
｢貸出期限は2週間ですね。あ、ここに返却日ボードありますので、確認していってください｣
そう言ってカウンター前のボードを指差した。
Mashiro Lio (プロフ) [2020年2月17日 20時] 9番目の返信
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｢いいいいいえぜひぜひぜひ！｣
｢要らない｣と思ってると思われたくなくて、つい大声が出てしまう。
(やべ、シノぴ～がいなくてよかった～。いたら怒られてただろーな……)
内心やや冷や汗をかきつつ、使い終わったシャーペンを回収。
｢すみっコずまいのグッズ、何がありますか？ くま、みけねこ、きょうりゅう推しなんですけど私。最近は超ビッグ抱き枕っていって私の身長くらいある大っきなやつ探してて、あと私って文具とかめちゃ消費するのでその辺特に。あ、あとデバイスゲームの『アンすた』って知ってます？ 私あれも大好きで！ もう全キャラまじで最高で、グッズ毎月ちょっとずつ集めてるんですけど、尊みがすぎて昇天しそう！ あと、それのサントラ出してるオスティナートさんたち尊敬してるんですよ、まじあの尊いキャラ達とストーリーに合うBGMとか最強すぎません!?｣
(やべ、喋りすぎたし注文付けすぎた……！ しかも関係ない『アンすた』の話まで出しちゃったし私のバカ！ タダで(?)貰えるなんて、すみっコずまいだったら何でも嬉しいんだし、もっと相手の気持ちも考えないと！)
Mashiro Lio (プロフ) [2020年2月17日 22時] 10番目の返信
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