鈴凛のボード
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鈴凛 (プロフ) [4月21日 2時] 7番目の返信 [違反報告・ブロック]若い技術者数人で顔を見合わせる。仕方ないと言いたげにみんなが首を振り、誰が行くか窺い合っているのを見て、仕方ないと気合を入れてロマン達の方へ向かう。今度絶対に奢ってもらおう。
更に激しさをましていた言い合いに、
「まあまあ」そう言って割入ったものの、所長の怒りは治まらないようで、ロマンを指さして、「アイツが!」と言い募る。
「Dr.ロマンがどうかしましたか?」
「レイシフトの一般枠を作るって言うの!」
「それは、どういう・・・」
困って目を向けると、ロマンは普段よりキリッとした顔で口を開く。
「魔術師の家系ではない、一般人を入れようってだけだよ」
「それは」
思わず言い淀む。今回もただの言い合い程度だと考えていたけれどそうでは無いらしい。今後の方針を決める喧嘩に口を挟んだことを後悔しながら、頭を回す。
「ドクター、何で一般枠を作ろうとしているんですか? こう言うのはアレですが、魔術の習得には多くの時間が必要と聞きますし、正直、その、戦力にはならないのでは・・・・・・」
「そうよ! 魔術のことを何も分かっていない一般人なんて足手まといになるだけよ! そんなものに時間やお金をかける余裕なんてないの!」
所長が味方を得たことで勢いづく。騒ぎはさらに大きくなり、野次馬なんてしない人でさえ、なんだなんだとこちらを見る。
「レイシフトの適合者は少ない。一般人だろうと人数が多いに越した事は無いと思うし、なにより、技術者や魔術師ばかりのカルデアで一般人の目線は大切だと思うんだ」
冷静な口調のロマンの話に、所長が言い返そうとして言いよどむ。
何か思う所があって、納得できる部分もあるのだろう。
「でもカルデアにはそんな余裕ないのよ!」
それもまた事実だった。今は一分一秒も無駄にできない。そんな言葉が飛び出すくらいの状況だった。所長達の言い争いは止まず、このままじゃ一向に解決しない。口を開こうとしてもなにを言えばいいのか分からず、また口を閉じる。
「ロマンとじゃ話にならない! レフ! レフはどこにいるの!」
激昂した様子の所長が、そう言って辺りを見回すのにつられ辺りを見回すが、彼らしき人物はいない。一人二人職員が席を立って、小走りで廊下の方へ向かう。レフ教授を呼びに行ったのだろう。
職員と目が合うと、気の毒そうと顔を歪められたり、後でお茶をしようとジェスチャーをされたりして、何で首を突っ込んでしまったんだろう。と少し前の自分の行動に疑問を持ってしまう。
雰囲気の悪い所長と、いつもよりはシャキッとしているものの未だポヤポヤしているロマンに挟まれて、何も言わず、只どうにかなれ!と祈り始めたところで、少し職員の一部の方で、ざわめきが発生した。
鈴凛 (プロフ) [4月25日 0時] 8番目の返信 [違反報告・ブロック]太宰続き。
「また君かい?」
聞き覚えがあった。昨日聞いた声と全く同じだった。
まさか、いや、そんなことあるはずない。昨日よりはマシな、けれど震える手で付けたフラッシュライトが前と同じように彼を照らす。そこには、昨日と何も変わらない、整った顔に高い背、包帯を体に巻き、汚れたコートを身に着けた太宰治がいた。
「ゆめじゃ、ない?」
「そうなんだよ、悲しい事にね」
そう肩をすくめ、やれやれと首を振った彼は、一度しか来たことの無い私の部屋の電気を勝手知ったるとばかりに付け、呆気にとられている私を放って、勉強机の上を物色し始めた。
止めようとして、けれどどう声を掛けたらいいか分からず止まる。それでも意を決して口を開こうとした時、彼の手が止まって、「太宰治・・・・・・?」と呟いたのが聞こえる。その手にあるのは「人間失格」太宰治の生涯最後の完結作だった。
そうだ、確か机の上に置きっぱなしに・・・・・・! 思わず青ざめる。彼の、モチーフとなった人物の著作。それを彼が見るという事がどう影響するのか、私には分からない。
彼は私の方を一瞥した後、手元に目を戻し、ふぅんと本を開く。パラパラと冒頭を少し読み、本を閉じる。
鈴凛 (プロフ) [4月27日 2時] 10番目の返信 [違反報告・ブロック]拍子抜けするほどあっけらかんと言った彼は、手に持っていた本を置いて、近くにあった本棚を覗いた。ふむ。と口元に手を当て、その背表紙を確認する。本棚を見て流れていく視線にまた心臓が嫌な音を立てた。
あの本棚には、明治大正期の文豪の作品を多く置いていた。太宰治、芥川龍之介は、勿論。中原中也、中島敦、坂口安吾、そして、織田作之助。
どういう反応をするのか怖いもの見たさで、彼の顔をうかがっていると、彼は何でもないかのような顔をして、一つ本を手に取る。
パラパラと数ページ読んでは、次、また次と、本を次々と手にする。
「私たちが本を書くような世界があるなんて、思いもしなかった!」
いや、彼女は私を知っている様子だったし、高次元的な世界かな? ページの仕組みも、高次元からの干渉という説も・・・・・・。
そう難しいことを呟きだした彼は、ふと顔を上げ、私の視線に今気づいたかのような顔をした。
鈴凛 (プロフ) [5月8日 1時] 11番目の返信 [違反報告・ブロック]コナン 聖
,
「やあ」
そう言って顔を上げた彼は今いる場所に全く似合わない顔をしていた。
強化ガラス一枚に分け隔てられ、後ろには顔も見知らぬ職員が立っている。勿論、会話は録画・録音されて、親族や友達と会う事の出来る回数さえ限られる場所。
「元気です、よね。・・・・・・ヤケにすっきりした顔してますから」
「しなければいけないことが無くなったからね」
留置所に似合わない、憑き物が取れたような表情をした聖さんはニコっと笑った。
数年ぶりに見たような気さえする、いや、実際に数年ぶりなのだろう、こんなにも晴れやかな、明るい彼を見たのは幼少期が最後だった。
・
面会を求める時に私と聖さんがどういう関係かと問われれば、それに答えるのは簡単だった。ただの隣人で、私の初恋を奪った人。両親から受け継いだコミュニケーション能力と顔、そしてキザなセリフをサラっと言えてしまう軽さ。初恋キラーとさえ噂される彼を女の子たちの中で一番近くで見てきたんだから、恋に落ちる事は至極当然で、仕方ない事だった。
だけど、そんなこと言えるはずもなく、只お隣さんで顔見知りで、ほんの少しだけ隣人として世話することもある関係。そう言えばあっさりと面会許可は下りて、今こうして対面している。
実のところは、そう大して仲がいい訳でもない。友達というのは気安く、幼馴染というのは憚られて、だけど知り合いや顔見知りの言葉に落とし込むには、年月が流れ過ぎてほんの少し近すぎる。
生まれついた時からの隣人という様な言葉が一番合う関係だった。
「大学は停学処分になるそうです」
「うん、聞いたよ」
あっさりとそういう彼は余り気にしていないらしい。医療関係の仕事に就くことが夢だと言っていたはずなのだけど。首を傾げたのに、言いたいことを察したらしい。
「大学はどうにでもなるからね」
「それ、高校生の私に対する嫌味ですか」
そうかもね。そう言ってひとしきり笑った後、聖さんは口を開いた。
「・・・爺さんは元気だった?」
「一応、会いに行ったんですけど、面会してくれなくて」
そう。その一言で気まずい沈黙が流れる。いつもこうなんだ。見知らぬ人にさえ気軽に話す癖に、私と話すときにはどことなく気まずさが流れる。
きっと、あの時、聖さんが木刀を持ち出すほどの喧嘩をしてしまったせいだ。分かってはいても、時間に任せて仲直りした今更、その話題を口に出そうとはお互いにしなかった。
「(名前)ちゃん、お母さんは元気?」
「・・・ええ、ヘソクリでも差し入れに持って来かねないくらいですよ」
鈴凛 (プロフ) [2023年12月13日 4時] 6番目の返信 [違反報告・ブロック]「っ~~!! そもそもで!好みであって好きとは言ってない!」
ほんの少しの気恥ずかしさを紛らわすように怒れば、笑みを隠し切れずに上がった口角をそのままに、反省の色も見せず、首を傾げる。
「そやけど、{}、好きになった人が好みって言うとったやん」
それはそうだけど! 反論の言葉は喉の奥につっかえて一向に言葉にならない。せめてもと代わりに睨みつければ「わかっとる、分かっとる」とひらひらと手を振って流そうとする。
その意にも介さないと言いたげな言動に、声が大きくなる。
「私が言ったのは本当に好きな人が出来たら、その系統が好みになっちゃうって話であって好みの人=好きな人って事じゃない!」
魑魅 零 (プロフ) [2023年10月5日 16時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]失礼します。迷い犬以下略の主催者の魑魅零です。
申し訳ありません。もしよろしければ使用しているブラウザを教えていただけないでしょうか。
現在発生しているトラブルにリレー小説参加者様か私のブラウザに問題があるかもしれなく…。