白アザラシのボード
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白アザラシ (プロフ) [2021年10月20日 9時] 3番目の返信 [違反報告]超音速飛行をしたとしても飛行機の中の人は影響を受けない。せいぜい高度による気圧の変化で耳がキーンとする程度。エレベーターに乗っても起きる。ところが地上から飛行機を見てる人間に対してはちょっと違うことが起きる。
この辺の話はとてもあやふやなので話半分で聞いてほしいんだが、音速っていわば空気の速さの上限なのな。だから音速を超えない限りは飛行機によって生み出された空気の波は飛行機を追い越して空気を引き裂いていくので飛行機は抵抗を受けずに進むことができる。この状態はお風呂の中で手のひらを滑らせている状態をイメージしてほしい。ところが音速を超えてしまうと飛行機を空気の波が追い越さないので、空気の壁が飛行機を押さえつけてしまう。これを無理やり押しのけながら進んでいくので、空気の大波、衝撃波が生まれる。お風呂で進行方向に手のひらを向けてブンブンしてる状態ですね。この衝撃波というやつがとても厄介で、単純にうるさいだけではなく、窓ガラスを割ったり、爆発によって生じるものなんかでは内臓が破裂してしまったりする。せいぜい飛行機で起きるのは窓ガラスが割れるくらいだけど。
白アザラシ (プロフ) [2021年10月20日 9時] 4番目の返信 [違反報告]だから飛行機が超音速飛行ができるのは基本的には何もない海の上だけなのだ。昔々、超音速旅客機の始祖と言えるコンコルドって飛行機がいた。こいつはマッハ2、時速でいえば大体2000km/hで飛ぶことができた。海の上でだけな。つまりこいつはニューヨークとパリの間の大西洋を普通の飛行機の2倍以上のスピードで飛べた。飛べたんだけど座席の値段はファーストクラスの20%増し。しかも海の上でだけ超音速飛行をするのでパリに着くまでの時間は半分までにはならなかった。こいつの悲劇は高い料金を払ってまで5時間で着く道のりを3時間にしようとする客が少なかったことだ。しかもこの結果は開発が半ばに達した時点で予測されていた。このまま事業を続けても負債になるのが分かっているのに、投資を回収しようと途中でやめることができない。これをコンコルド効果と呼ぶ。ただコンコルドの時点ではまだカーボンファイバーをはじめとする炭素繊維が普及していなかった。この圧倒的に軽量な素材と進歩した航空力学とを組み合わせれば、衝撃波を減らしつつ低燃費な超音速旅客機が作れるんじゃないのか、ってぇのが昨今のトレンドです。んですけれどぉ、コロナのせいで航空業界全体がそれこそ10年かかって回復できるかってくらい縮小しちゃってるのでぇ、多分実を結ぶ日は当分来ないです。なんせ飛ぶ寸前だったMRJ君がポシャるレベルなので。座して待ちましょう。