ポケットの中の戦争
最初に見たのは小学生のころ。多分前回観たのは学生の時じゃないかと思う。
大人になったんだな僕も。古強者の中に期待されずに放り込まれる新人ってバーニィとおんなじ立場になってる。前まではアルの立場で話を見てたんだと思う。
バーニィの立場で見るとなんというか何もかもが理不尽に感じられる。んで、もうだめだ、逃げちまおうって投げ出したくなる気持ちも、そのあとでもうちょっとだけ頑張ってみようって心変わりするのも痛いほどわかる。実際やってきたしな。
だが、まだバーニィがなんで帰ってきたのかがわからない。多分、アルが信じてくれたカッコのいい自分でいようと思ったんだと思う。まだ僕は命がけで何かを成し遂げてやろうって思ったことがない。そう思えるものに出会ってない。そういうのに出会えた時本当にバーニィのことが解るんだろうな。
大人ってのが何かって言ったら、クリスの言うところの怖くて逃げだしたくなるけれども、命がけで守らなきゃならないものがあるかってことなのだと思う。
あとまぁ劇的な効果もなしに本当にすぐに人が死ぬのに改めて驚いた。それと決死の作戦に臨む前にいつもなら後輩をいびってくるガルシアがすっごく優しいのもなんかわかる。弊社割とそういうことやりがち。
登場人物がみんな嘘つきなのも驚いた。アル、バーニィはもちろん、バーニィがクリスに寝てるアルを届けるシーンでもおそらく親二人はバーニィが来てるのを知ったうえでクリスに応対させてる。
なんというかシュタイナー隊長の捨て駒部署の矜持というかそういうのもわかるようになってきた気はする。実らない仕事でもベストを尽くさないといけない。なぜならプロなのだから。
人が死にまくってるのに劇中の人物から見たら、アルは父親が帰ってきて家族中が修復されて戦争の前よりも幸せそうになってるっていうのも皮肉が効いたEDである。
最期のEDだけイラストに色がついてるのは、アルにとって戦争がメディアを通して伝えられるどこか遠い出来事から、真に実感のある実体を伴った現実になったのだという意味だと思う。実際あれらの画像は「戦場写真集」というモキュメンタリー風イラスト作品集からの流用である。
ユーザ登録画面に移動