八百万の心と神

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神は死んだ、なんて大昔の哲学者が言っていたけれど。結局の所あの言葉の意味は『神に何も期待するな』って事だと思ったり思わなかったり。
弱者が傷を舐める為に神という虚構に縋って居るとしたら、それは神への冒涜と宗教の腐敗しか意味しない。
…なぁんて最もらしい事を言ってみるけど、私も弱小種族の一角を担って居る訳だから自虐は辞めよう。笑えない。
結局どんな無神論者だって死ぬ瞬間は神に祈って仕舞うのでは無いだろうか。そうすれば脳の快楽物質が幻覚を創り出して『救われる(笑)』。
しかし人間である私は其れを唾棄しよう。神は神になんて祈らない。其れが人間と言う枠を越えられる第一歩だ。本当は第一歩も何も無理な物は無理なのかもしれないけど。今世は運が無かった。其れだけの話だと思えば良い。未来に期待。来世来世。
死ぬのは怖くない、なんて嘘だけど。大嘘だけど。
神に成りたかった私が神に殺される等、皮肉な話ではないか。ならば僥倖。私の人生そのものがナンセンスだった!盛大なオチだ。
くすり、と笑う。多量出血の所為で頭に靄が掛かった様だ。思考が安定しない。
霊力が殆ど尽きている所為で中途半端な止血しか出来ない。まあ良いのだ。こうしてゆっくりと死を待つのもまた僥倖。ゆっくりと瞳を閉じようとした時、近くを霊力持ちが通った気配がする。一瞬だった所為で神か人間かは判らない。何方でも良いかと取り敢えず声を出す。
「おーい!其処に居るのー!助けては貰えないかー?」

特になし (プロフ) [2016年7月22日 1時] [固定リンク] PCから [違反報告]

ふらりと、どこかに行きたい気分だった。特にすることも無く命令もなくただただ空を見上げているのに飽いた昼。ぴょこんと縁側から飛び退き、下駄を突っ掛けてそっと家を抜け出した。
ぬかるんでいる訳では無いが水を吸った土はふにふにとしていて気持ち悪い。それでも足を動かしたくて、塀の外から出てしまった。
鳥籠の中にいるのは好きではない。
ずっとずっと地続きで、家のものに見つかれば隠れることなんてできない。だから結局ここも鳥籠の中。
あぁ今日もきっと何も無い。子供ながらにそれを知って落胆して、草の中にぴょこん。何かが跳ねた。見れば緑の草の中に草が跳ねている。否、草のような虫、バッタだ。
それを澄んだ黒い瞳に映して、それは更に輝く。
「バッタさん待って!!」
声という大きな響きが降り掛かったのだ。当然虫は逃げる。それを追う、追う。楽しいことを取りこぼさないように。
そうして走って、聞こえた。
「…………ん?」
なんだか地面から声が聞こえるのだ。虫など頭から離れ、きょろきょろと辺りを見回す。そして見つけた。
「う、わ、わ!!あ、危ない……」
背の高い草の向こう。一見わかりずらくて落ちそうになってしまったが、そこには自分の背丈程の小さな崖があった。そこに、人が、いた。
がさりと草を踏んだ音に気づいたのか、血にまみれたそれは助けを求めていた。

鈴美 (プロフ) [2016年7月22日 19時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

近付いて来るのが人間の子供だと気付き安堵する。まだ人生捨てた物じゃ無かった様で。
左足が根元から無いこの状況を見てトラウマに成らないかどうかが心配だが、心配した所で何も変わらないので諦めて声を掛けた。何を諦めるのかと言う話だが。
「あっはっはっは…お姉さんちょっとしくじっちゃってさぁー…幸いにも君霊力持ちっぽいしちょっと手貸してくれない?」
烏の濡れ羽色をした美しい髪を持つ歳の頃は10位の幼女に、凝固した血に塗れた手を差し伸ばす。麻酔の効果が切れて来たらしく、傷口がずきずきと痛み始めた。
あの狐は厄介だな、なんて考える。仕留められると思った瞬間形が変わり、2メートル弱の獣人に変わった。身体は狐で二足歩行すると言う見目だが、あれの力は凄まじかった。流石荒神と言うべきか。

特になし (プロフ) [2016年7月22日 21時] 2番目の返信 PCから [違反報告]
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