なりちゃ場所
___16 2018年1月7日 22時 /____15 2018年1月7日 22時 /___14 2018年1月7日 22時 /___13 2018年1月7日 0時 /___12 2018年1月6日 11時 /_____11 2018年1月5日 21時 /____10 2018年1月5日 11時 /____9 2018年1月4日 19時 /_____8 2018年1月4日 19時 /____7 2018年1月4日 12時
メッセージ一覧
奏(そう) (プロフ) [2018年1月13日 12時] 44番目の返信 [違反報告・ブロック]彼に言われて辺りを見渡す。確かにテレビで見たものは鳥居があった。ここにはないから寺ということを認識する。
「そっか、ここが寺か~!仏様はどこにいるのかな……!」
優しく一つ一つ教えてくれる彼に「なるほど」と言いながら頭にいれていく。覚えることがこんなに楽しいとは思わなかった。きっと一人でいろんなものを見て回っていたら見てるものが何なのか分からないままだったかもしれない。今みたいに寺のことを神社と間違えて覚えていたのかもしれないのだ。彼にはとても感謝しなければならない。無意識に強く握られた手に何を思ってるかは分からなかったが、それに反応するように優しく握る。
一周した寺の墓地には自分たちと同じ霊体が多くいた。彼の言葉からお盆という言葉が出てきたため納得した。彼と同じように見渡すが年齢層がとても高い集まりだ。
達海が親が来るかもと言ってくれたためそれを願うように応えた。
「お盆だから仕事ないからね、来てくれると嬉しいな。お墓参りする人増えてきたね」
墓参りして手を合わせてる家族の方を見て首を傾げた。まだ墓参りをしたことがない蝶由は彼らがどういう目的で手を合わせてるのか分からないのだ。達海の肩をトントンと軽く叩いて、墓の前で手を合わせてる家族の方を見て指を指す。
「たっつー、あの人たちは墓の前で手を合わせてるけど何してるの?精神統一?」
きっとこれを生きていたうちに口にしていたらバカにされるだろう。しかし死んでるうちだからこそ聞けると思ったのだ。
Td (プロフ) [2018年1月13日 13時] 45番目の返信 [違反報告・ブロック]「あー鎮魂…?」
彼の質問に腕を組み首を傾げる。達海もまた、あまり墓参りなどした事がないため上手く伝えられないようである。暫く考えて、自信ないけど…、と口を開いた。
「ご先祖様も来るからさ、多分家族の近状報告とか、これからも見守っててくださいーって感じでお祈り…違うな、お参り…?うーん、よくわかんないけどそんな感じのしてるんだよ」
そう考えると精神統一も強ち間違いではない気がする。少し彼の言う事が面白くて笑えてしまった。純粋な目で聞いてくるものだから、余計に面白い。次は何を聞いてくるのだろうかとワクワクしつつ、墓を歩いていく。彼の墓を探しているのだろう。
「あ、おじーちゃん一年ぶり!元気?あっ、元気っつってももう死んでるかー!ん?こいつ?こいつは新入りなんだけどさ、波野って苗字わかる?珍しいからすぐ見つかると思ってたんだけど…向こう?突き当たり?おっけ!さんきゅー!」
長く浮遊霊をやっているせいか、顔見知りが何体もいるのだろう。彼に向こうだってさ、と笑い歩いていく間にもたくさん声をかけられる。いつの時代も、年寄りは子供が好きなのだろう。しかも若い彼らは目立つ。夜になれば先祖やら軍人やらもっと古い幽霊が現れるが、昼間となれば最近亡くなった者ばかり。やっぱり近代では若くして死ぬのは珍しい。同情の目が二人に向けられるが、能天気に笑っているせいか周りもそれを伝える事はなかった。
「あった!ここ?」
墓地の突き当たり。『波野』という苗字の書かれた墓地を見つける。あまり人が来ないのか、汚れが目立ち花が枯れ、線香が燃え尽きたまま。あまりの惨状に達海の笑顔も引きつる。なんだか、探し出さない方がよかった気がしてきた。謝ろうと思い、恐る恐る彼の表情を伺った。
奏(そう) (プロフ) [2018年1月13日 15時] 46番目の返信 [違反報告・ブロック]「へぇ!なるほど……そうやって見守って貰ってるんだね~!」
次はどんな発見があるのかなと思いながら歩く。少し進むと年齢のお高いお年寄りがいて彼がその人に話しかける。どうやら蝶由の墓を探してくれているみたいだ。向こうだと言われそちらに足を進める間にいろんなお年寄りに話しかける。すごく優しいお年寄り達だと思いながら歩いていると一つの墓に目が入る。周りの墓とは打って変わって無惨な墓だ。想像はしていたが目にすると傷つく。でも親らしいとも思えるのですごく傷つくこともなかった。忙しいと言ってお見舞いにも来てくれなかったのだ。墓参りなんて来てるなんてあまり期待はしていなかった。
「あはは、やっぱり仕事忙しくてこっちに手が回らないのかな。大丈夫だよ。雨が綺麗にしてくれるから」
彼の顔を見ながらそう言った。悲しんでいるわけではなく、純粋な気持ちで。また、自分の墓だけ肝試しするときに雰囲気出ていいんじゃないかなんて考えて口にした。
「夜の肝試しにはもってこいの雰囲気のお墓だよ、たっつーと肝試しするために用意してくれたんだね~」
嬉しそうにそういう蝶由の顔は曇った顔ではなく今の空のように雲一つなく晴れ渡っていた。
綺麗な空を見上げてた。
「あの空の奥に何があるのか気になるよね~!宇宙とかどんな感じなのかな?」
楽しげに話し彼の手を握る。それはもうここから離れようと言うサインなのかもしれない。顔には出してないけど無意識に傷ついてるのかもしれない。そんなもの蝶由には分からないものだった。
Td (プロフ) [2018年1月13日 16時] 47番目の返信 [違反報告・ブロック]彼の言葉に目を見開く。
純粋故の怖さ、残酷さ、悲哀の籠った彼に言葉を失った。
だが空を見上げ手を伸ばしてしまいそうな彼を思わず抱きしめる。
「だめっ!!!行っちゃダメだからな!!!!俺が綺麗にしてやるし、お前の親もきっと来るから!!!」
怒鳴るような、叫ぶような、なんだか悲鳴に近い声だった。どうしても彼をここに引き止めたいようで、身体は離したものの、震える手でぎゅっと彼の腕を掴んでいる。揺らぐ瞳でじっと地を見つめ、不安そうに表情を曇らせている。声を荒げてしまい顔を上げられないのだろう。そんな不安を隠すように、彼に背を向けて必死に明るい声で告げる。
「俺物に触れるからさ!お前の墓綺麗にしてやるよ!」
彼の方を向かないため表情はわからないが、声は明るい。
タッと方向転換したかと思うと、走って道具を取りに行く。漸く戻ってきて持ってきたのはたわしと水と雑巾。側から見れば、それらが宙に浮いているように見える。だがこの辺りは人が少ないようで、幸運なことに人に見られることはなかった。
まずは水を掛けて苔や汚れを落としていく。そして細かい汚れをたわしで擦って落としていき、枯れた花も捨てて水も入れ替え全て綺麗にする。終わった頃にはもう夕暮れ。辺りは真っ赤に染まっていた。ここでやっと、彼の方を向く。
「な!綺麗になっただろ!絶対お前の親も来てくれるから」
そういって満面の笑みを浮かべる。確かに見違えるように綺麗になっていた。
奏(そう) (プロフ) [2018年1月13日 21時] 48番目の返信 [違反報告・ブロック]抱きしめられて一瞬何が起きてるか分からなく目を瞬かせた。怒っている訳ではない。しかしとても苦しそうに叫ぶ彼の一つ一つの言葉が耳の中に反響した。
身体が離れたが腕をぎゅっと掴まれていて、少し痛いくらいだった。下を向いてる顔が蝶由には見えてないがきっと不安にさせてしまったのだろうと思い声をかけようとすると腕から手を離して墓を綺麗にすると言い、そのままどこかに走っていった。
表情が全く見えないがとても明るい声だったがそれでも友達を苦しめてしまったと思い、胸の奥が苦しくなった。少しすると道具を持って現れた彼。
「たっつー?それで綺麗にするの?俺も手伝いたいけど……」
触ってみるもスッと通り抜ける。もどかしさが募る。自分は何故物に触れないのだろうと考えてしまう。綺麗にしていく彼の姿を見ているしかないのだ。苔や草が挟まって土の汚れがついていた墓がみるみるうちに綺麗になっていく共に気持ちもすごく清々しい気持ちになった。終わった頃には既に夕焼けになっている。満面な笑みで此方を見る彼に感謝しても仕切れない。
「すっごく綺麗になった~!ありがとう……!さっきごめんね?俺が変なこと言ったから苦しめちゃったね」
眉を下に下げて彼の手を握る。それは安心してという意味も籠っていた。それに初めての友達だ。苦しんだ顔なんて見たくもない。
「大丈夫、俺はたっつーと一緒にいるからね」
優しく掴んだその手を此方からは離さない。離したらまた彼が悲しんでしまうかもしれないから。
華由咲 (プロフ) [2018年1月5日 21時] 19番目の返信 [違反報告・ブロック]時間は昼。
今日は兄と出掛ける約束をしている。寒いため、こたつに入って兄を待っている。今日の服装はニットにデニムスカートに黒タイツ。今日も親が仕事に行くときに渡された。そろそろ茉緒も男用が着たい。だが、親がそれを止める。この髪型の所為か。微塵も親の気持ちがわからない。幼い頃から女性の様に育てられ、今も女性として生きている。近くから兄の声が聞こえ、後ろを振り返る。
「ねえ、お兄ちゃん!今日はどこに行くの?」
いつも抱き締めているうさぎの人形をぎゅうっと握りながら兄に問い掛ける。茉緒は正直どこでもいいが、強いて言うなら人形屋に行きたいらしい。