なかまはずれ病院
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清。 (プロフ) [2017年6月21日 23時] 1番目の返信 [違反報告]昔から母の事だけしか信用しなかった。いや、出来なかった。
母子家庭という縛れた状況下の中で母は日に日に狂っていき、やがて僕自身も狂っていった。常識が常識を超えて、やがてとんでもないバケモノを生み出してしまった。正気じゃなかった母でもそれに気付いたようだった。
だから、僕を亡きものにした。『夜ノ川 はるの』という人物を殺した。
僕は死んだ。でも神様も閻魔様もあの世に行くことを許してくれない。僕みたいなバケモノは面倒見れないんだ。神様でさえも鬱陶しがってる。
そんな嫌われ者の僕でも、僕のことを見てくれる人がいた。沢山いた。誰もが優しかった。そして皆、同じような状況下にいた。
皆はそれぞれ特殊な、常人には理解し難いような難病を患っていて、邪険に扱われて逃げてきたような人ばかりだった。
皆は僕のことが視えるみたいだった。
幽霊の僕は誰にも相手されず、ずっと独りぼっちだった。それは僕の姿が皆には見えていないからだと知った。今まで誰とも話さなかった。笑わなかった。友達にもならなかった。だから、今は幸せだ。
「いいんちょうさん」
僕の恩人さんが近付いてきて優しく笑ってくれた。僕も笑った。
「はやく天国でも地獄にでも行きたい。どうしたら行けるのかな」
楽しくないわけじゃないけど、幽霊はもう嫌なんだ。
清。 (プロフ) [2017年6月22日 22時] 5番目の返信 [違反報告]「はな、していたい」
苦し紛れに言葉を紡ぐものだから、その声はひどく可哀想なほどに震えていた。
「でも、かみさまはぼくの事が嫌いなのに、こんなに幸せでいいわけないの。充分すぎるほどにこの病院でみんなといるのが幸せで…、でも、それがこわくて」
何かに耐えるようにか細い腕を掻き毟って、ぽろぽろぽろぽろ、少年の涙は服を濡らす。
「その内、怒ったかみさまがぼくがこの世に存在していた事さえもみんなの記憶から消しちゃって、みんながぼくをわすれちゃうんじゃないかな…って考えると、凄く不安になるの。だから、だからね」
彼はいつもと違う、はっきりとした口調で言い切った。
「みんながぼくの事忘れちゃうぐらいならはやくお母さんのところに行きたいの。地獄でもなんでもいい、ひとりは嫌だ……」
清。 (プロフ) [2017年6月24日 0時] 7番目の返信 [違反報告]「……」
何も言わないまま、俯いた。
出かかった言葉が言いづらいことだったのだろうか、行き場なく宙に浮いた言葉はやがて消えた。
「全世界の皆が幸せになる事はとても難しいことだろうけど…、誰かが言ってたのを知ってる。誰かが幸せになるには誰かが不幸になるしか方法は無いって。あれは本当のことだったのかな」
悶々と悩んだ表情で彼はポツポツと、独り言のように語り出す。
「僕を産んで母さんは幸せだったのかなあ。僕のせいで母さんは不幸だったんじゃないかな。だから、僕の右目を失明させて、きっとこれも僕への刑だったのかもしれない……」
彼は重度のうつ病なのだ。
何もかも、考えはマイナスだった。