凪湖のボード

凪湖のプロフィール | 発言 (凪湖の最後の書き込み: 「幼い頃のことだ。 姉...」 @凪湖のボード [2019年3月16日 21時] )
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メッセージ一覧

星の見る夢をなぞる

凪湖 (プロフ) [2018年2月18日 1時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

「──私たちが生きている"今"が、もし決められた道筋を辿っているだけだとしたら、アナタはどうしますか?」
背後から夕焼けに照らされながら、彼女は悪戯っぽく微笑んだ。
「……それ、どういう話?」
硬い声のまま問えば、彼女はすらすらと俺に情報を開示した。……さも台本を読み上げる役者のように。
「地球は実は既に滅んでいて、私たちが生きて、見ているものは、すべて星(地球)の走馬燈だっていう、有名な劇作家の言葉があるんですよ、瀬名さん」
私ね、思うんです。
彼女は謳うようにつらつらと言葉を紡いでいく。細められた目からは無機質な黒が見えるだけで、感情は読み取れなかった。
「もし、本当にそうなら。私って一生浮かばれない。
だって、決まってる結末に進んでいくことに耐えられない以上、聞き分けのない子供みたいに地団駄を踏んで、じたばた手足を動かして、無様に足掻くしかないんです。愚者だと、道化だと、指をさされて侮辱されたとしても、私は私の納得のいく結末以外は絶対認めない。
それでも"決まってる結末"が、私の納得いかないものなら、私の努力も足掻きも全てを水に還して、"それ"は悠々とやってくるんですから」

凪湖 (プロフ) [2018年2月18日 2時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

絶対零度が溶けるまで

凪湖 (プロフ) [2018年2月17日 3時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

婚約者がいる。
といってもそれは名ばかりのもので、愛なんてものは存在してない。ただ、家のためだけに結んだ関係であることを、私は重々承知している。
だから婚約者の彼が私以外を好きになって、私の知らないところでキスをしても、愛しても、関係ない。私は控えめな笑顔で彼に「おかえりなさい」と告げるだけだから。

凪湖 (プロフ) [2018年2月17日 3時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

家が決めた婚姻は冷めきったものだと身をもってよくよくわかっていた私にとって、彼という存在はイレギュラーだった。
彼は天使のような顔のつくりで、薄い唇はいつも弧を描き、私を気遣う言葉を紡ぐ。想定していたよりずっと優しい彼に不満はない。
ただ、
「……どうしたの?」
「いいえ、なんでもありません」
「そう?きみは頑張り屋さんだから、無理してはいけないよ」
「お心遣い痛み入ります。英智さん」
四六時中、私を試すように、品定めするように、瞳の中に閉じ込めた絶対零度の氷で彼は私を見ている。
その視線が、私は苦手だった。

凪湖 (プロフ) [2018年2月17日 3時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「……英智様はなぜあんな卑しい身分の令嬢と婚約なさっているのかしら……」「シッ、聞こえるわよ。……噂だと、英智様の”つなぎ”らしいわよ」「”つなぎ”?」「そう。もっと良い家の、正しい血統のご令嬢が十五になったら、婚約しなおすらしいの」「それって、ーー様は……」「お役御免、婚約解消。だから”つなぎ”なのよ」「そうよ、妾の子なんて、あの素晴らしいお方には相応しくないわ」

凪湖 (プロフ) [2019年3月14日 1時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

だがしかし

凪湖 (プロフ) [2018年2月9日 1時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

ホットケーキ
かしわ餅
みたらし団子
焦がしたクッキー
水羊羹
マグカップケーキ
マシュマロココア

凪湖 (プロフ) [2018年2月9日 1時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

愛の庭

凪湖 (プロフ) [2017年10月10日 23時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

妹思いな姫宮桃李とガーデニングが趣味な婚約者(仮)が恋を育み、愛が芽生えるまでのながい話

凪湖 (プロフ) [2017年10月10日 23時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「……だれだよ、お前?」
「私が誰かだなんて、そんな些細なこと気にしない方がいいよ」
とある企業の立食パーティーに参加した桃李。そこで同伴者も居らず、独りたたずむ不思議な少女と出会う。
「お兄さん。あなた、かわいそうなひとね」
「はあ?なんなの、おまえ。僕の何を知って僕が『かわいそう』なワケ?チビ」
「む……お兄さんもじゅうぶんおチビさんだけどなあ。ふふん、私、お兄さんの『妹さん』のこと、知ってるの。だから、かわいそうだなって」
姫宮家の中でも一部しか知らない『妹』について語る少女を桃李は警戒するが、少女はヘラヘラ笑うばかりで結局名前すらも掴めないままパーティーが終わる。
それから数カ月、桃李はあの少女のことなど忘れて忙しい毎日を過ごしてた。しかし両親に『良い縁談がある』として強制的に見合いに参加させられる。
見合い会場である料亭の個室、そこで桃李を待っていたのは
「はじめまして、姫宮桃李様」
──桜海家より参りました。……と申します。
数カ月のあの少女だった。
「なんで!このカワイイ僕が!こんなちんちくりんとケッコンするワケ!?」
「そう言わずに仲良くやりましょうよお兄さ~ん」
「なんでだよ~っ!?」
☆凸凹な二人は果たして仲良くなれるのか……?

凪湖 (プロフ) [2017年10月10日 23時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「お、お嬢様!あなたともあろう方がこんなときに、」
「うるさいよ」
ピシャリと側人に一瞥も与えず一言で黙らせると、そいつはこちらへずんずんと歩み寄る。
嫌な、予感がした。心臓がどくんと大きく波打つ。
「お兄さん」
嫌だ、聞きたくない。その先を僕は知っている。だって僕が散々そいつに言い散らしたことだから。後悔したってもう遅い。
「婚約、解消しよう」
はっと見上げれば、そいつは今にも泣き出しそうな顔で笑っていた。
「お兄さんのことは嫌いじゃないけど、事情が変わったの。
お兄さんも『妹さん』に時間裂けるし万々歳でしょ?
ね、うんって言ってよ」
僕は頷けなかった。
「……僕らだけで決めれる話じゃないだろ。後日話し合いの席を設けるべきだ」
なんとも、女々しい。
「そ……だね。うん、そうしよう」
じゃ、また今度。
そう言うだけ言って、そいつはさっさと客間を出ていった。
残された僕は、ひどく喉が乾いていて、生きた心地がしなかった。

凪湖 (プロフ) [2018年2月24日 1時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「私、養子なのよ。知らなかった?ほんとの親は今の母の妹夫婦」
「お前のことなんか、べつに好きじゃない……けど、嫌いでは、ない」
「ずっと花が、好きだった。……命が短くとも美しく生きるその姿に、病弱だった実母を重ねていたのかもしれない」
「っ、ほら!花!好きなんだろ!あ~もう!びっくりしてないで早く受け取れよ!始めて選んだからバランスは悪いかもしれないけど、気持ちはこもってるんだぞ!」
「ひと目見たときから、『あなたしかいない』と思っていました。本当よ、こんなときに嘘なんてつかない。一目惚れだったの」
「妹は体が弱くて、学校もたびたび休んでて、寂しがりやでさ。いつも仕事でいないパパとママのかわりに僕が面倒見てやらなきゃって、守ってやらなきゃって」
「だって、わたし、もう、あなたにとっての利益にすらなれない。利益を超える『負債』を抱えてしまった!」
/
「僕はずっと居るよ。大丈夫、お前の居場所が消えたりしないから。この庭は、ずっとお前を待ってる」

凪湖 (プロフ) [2018年2月24日 1時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

幼い頃のことだ。
姉夫婦──今の両親が、私をガーデンパーティーに連れ出した。
どうやらそのパーティーの主催者に、私と年の近い子どもがいるらしい。人見知りの激しい幼少期の私を両親が案じていることは、おさなごころにも薄々察していた。だから、努めて笑顔をつくって「はい」とお行儀よく返事したのだ。
「すごく愛らしいと評判の男の子だから、☓☓ちゃんもお話できるんじゃないかな」

凪湖 (プロフ) [2019年3月16日 21時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]
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