白アザラシのボード

白アザラシのプロフィール | 発言 (白アザラシの最後の書き込み: 「大貫さんってコダール...」 @白アザラシのボード [4月19日 10時] )

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ネタバレ注意 ジュラシックワールド 炎の王国

白アザラシ (プロフ) [2023年8月17日 23時] [固定リンク] PCから [違反報告]

絶対に魅せたい・創りたい画があり、そのワンシーンを輝かせるためだけにほかの全てを構成する映画というものがある。そのワンシーンが観客にとって魅力的な物であればその映画は語り継がれる名作となる。ではそのシーンが魅力的でなかったとしたら?

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 0時] 1番目の返信 PCから [違反報告]

この映画はラストシーンの為の映画だ。間違いなくそう。今にも息絶えそうな恐竜たちの為、主人公らは檻を解放する決断をし現生生物の王国は崩壊し真のジュラシックワールドが訪れる。

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 0時] 2番目の返信 PCから [違反報告]

ではそのシーンが魅力的に映ったかというと個人的にはとてもそうは思えない。その理由の一つは、檻を解放するにあたって主人公はその場では何の葛藤もなかったからだ。僕は「世界か君か」を選ばされる作品が大好きだ。最終的に世界をとっても君をとってもいいしご都合主義でどちらも救えてしまってもいい。その過程で苦悩し、何らかの決断を下す姿が好きだ。その過程で苦悩すればするほど、結末がどうであれカタルシスが生まれるのである。

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 0時] 3番目の返信 PCから [違反報告]

一度自然に淘汰され、しかし人類によって摂理に反し復活させられた挙句再び絶滅せんとする恐竜を、再び摂理に反してまで救済すべきなのかは非常な難問である。にもかかわらず、なぜ主人公は何らの葛藤もなく、恐竜を外界に解き放ったのか。なんてことはない、主人公は前作以前より恐竜の研究に携わっておりなんなら本作の冒頭からして恐竜保護団体を立ち上げ下院議員に陳情しに行くような女だからである。一貫して人より恐竜が好きなのだ、この女は。

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 0時] 4番目の返信 PCから [違反報告]

そんな女でさえ決断の瞬間には現世への情が芽生えボタンを押す前に一瞬躊躇し逡巡してくれれば、それだけでもカタルシスが生まれたであろう。運命のいたずらで他人にボタンをゆだねる展開でもよかったし、実際それができる展開でもあった。でも実際にはそのいずれもなく、いきなりボタンポチー、キョウリュウドカドカ、さあ新世界の幕開けだ!!これである。一応相方が「気を付けろ、ここは孤島じゃないんだぞ」とはくぎを刺しはする。でも本当にそのセリフを他人事のようにささやくだけ。ポカーンですよ。

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 0時] 5番目の返信 PCから [違反報告]

あるいは、主人公が苦悩せずとも決断に至る前に多種多様な意見を見せ観客に疑念を抱かせる構造にもできたはずだ。ただ、それをやるには要素があまりにも取っ散らかりすぎた。恐竜島で起こる大噴火。恐竜を狙うハンターと結託し大金を得ようとする悪徳商人。私利私欲のためにクローン技術を使う老人。特にインドラプトルのくだりは蛇足であったとしか言いようがない。

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 0時] 6番目の返信 PCから [違反報告]

先述した一貫性のあるテーマを軸に持つ本作は単なる恐竜パニック映画から脱皮したというレビューを見た。とてもそうは思えない。まぁ確かに人間の欲と悪意をクローン技術によって顕現させた狡猾で凶暴なインドラプトルという怪物は、自然の摂理と人の業の相反をテーマとする本作並びにジュラシックパークシリーズにぴったりなヴィランであろう。でもこいつはちとヴィランというにはモンスター的過ぎるというか。設定的には知性に優れているのだろうが、どうも終始他者の手のひらに踊らされていた感がぬぐえないのだ。

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 0時] 7番目の返信 PCから [違反報告]

前作のインドミナスレックスは人の悪意によって自然に反し生み出されたがために己が何者か分からずに破壊を繰り返す。そういう部分からなんというか心や知性を感じた。一方でインドラプトルの破壊には心が感じられず単なるパニック展開のための舞台装置感が否めなかった。結局コイツのやったことと言えば主人公らの前に立ちはだかり敗北することで彼らの絆を修復しついでのように悪役も〇す、典型的なモンスターパニックの怪物でしかない。であれば、コイツが暴れる分の尺をもっとメインテーマの掘り起こしに使うべきだったと思う。

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 0時] 8番目の返信 PCから [違反報告]

見た目に関してもラプトル類にしては長めの前足を使い四足歩行で背を低くしてネコ科のように俊敏に動き回る様は不気味ではあったがとても恐竜らしいとは思えなかった。あえて恐竜らしくなくすることで不自然さと人の業を見せたかったのだろうが、逆効果に思える。恐竜という制約をなくしてしまったらそれはもうよくあるエイリアンものと変わらないではないか。

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 0時] 9番目の返信 PCから [違反報告]

以上、総括するに魅力的なワンシーンを作りたくば、ほかの全てのリソースは徹底的にそのワンシーンを盛り上げるためだけに用いよと、こういうことである。ただし本作はあくまで3部作の2作目である。この単体で見ると駄作としか言いようのない128分もまた、象徴的なワンシーンの為の燃料に過ぎないという可能性もないではない。ともかくもやはり3作目を観ねば正当な評価はできまい。がしかし、本作の駄作ぶりにより続編を見る気力が失せたのもまた、事実である。

白アザラシ (プロフ) [2023年8月18日 1時] 10番目の返信 PCから [違反報告]
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