白アザラシのボード

白アザラシのプロフィール | 発言 (白アザラシの最後の書き込み: 「大貫さんってコダール...」 @白アザラシのボード [4月19日 10時] )

メッセージ一覧

親愛なる忌子たち

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 21時] [固定リンク] PCから [違反報告]

日本軍歌の何が哀れって、そりゃあ生みの親達に「自分たちのキャリアを傷つけた」と思われていることだろう。異常な熱狂の中で産まれ、戦後史の中で"なかったこと"にされてしまった子供たち。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 21時] 1番目の返信 PCから [違反報告]

生の記憶として歌えるのはばぁさんの世代が最後だ。この世代が死に絶えてしまったとき、本当に日本人の記憶からこれ等の作品群も死に絶えてしまう。ただ死ぬだけではない。本当に存在さえしていなかったことになりかねない。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 21時] 2番目の返信 PCから [違反報告]

ただ死ぬだけならまだいい。そんな歌は世の中にあふれている。例えば君、5年前の12月のオリコンランキング12位の歌、歌えるか?ちなみにSHU-Iの「未来へ」らしい。閑話休題、最も問題なのは君、ねじ曲がった呪いのようなものと共に生き続けてしまうことだよ。試しにあまりいいことではないんだろうがyoutubeで「同期の桜」とでも調べてからコメント欄を見てみればいい。これが軍歌の現状なのだよ。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 21時] 3番目の返信 PCから [違反報告]

無二の友人と死した後も桜の花となって再会するという歌詞。哀愁を感じる中にも力強く悲壮さを感じさせるメロディ。どことっても紛れもない名曲だ。それ故にである。忘れられるよりもいいかもしれない。でもね、少なくとも俺はこの忌子達が今一度、他人を傷つけるために使われることが辛くてたまらない。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 21時] 4番目の返信 PCから [違反報告]

じゃあどのように歌われるのがいいかって、これだけ言っといてなんだがそれはよくわからない。現代歌謡の申し子、秋元康だって握手券を売る男だなんだとさんざん言われるが、奴の書いた海雪は紛れもない名作だし、俺のばぁさまでさえ口ずさめる「会いたかった」が国民的大ヒットというのは論を待つまい。結局この世に生を受けてしまった以上はいかなるものであろうと大なり小なり呪いを背負うのは避けられぬのだ。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 21時] 5番目の返信 PCから [違反報告]

ただの芸術として歌われる日がくればいいなと心からそう思う。だってこんな名曲だらけなんだぜ。ただその方法が俺には分からない。だからまぁせめて俺だけはへたくそでも次の世代に歌い継いでいければいいなと思う。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 22時] 6番目の返信 PCから [違反報告]

お前、広瀬中佐って知ってるか。ひげを蓄えた恰幅のいい艦長で、日露戦争の時、旅順港閉塞作戦の時に死んだ。奇しくも3月27日、彼の命日で俺の誕生日だ。ばあさん曰く、俺のひいばあさんはこの歌をよく歌っていたらしい。24行、3分間。たったこれだけの歌に彼の人柄が詰まっている。荒波を感じさせる揺れ動くメロディライン。「軍神広瀬」の死の場面が印象付けられるよう考え抜かれた構成。それだけのことやらかしといて歌いやすいってんだから当時の音楽家というのは全員化け物なんじゃないかと。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 22時] 7番目の返信 PCから [違反報告]

お前、パラシュート部隊って知ってるか?まぁ知らずとも想像くらいはできるだろう。パラシュート部隊ってのはお前、高度ウン百メートルを飛ぶ飛行機からよぅ、己の身一つで飛び出してって敵と戦うわけだ。しかもただ飛び出すんじゃなくてパラシュートで降りるんだから、地面に足がつくまでは全くの無防備なのさ。死にに行くも同然だ。それでもね、彼らはやり遂げた。パレンバン降下作戦。何万というオランダ軍が待ち構えるその中に「本日ノ休養ハ靖国ニ於イテス」なんて文句と共に飛び出していって勝ってしまった。
鐘の音と共に「藍より蒼き」という歌いだす空の神兵も正しく名曲だ。どこが、と聞かれると貧弱な語彙故、窮するのだが。パラシュート部隊、基、空挺隊というのは恐らく最も危険な兵科である。故に精鋭が当てられる。それこそ落下傘に己が命を懸けられる若者が。その苛烈な戦いぶりを、折り重なる落下傘を、咲き乱れる白いバラに例える芸術性をもって描き出す。それこそがこの歌のすごさにして戦争の狂気というものなのかもしれない。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 22時] 8番目の返信 PCから [違反報告]

君、戦争は悲惨だ、だから一億総玉砕を進めた歌も捨ててしまおう、なんてのは大いなる間違いなのだよ。あったことをなかったことにしてはいけないのだ。それこそが悪しき歴史修正主義なのだ。我々にはかの戦争を語り継ぐ義務がある。あの悲惨な時代にどんな歌がどういった経緯で作られ、誰にどのように歌われ、人々が何を思ったのか知る権利がある。これ等を歴史の闇に放り込むのは人類史に対する冒とくとまで言ってもよい。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 22時] 9番目の返信 PCから [違反報告]

俺の親類縁者には戦艦大和に乗ったとか、戦闘機を乗り回してたなんて輝かしい歴史を持つ人はいないさ。でもね、遠く会津から那須に嫁いできて、多くの子供たちの面倒を見ながら、台所に立って「広瀬中佐」を口ずさんでいた女性はこの世に紛れもなく居たんだ。今となっては曾祖母は何を思ってこの歌を口ずさんでいたのかまでは分からないが、この事実は消せない。悪しきものとして軍歌を切り捨てることは、同時にこういう小市民の歴史をも消し去ることに他ならない。僕は直接会ったこともないし、何なら写真さえ見たことがないが、それでも歌を通じて曾祖母を知っている。こういう血脈というか、出会いというか、何かそういうものをなくしてはいけないんだ。

白アザラシ (プロフ) [2019年2月24日 22時] 10番目の返信 PCから [違反報告]
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