へ、
「んにゃろ……っ」少し唸り、賊に体当たりを噛ます。
「ぐあっ……」賊が呆気なく倒れたところを八月一日が取り押さえる。ちょうどパトカーのサイレンが聞こえてきた。
「はぁ……っ、はぁ……っ」荒い息を繰り返し、覚束無い足取りでベッドにまで戻っていく。
犯人を引き渡し、よたよたと歩く。事情聴取がしたいと家主を呼ぶよう言われ、神辺の元へ向かった。「神辺くん」
「っ」ビクッと震え、布団の隙間から片目だけを覗かせる。
「警察の方が事情を聞きたいと。大丈夫ですか?」
「……わかった」できるだけ気丈に振る舞いたいのか、震えながらも布団から出てくる。
「学校には連絡しておきますね」優しく肩を叩く。
「ぁう……っ」ビクッと震える。
「あっ……」無神経だった、と詫びて離れる。
ユーザ登録画面に移動