ロル3
「はい……」弱った表情をしている。もう、失いたくない……そんな感情が、柏田の中に渦巻く。
ぽんぽん、と追加で撫で、腕を引いて広間の方へ向かう。
されるがまま、ついていっている。その表情は暗い。
広間に人が居ないのを確かめると、そのまま個人部屋の方へ連れて行く。
少し辺りに注意を向けつつ、ついていく。
自分の部屋に連れ込み、扉を閉める。
「え、えと……」連れ込まれ、戸惑いを見せるが、よほどプレッシャーがあったのか扉に背を預け、座り込んでしまう。
傍に膝をつき、抱き締めてやる。
「悠樹、さん……」震える声が零れた。そろり、と背中に腕を回す。
「……大丈夫。僕は、死にません」しっかり抱き締める。
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