ロル5
「ふむ……」征花は僅かに考え込む。「………あとで、ロコトープに聞いてこようか。それでもし交換できるようなら、僕のカードと、交換しようか?僕はあまりタロットの意味とか気にしないから」
「……ねーさんにこのカードは、渡せないのだ」おじさんとかばばあとかに渡せるかどうか聞いてみるのだ、と憐は首を振る。征花には渡せない、渡したくない、ということらしい。
「……そう、か。ならロコトープに聞いてくるだけ聞いてこよう。」行こうか、と声をかけて征花は立ち上がる。交換を出来ない、征花には渡したくない、と言われたことを少し新鮮というか不思議な気持ちで廊下を歩いていく
うん、と頷くと憐は征花の後ろを追って廊下へ入る。それから、未だ残る張り詰めた空気から逃げるように征花の服の裾を掴んだ。ふうぅ、と息を吐く。
「……嫌な、雰囲気」はあ、と息を吐き出して征花は広間に戻ってくる。そこには誰もいない、いるのはロコトープのみだ。まあ、逆にロコトープだけの方が好都合かもしれないな、と思い征花はロコトープに話しかけた「ねえ、ロコトープ。カードってプレイヤー同士での交換ってしていいの?」
「……質問受諾。回答します。購入による機能が存在します。そちらをご確認ください」詳細の説明は出来ません、と告げるとロコトープは沈黙する。嫌味なやつなのだ、と憐は悪態をついた。
「……面倒くさいなぁ…」そう言いつつも征花は購入機に近づいて端末を繋ぐと、機能を探して説明を読み始める。そしてなるほど、と呟いた。「…一応、解放機能として存在しているけど、個人的にやるのもいいらしい。」
「む……」少し背伸びしてからげ、と憐は声を漏らした。誰かの個人コインを500枚ももらわなきゃ出来ないのだ、と溜め息を吐き出す。あとでおじさんと相談してみよう、とのことである。
「あぁ、その方が良いだろうね。」苦笑して端末の接続を切り、征花は憐を見る。そして、ついでだから、なにか飲もうか?と首を傾げて聞いた。「緊張もしたし、喉、渇いてないか?」
「うん、飲む……」頷き、憐は購入機のことを背伸びして眺めた。それからぴょい、と飛んでオレンジジュース、と呟く。
ユーザ登録画面に移動