文スト 本編世界線⑨
「歪み……か」煙管を軍服から取り出し火をつける。「別に…………私が知ったところで如何にもならないですし」
珈琲を啜り 瞼を伏せる。
「だろうね。アレは手遅れだから」そう言ってクスクスと笑って白衣から一枚の資料を取り出した。「これ、あげる」そう言ってにこりと笑った
「……これは?」資料を受け取り、首を傾げる。
「萩原が歪んだ理由」にこりと笑った高野が渡した資料には一家惨殺と書かれた新聞とその裏で行われたその子供のオークションについてが書かれていた
「……これは………以前、噂程度に話を聞いたことがあります」資料を見つめながら言う。「…この犯人は……?」
「既に死んでる。その子供。萩原に殺されてるよ」そうにこりと笑って言う高野は読めない。「と言うか、惨殺って書かれてるけど萩原の家族って全員燃やされてるんだよね」だから多分情報操作されてるねこれと呟いた。
「そうなんですか…」資料の文字を写す蒼の瞳が微かに揺れる。感情の消えた彼女に 僅かに滲む感情の色。それは直ぐに消えてしまったが、確かに存在した、ら
「まぁ…政府がこのオークションに参加してたのもあるから操作されてて普通か」そう小さく聞こえない様に呟いた高野は相変わらず腐っている政府に眉を寄せた。
「政府が……」その単語を聞き、顔を曇らせる。腐った政府を……世界を壊して作り直す……それが生きる理由。
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