思いついたものを綴っていくぜ

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「死んで終え!」
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感情のままに叫ぶ谷崎。
その、白く細い指は、どんどん樋口の首を締め上げてゆく。
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「くッ…あ」
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その時、彼の背後から聞こえた咳。
咳の主に異能で刺され、倒れ込む谷崎。
ずるずると抜け、元の黒いコートに戻ってゆく異能。
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「死をれよ 殺しをれよ 死を望む者 等しく死に 望まるるが故にー ゴホッ」
「なー」
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敦の口から漏れ出た驚愕の声。
敦の目の前には、悪魔が居た。
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「お初にお目にかかる。(ruby:僕:やつがれ)は芥川。こちらの女性は葉山さん。そこな小娘と同じく、卑しきポートマフィアの狗ー」
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そこで始めて、敦は女の存在に気が付いた。
目の穴の無い、闇の住人らしくない、真っ白い仮面を付けた女。
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「芥川先輩。ご自愛をー ここは私ひとりでも」
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続けようとした樋口の頬を、芥川は打った。
サングラスが、カラッと音を立て吹っ飛ぶ。
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「人虎は生け捕りとの命の筈。片端から撃ち殺してどうする。
役立たずめ」
「ー済みません」
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「まぁまぁ、やつがれちゃん。
…ひぐっちゃん、失敗なんて誰にでもあるさ。次から気をつけようね」
「ーはい」
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葉山が樋口に告げる。鈴が転がるような可憐な声だった。
彼女が普通の人にしか見えないことが敦にとって、何より不気味だった。

もか@無気力 (プロフ) [2022年5月15日 16時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

最近、書こうかなと思ってる文ストの夢小説

もか@無気力 (プロフ) [2022年5月15日 16時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]
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