幸せの国のアリス
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善処 (プロフ) [2019年4月19日 22時] 1番目の返信 [違反報告]空には絵のようにピカピカと光る太陽が浮かび、雲一つない真っ青な快晴。
涼しく爽やかな風が頬を撫で草原で昼寝していた彼は小さな吐息を漏らし目をゆっくりと開いた。
薄く開いた彼の眼に太陽は照り付けるような、けれども痛くはない優しい日差しを送り込む。
太陽の角度的に昼前ぐらいだろうか?いつから寝ていたかな、
そんなことを思いながら彼は立ち上がり左手の腕時計を横目で見る。
「うげっ…二時間は寝てたなぁ…。」
半分寝ている脳を働かせ、仕事仕事~、ハートの女王の城へとかけていく。
城につくと門の前で彼は小首を傾げ、きょろきょろと周りを見渡した。
トランプ兵がいない。
ここは平和な国だ、また誰かが軽い悪戯で門番を片したのだろう。
この推測があっているのならば城の中にはお客さんがいるはず、まぁ出入りは自由なのだけれど。
あぁ、そういえば今日は非番だった。
楽しそうな顔で彼は城の中へと走り去っていく。
「どうせすることないしお客さんとお話でもしようか、どこにいるんだい?」
城の広間に響く声量で探すが見つからず、つまらなそうな顔に戻りどこからかジョウロを取り出した。
水を汲むとバラ園に向かい、半分遊びながらバラに水をかけて回っている。
「バラさんバラさん、君たちはお客さんを知らない?いないのかなぁ」
目元を細め優しい笑みを浮かべながら彼はバラ園のベンチに寝転がった。
善処 (プロフ) [2019年4月20日 0時] 2番目の返信 [違反報告]ベンチの上で目を薄く閉じているとどこからか歌声が聞こえてくる。
まるで鈴を転がしたかのような可憐な声、鳥のさえずりのような綺麗な歌声には聞き覚えがある。
この声は…。
「…美咲のアリス嬢?」
面識はないがたまにチェシャの森などで見かけたことがある。
毎度仕事に追われて話しかけてる暇はなかったから。
そういえば美咲のアリス嬢は比較的新しい住人だったか?
頭の中で住民リストを思い浮かべる。
どうだったか、と悩みながら自然と歌声の方へと足を進める。
面と向かって話すのは初めてだが、彼女はやはり若く幼く可愛らしい。
フリルの清潔感のあるワンピースを身に纏ってる彼女の前ににしゃがみこむ。
彼と彼女の身長差はかなり激しく、下から覗き込むように顔を見るためだ。
「おや…城のお客さんは迷子のお嬢さんかな?」
にこにこと愛想のよい笑みを浮かべながら怖がらせないようにと優しい声色で話しかけた。
善処 (プロフ) [2019年4月20日 1時] 3番目の返信 [違反報告]ふわりと微笑み挨拶をする彼女ににこりと笑い返す。
「こんにちは、美咲のアリス嬢」
刺激欲しさで迷子になった、と聞き彼は間抜けな顔を一瞬見せる。
なんせ目の前の彼女は刺激欲しさに城へ来て何をするわけでもなくバラ園で落ち着いているのだ、焦ることもせずに。
この子はほんとに面白い。
クスクスと面白そうに笑った後に、彼女の【曲】という単語に意識が引かれ顔を見る。
彼女は五線譜を愛おしいものを見るような幸せな顔をしながら、五線譜を抱くのだ。
ふっと意識を五線譜の方へと逸らした。
「それ…」
彼女が抱えている五線譜を指を指していいのか…と思いつつ、少し困り顔で指指す。
彼はマジックやトーク術はあるが音楽にはあまり強くない、
五線譜なんてほぼ初めて聞いたくらいで美咲のアリス嬢が抱いている、という認識でしかないのだ。
「その中に君の素敵な歌の元が入っているのかい…?」
興味がある!といった表情で五線譜と彼女の顔をちらちらと見比べる。
善処 (プロフ) [2019年4月20日 1時] 4番目の返信 [違反報告]見せてくれる、という彼女にうれしそうな表情を浮かべるが、すぐに落胆とした表情を見せる。
残念ながら彼は音楽を嗜んでいないのでリズム感があったとしても、音符を数時間かけて読めたとしても頭の中で曲が構成できないのだ。
「…残念だけど僕はきっと見せてもらっても楽しめない」
寂しそうな表情で五線譜を見つめた数秒後、
ぱっと何かを思いつき、彼は嬉しそうに提案した。
「僕は音符を読んだり曲を構成するのは得意じゃないんだけれどね、」
少し間を開け、期待した、きらきらとした表情で彼女を見つめる。
「リズムに乗るのは得意なんだ!エンターテイナーだからね♡ 美咲のあアリス嬢、君のその歌声でリズムを教えてくれないだろうか?」
にっこりと笑って、名案だ!と表情に出ている。
嬉しそうな反面、どうかな、と不安そうな表情をしながら彼女の答えをまった」
善処 (プロフ) [2019年4月20日 2時] 5番目の返信 [違反報告]少し考えたが了承してくれた彼女をきらきらと見つめる。
歌にプラスして踊りも披露してくれて、彼は耳で歌を聴き目で踊りを見つめていた。
明るい曲だったり、しんみりした曲だったり、歌の種類によって声色も踊りも表現も変わる彼女に目を奪われる。
楽しそうに踊っているのを見ては心が弾み、
しんみりとした曲を聴いては心が落ち着いた。
まるで、そう、まるで、
「魔法の…ようだ…」
惚けた表情でぼそりと呟き、あとはずっと静かに彼女を眺めていた。
可憐な女王をいつもそばで見ていた彼には、彼女がか弱き女性にしか見えない、しかし歌や踊りには芯の強さや迷いなどすべてが表現されており、彼女の世界観に惹き込まれてしまった。
もっと聞きたい、彼女の歌声が。
もっと見たい、彼女の踊りが。
善処 (プロフ) [2019年4月20日 2時] 6番目の返信 [違反報告]彼女の頬を這い一粒の雫が地面に落ちる。
それが合図かのように彼女は切り替えているかのように当たり前に笑った。
呆然と拍手をしながら、どうだったか、その問いに彼は頭をひねる。
素晴らしかった。
美しかった。
綺麗だった。
そんな当たり前の言葉じゃ表せられないほど彼女の歌と踊りは魅力的で、
「…魔法のようだったよ」
もう一度この言葉を呟き、彼は満足げに笑った。
「ありがとう、美咲のアリス嬢♡ とても素晴らしかった、ぜひ君の音楽を聴きながらお茶会をしたいね!」
大きな長いテーブルに沢山の人数で座りながら、騒がしく駄弁らずにゆったりと紅茶を飲むお茶会を想像し、彼は幸せそうな表情を浮かべる。
そうだな、もしお茶会を開くのならば…
彼女の曲に、彼女に合う紅茶の葉を想像しながら愉しそうに笑みを零した。
善処 (プロフ) [2019年4月21日 3時] 8番目の返信 [違反報告]差し伸べた手に手を重ねられると思っていたが、逆に手を取られてしまった。
ほかのお淑やかな女性と比べて予想外な行動をされ一瞬目を見開く、
しかしすぐに穏やかな表情に戻り口元に笑みを浮かべる。
この方が、年相応で美咲のアリス嬢っぽい、な
にこやかに笑い、優しく手を握らせてもらう。
すっと立ち上がると周りを見渡し、どこに連れて行こうかと考える。
ちらりと彼女の様子を伺うと、とてもワクワクしていて愛らしい。
そうだ、と小言を零し彼女に向き合う。
「細長い広間、行かないかい?」
ほら、ワンダーランドに来た時の初めの通路…。
と付け足し彼女の返事を待った。
善処 (プロフ) [2019年4月22日 0時] 9番目の返信 [違反報告]きらきらと輝く瞳に視線を合わせ、一度にこりと微笑むと広間の方へと歩き出す。
まずはバラ園を抜けなければ。
女王は赤が好きで、一面に赤いバラ…なのだが、別の場所へ繋がる場所には
彼の趣味で別の色が植えてある。
青色のバラは…。
真っ直ぐと歩き出し、バラを楽しみながら出口を目指す。
きょろきょろと視線を動かしながら彼は多色のバラを探す。
「お、あったあった。こっちだね。」
上機嫌な声色で話しかけると、青いバラの出口にたどり着く。
謎に 扉だけ 設置された扉の前に立つと一度彼女の方を振り返り目を合わす。
「さぁさぁ、ワンダーランドののエンターテイナー、ジャックハートの移動術さ♡ あ そこ段差あるから気を付けて」
にこにこと陽気にマジックの開始のような掛け声をし、彼女に段差の指摘をする。
そこにあるだけの扉を空けたり閉めたりするが、同じ景色が続くだけ…。
彼はくすっと笑うと扉の鍵穴に胸元の鍵を差し込んだ。
「僕は今から、ここから広間に連れてってあげよう。おいで?」
扉を開けるとわずかに広間の面影が、
彼女の手をつ掴むと扉の中へと引っ張り込んだ。
するとそこには細長い広間が広がり、彼は「上出来だ。」と笑った。
善処 (プロフ) [2019年4月22日 10時] 10番目の返信 [違反報告]すごい、そう言いながらはしゃぐ彼女を満足げに見つめる。
気味が悪いくらいに口角を上げ、そっと彼女に手を伸ばす。
頭に手を乗せ、優しく撫でると顔の前に手を持ってきて「3、2、1、」の合図の後にポンッとイカリソウを一輪出す。
小さめの花を4、5個咲かしている愛らしい花を彼女の髪にそっと挿す。
「歓喜の声をありがとう♡ すごく楽しいだろう?」
にこやかに笑った彼は聞こえるか聞こえないかの声でぼそりと付け足す。
「元の世界より、ずっとずっと、」
「アリスは、ワンダーランドの姫にはいてもらわなきゃね…♡」
また一つ芸を披露できた彼は嬉しそうに背を向け、細長い広間の奥へと進んで行く。
__イカリソウの花言葉は「君を離さない」。