奇怪病院〜本編〜

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佐々木様専用。

かぐりお (プロフ) [2017年3月31日 0時] [固定リンク] PCから [違反報告]

神様はイジワルだ。
もう、何度思ったことだろう。
今日もほら、外を駆け回る子供らを見て、私は『悲しがって』いる。
心の中には私が二人いると感じるときがある。これも、この病に侵された弊害なのだろう。私の病気は、感情に左右される。自分を遠くにすることで発作もだいぶ収まった。その代償と言わんばかりに、私は人とのコミュニケーションの取り方をどこかに落としてきてしまった。
感情のままに叫んでいる私と。必死に無表情を貫いて押さえつける私。
二人が拮抗している様子を少し遠くから見つめる私。
…あれ、三人だった。
こんな話をしたら、頭おかしくなったって思われるかも。
そもそも普通じゃないのだ。今更、何と思われようが知ったことじゃない。
けれど…。
「うっ、ぇ…。」
喉をせりあがってくる異物を感じ嘔吐いた。
吐き出したのは、マリーゴールド。
一輪拾い上げて、自嘲した。マリーゴールド花言葉は、「羨望」「悲しみ」。
私の吐く花は、感情に比例しているのだ。溢れて止まらなくなった感情を動かない表情筋の代わりに伝えようとする。
「私のお花は、もう一人の私の、叫び…なんだろうな。」
ひとり呟いて、ベッド脇の花瓶にそのマリーゴールドを挿した。
今日も私の頬は動かない。
人差し指と親指で頬を抓っているところで、看護師さんが視界に入った。
…今、すごい変顔だったのだろうと思うと、恥ずかしいと思うようで私は掌で顔を隠した。

かぐりお (プロフ) [2017年3月31日 0時] 1番目の返信 PCから [違反報告]
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