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ただ、暇だと思っていた。彼女が俺の居る場所に来るまでは。 「……なんだ」俺は眠っていた。授業は無論サボりだ。意味が無かったからな。……意味があるのは実戦試験くらいだ。俺にとってあの試験は、唯一絶対の息抜き。……まあ、俺は自分の能力が嫌いなんだがな。だが、俺は久しぶりに面白いと思えそうな奴と出会うことが出来た。……目の前の、女。見覚えが無いことから、転校生だと言うことは一応解った。「転校生が俺に……何の用だ」異能生物を連れた転校生。……面白いと思った。
「勘違いご苦労さま」転入してきたばっかのこの学校なんとなくきてみた屋上、人がいないと思ってきたのにめっちゃいた「ねぇ、美楽」「なぁに」「あたしさ、こいつ気に入らない」「まぁまぁ、ね?」名前のついていない生命体をとりあえず落ち着かせるこの男...なんなのなんで私を見てきてんのよ...
「そうか、俺の勘違いか」なら良いと答えて、彼女から視線をずらして異能生物を見詰める。……力が強いのだろうか。俺に威嚇をしてきている。……少し、コントロールしてみると面白いだろうか。面倒だが、試してみたい気もする。「……強いんだな」少し異能生物に手を加えてみるが、あまり揺らがない。……面白い。
「触んないでよ!あたしに触っていいのは美楽だけなんだから!」大声で怒鳴り出した持っていた大きなハンマーを振り回し始めた「ちょっと!やめなさいって」暁が暴れ始めた生命体を落ち着かせようとするそのおかげか肩で息はしているが落ち着いたようだ「ところであんた、なにやったの」睨むように見る
「力を測った」そう言って、彼女達から視線を逸らす。……空の方が綺麗だな。……異能生命体は、真っ直ぐに濁っている。主である彼女に傾倒していて……良くない。少なくとも……無論俺のようにとは言わないが……能力のコントロールは出来ていた方が良い。それが意思を持った生命体であってもだ。「転校生」まあ俺は一応先輩だ。アドバイスくらいはしておいてやろう。目を閉じて、息を吸う。「もう少し異能生命体の、コントロールをしておけ。躾がなっていない猫は、何時か手を噛むぞ」
「それはどうも」ニコッと笑うと背中から黒獣を出して手すりを掴んだその上に乗る生命体こちらをみてニヤッと笑うと指さしてきた「あたしが美楽を噛む前にあんたを噛んでやるよ、」「こら」笑いながら彼を見つめる何かを見透かしてるような目をしていた「私は職員室に寄るので、では、またいつか、先輩?」クスッと笑うと生命体を連れて屋上を出ていった
「……」俺は頭を搔く。……久し振りに興味を覚えていて、笑い出したくなる気分だった。あの異能生命体も、彼女も面白い。そして強いというおまけ付きだ。恐らく、彼女達を見ていれば退屈はしない。……まだ一番下のクラスだろう。上り詰めてくるのが楽しみだ。 「……くくっ、久し振りに、心が弾むな」
「...なに」階段を降りたところで絡まれた明らかに頭が悪そうな男達に「転入生?」「ん」「へぇ、そっかぁ、なかなか可愛いじゃん」はい氏ね-、つかなんなの職員室に行こうと思って避けると肩を掴まれた「なんですか」「は?」
「……そろそろ、戻るか」昼寝にも飽きてきて、立ち上がる。着物の裾から砂やら埃やらを払って、階段を降りることにした。……だが聞こえてくる、転入生と13番目程のクラスの、劣等者達の声。……絡まれて居るのかな。 観戦するのも面白いかと、俺は重力を操って彼らの上に陣取ることにした。……さて、彼女も異能生命体もどうするつもりかな。お手並み拝見。
「ねぇ、触んないでよ」触ってきた彼の手をぺちんとはじくすると彼の手が変形してサソリのような手になった「え...」「残念だな、俺の手はサソリになるんだよ」「そっか」背中から黒獣をだしその手を噛むだんだん力を強くしていく「ねぇ、コクレイ」いきなり彼の隣に現れた生命体宙に浮いている「みてるだけ?」
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