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めんどくさくなって途中で投げ出したやつ。
リメイクとか求む

カビキラー@otaku (プロフ) [2022年9月24日 0時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

「__大きくなったら、結婚しようね!」
そう言った彼の顔を、表情を、もう私は忘れてしまった。彼から貰ったおもちゃの指輪も成長するにつれ指に入らなくなり、いつしか押し入れの奥にしまった。子供というのは叶わない約束をいくつもするもので、そしてその約束は日が経つにつれ忘れ去られていく。
_______
パンっ!という軽い爆発音とともに色とりどりの紙が頭に降る。
「誕生日、おめでとう!」
『みんなありがとう!』
今日は私の16歳の誕生日。ゆらゆらと揺れるオレンジ色の炎を消して部屋が祝いと拍手で満ちる。
「もう16歳かぁ、早いもんだな」
「すっかりお姉さんね」
両親が感慨深そうに言う。
……あ、これ、話されるな
「もう🌸も結婚を考える歳か…」
「そうね……あ、ところで🌸、司さんとは最近どうなの?」
ところで、と今思い出したかのように言ったけれど、私にはいつ切り出そうか伺っていたとしか思えなかった。
『特に何も無いよ』
「またそうやって誤魔化して…あなたは司さんの奥さんになるのよ?もう少し自覚を_」
……またか。思わずため息をつきそうになる。くどくどと怒り口調で話される彼の話。誕生日くらい、嫌な気持ちになりたくなかったな。
____
如月司(きさらぎ つかさ)。
如月財閥の御曹司で、私の婚約者。私の家は貧乏で、前はご飯を食べるのがやっとなほどだった。けれど中学で知り合った司に気に入られ、お金をあげる代わりに結婚、という私にとって拒否権が無いに等しい契約条件を出された。家族と私個人を天秤に掛ければ当然その契約には頷く。両親は最初は私の心配をしてくれていたが、日が経つにつれ私が無理やり婚約者にさせられているという事を忘れ、彼との結婚をするよう急かすようになった。
人間は忘れる生き物だと言うけれど、私の気持ちも忘れるのは、ちょっと酷い。
「大体あなたはもう少し女を磨いた方がいいわよ。そんなんじゃ司さんに見放されちゃうわ」
あぁ、まだ続いてたんだ。お母さんの口から出る私の遠回しな悪口。それを右から左に流す。
___大きくなったら、結婚しようね!
おもちゃの指輪を私の指にはめながら言われた言葉を思い出す。
……ごめん。
出来そうにないや。
_______
「……🌸」
彼女の名前を呟く。幼い頃に一緒に遊んだあの子は、まだ俺のことを覚えているだろうか。突然引っ越して、いなくなってしまったあの子。もしも高校にいたら、その時は「初めまして」じゃなく「久しぶり」と言おう。
そして、あの子が変わっていなかったら…その時はまた____

カビキラー@otaku (プロフ) [2022年9月24日 0時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]
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