ㅤ\\ 幻想住人 ___ ㅤ
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ggrks (プロフ) [2019年4月6日 11時] 1番目の返信 [違反報告]私はお人形。
記憶は不確か。曖昧。もしかすると、妄想。
私はお人形。お人形なの。君が言ったのだから。私はお人形よ。お人形に脳みそなんてないはずなのだから、事を記憶するわけないじゃない?
空っぽのあたま。
私が持ってるのは、綿、皮、お洋服。それと黒色の硝子玉をふたつ。お人形だもの。
君に可愛いって言われるのがだいすき。
硝子玉は普段は皮で覆われてるの。この皮は瞼って言うらしい。まぶたっていうのは、「眼(ま)」の「蓋(ふた)」から来てる言葉らしい。君がそう言っていたような、言っていなかったような。不確かで曖昧だけど、確かにどこか、記録されている。脳みそじゃないどこか。
心のどこか?
私はこの「瞼」を自分で開くことが出来ない。いつも、暗い。だから硝子玉の色なんて知らない。見たことがない。でも君が「黒」って言ったから、それは黒色なのだ。
黒色で見える世界は、どんななのだろう。
たまに君はお友達を連れてきてくれた。「さきちゃん」っていう子。その子は私の体を拭いてくれる。とても優しい子。
その子からある時、お人形はいつか捨てられるって聞いた。捨てるという意味はわからないけど、何だかすごく怖いことだと思った。
だから、私は君に、聞いてしまったの。
「きみはわたしを いつか 捨てるの?」
誰からそんなことを聞いたのか、と聞かれた。私は答えることが出来なかった。否、それが答えだった。その日から、さきちゃんは来なくなった。
次の日の君から少し、鉄のような、においがしたのは、なんで?
それから、私には君しかいなくなった。私の管理は全て君がするようになった。体を拭くのも着替えるのも物を食べるのも喋るのも、全部。
君は私が好きだと言った。
私は、君が怖かった。
もしかしから私は君が嫌いなのかもしれない。そう考えると涙が出てきた。どうして涙が出るのか聞くと、私は高性能なお人形だから言葉に反応して涙が出るのだと言った。お人形。お人形?お人形……?
ggrks (プロフ) [2019年4月6日 11時] 2番目の返信 [違反報告]ある日、ドタバタと騒がしい音が聞こえた。暫くして誰かが私に近づいてきた。知らない人だ。男の人だ。低い声で、「もう大丈夫だよ。」と言われた。何が?大丈夫じゃない。君がいない。怖い、怖い。
君が、いないと私は。
知らない人の手が肩に触れた。大きくて硬くてあたたかくて…気持ち悪い…!
私は、逃げた。
必死で、ひたすら、君を探した。世界が、黒くない。闇じゃない。天井が遠い…?なんだか寒い。電気が直視できないくらい眩しい!あれは、もしかして太陽?ここは、本の中…?
太陽は本の中のものだと聞いた。君がそう言うから、そうなのだろうと思っていた。でも、違う、ここは、きっと現実の、あれ?
現実?今までのは、何?どこからが夢?どこからが現実?君は夢?私は、?お人形?いいえ違うわ、お人形は動かない…!
視界が、明るい。
遠くの方、何かが光を反射してきらきらしてる。綺麗。吸い込まれるようにそこへ向かう。
一面に水があった。
太陽の光をきらきらと反射してとても綺麗…。これは、きっと「湖」…君がよく話してくれた小さな海。「かも」の親子が泳いでる。
水を覗いてみると、水面の向こうからも誰かが覗いてきた。思わず、うわっ、と声が出て後ろに転んだ。向こうも同じ動きをした。
水に触れてみる…相手が歪んだ!これは、この人は私…?映っているの?…太陽と同じように反射しているのね!
それにしても…私はこんな人だったのね。髪はきちんと梳かして、綺麗な三つ編み。ふりふりした服を着て…目は…これが、黒…?
闇と、同じ色、?
君は綺麗だなんて言っていたけど、なんだ、全然綺麗じゃないじゃない。すっかり騙された。でも君がこれを綺麗と思うなら…私が好きじゃなくても、それはそれで嬉しいかもしれない。趣味は悪いと思うけれど。
あ、水の中から声が聞こえる…安心する声。君の声。こんな時でも、優しく私を呼ぶのね…。
君に、触れたい。
「ねえ、わたし、お人形じゃなかった。ごめんね、お人形じゃなくて。でもきっと、お人形じゃない方がよかった。君はお人形のわたしに好きって言ってくれた。ありがとう。もう私はお人形じゃないけれど、わたしも、きm
ゴポゴポと声が消えた。
ggrks (プロフ) [2019年4月6日 11時] 4番目の返信 [違反報告]___とある書物___
__ある所に、とても不器用な男がいたそうな。
その男は好きな女をある部屋に閉じ込め、催眠で目を見えなくして、元からそうであったと錯覚させるんだと。
そして、その女を1人じゃ生きれないようにして一生面倒を見ようとした。
男は女を心から愛していた。
女の気持ちなどどうでも良いと思うくらい。
だが根は優しい男であった。これ以上無いくらい、女には優しく接した。
3食は与え、勿論排泄もきちんとさせた。時折お菓子も与えた。綺麗に体を拭き、髪を整え、可愛らしい服や髪飾りで着飾ってやった。
そして邪魔者は容赦なく排除した。
しかしそんな時間がいつまでも続く筈がなかった。
男は捕まり、女は1人になった。
男の思惑通り1人では生きて行けなくなった女は、湖の底に幻覚を見る。
そのまま___ここから先は言わずともわかるだろう。
まあ、作り話だと思う人もいるだろうが__そう思うならそのままで良い。いや、そのままの方が良い。
世の中には知らない方が良い事も沢山ある。
だ
____ここから先はページが破り取られている。