ㅤ\\ 幻想住人 ___ ㅤ
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手が届きそうだと思った。
今なら、もしかしたら、
そう思えば思うほど、届かないものは届かないのだと思い知らされる。
ぬくぬくと育った。欲しいと思うものがないくらいに充実していた。子供としては、出来すぎていたかもしれないと思うほど、自分は周りに同化していた。
親はいつも言っていた。出る杭は打たれると。お前はいい子だと。正しいのだと。
ずっと肯定されて生きてきた。肯定されないと意味が無いと思っていた。価値が無いと思っていた。背伸びはしない。努力して生きる。テンプレート上で生きた。肯定されたいから。認められたいから。否定されたくないから。
否定されるのが怖かった。ずっと。ずっと。ずっと。否、怖い。今でも。否定されたことがないから。その感覚を知らなかった。故に、ずっと怯えていた。誰かから拒まれるのが怖い。怖い。怖い。
ぐるぐると回る視界で、何かに縋りたくて、手を伸ばす。ここで意識が途切れた。
違う。逆だ。
目覚めた。目を開けた。ぎらぎらと眩しく世界を照らす真っ白な光に、心は扉を閉めた。
ggrks (プロフ) [2019年3月14日 18時] 1番目の返信
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