夢羽空音のボード

夢羽空音のプロフィール | 発言 (夢羽空音の最後の書き込み: 「ね!!!たのしみ!!」 @ [2020年9月3日 20時] )

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"PublicEnemy”
社会の敵。それは何を指すのか。
反社会的勢力?それもそうかもしれない。
ただ、ある男を認知し、記憶してる者は皆、口をそろえてこう言うのだ。
「それは北村真冬である」
真夜中にネオンの闇夜の虹が、男女のあくなき享楽児を照らす街……
……その一角にある古びた洋館には決して立ち寄ってはいけない。
理由は、そこに北村真冬が存在するから。……それだけである。
礼拝堂に続く、水を打ったようにしずかな深夜の大道に、こつこつと男女の足音が一種の節をつくって響き渡る。
「あのねぇ、殺してしまったの」
真っ直ぐ前を見ながら、今晩の食事のメニューでも話すように女が切り出した。
男はこの言葉に、そこまで心を動かした様子もなかった。
「そう。だれを?どうして?」
「伊々田瑚春よ。だって、媚びを売るようで気持ちが悪いんだもの。不快だわ、私の真冬なのに」
「あははぁ、嬉しいなぁ。二人の時は確かにボクはキミのものだ」
「ほら、喜んで貰えると思って写真も撮ってきたの」
そういうと女は懐からペラリと一枚の写真を取りだした。
男はそれを受け取ると、「わぁ、こりゃ凄い」と声を漏らした。
腹からあばら骨の見えすいた胸は、元はそこにあったはずの膨らみが一切消え、ただ紅く染まっている。ガックリと力なく落ちた顎に剥き出しの歯……濁りきった光沢のない眼球・・・そして黄色くなった肌。
マネキンでも人体模型でもない、写真に写っているソレは、紛れもない死体であった。

夢羽空音 (プロフ) [2020年1月22日 21時] [固定リンク] スマホ [違反報告]
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