ねこもちのいえのボード
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〈彼女の手料理〉
俺には同棲中の彼女・A子がいる。料理が出来て、家事が出来て…世間的にはいわゆる、『出来る女』だ。彼女は優しく、器用で、とにかく料理が美味い。結婚も視野に入れているくらい、俺は彼女を愛していた。
今は仕事帰りで、電車に乗っている。今日の飯は何だろう…そう思い、A子にメールを送る。
『もうちょっとで家に着く。今日の飯、なに？お腹空いてきた笑』
『今日のご飯はカレーよ。事故しないようにね笑』
今日はカレーか。凄く楽しみだ。俺はルンルンで彼女のことを考えた。
ーー
「ただいまー！疲れたー」
「おかえり、B。」
くたくたで家に帰ると、A子がいつもの様に迎えてくれた。A子を見れば、仕事の疲れなんてふっとんだ。
「ちょうどカレーが今できたのよ。隠し味にチョコも入れたの」
「本当かい？楽しみだな」
リビングに行くと、カレーの香ばしい香りが鼻の中でいっぱいになる。俺は手を洗い、すぐにカレーを食べた。
「うん、美味い！やっぱりA子の手料理は美味いな」
「そう？ありがとう」
A子は微笑む。それを見て俺も笑顔になった。
しばらく食べていると、人参、ジャガイモ、豚肉、ブロッコリーの他に具材が入ってるのに気がついた。どうやら肉のようで、細長い。一口食べる。あぁ、これはウインナーだ。口の中でジワジワと肉汁が出てくる。それも、ウインナーは様々な大きさ、太さがあった。面白いな、これ。こんなもの売ってるんだな。
「ふぅー。美味かったよ、A子」
「あら、ありがとう。Bも気がついたと思うけど、ウインナーをいれたの」
俺たちはその後、色々なことを話し、笑いあった。
ーー
半年後、俺とA子は別れた。
ちあき。 (プロフ) [2022年2月1日 19時] 4番目の返信
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