心臓のお話
寝ている彼女の体をぬいぐるみのように抱き締めた時、ほのかな石鹸の香りと柔い感触、そして速い心臓の鼓動が自身より少し高い体温を介して伝わってきた。小さいものの鼓動は早いと聞く、小さいものの一生は短い、彼女は自身より早く死ぬのだろう。生涯可能鼓動寿命、人の鼓動の回数は産まれ落ちたときから決められているという、これは、決められた事なのだ、俺はそれを頭の中で反芻しながら涙ぐむ。
どうか、願わくば彼女と死ねますように。
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