べリアルのボード
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べリアル (プロフ) [2016年11月22日 19時] 1番目の返信 [違反報告]――夢を、見ていた。
貴女と居た夢を。
もう、見ることは出来ない夢を――。
無機質に近い電子音をかなりの音量でならす時計。
その音は部屋中に響き、一人の少女が目をさます。
「……うぅん……もう、朝?」
少女は寝癖が少々ついた綺麗な髪を靡かせながら時計のアラームを止める。
時間を見ると、朝の十時。かなりの時間寝ていたようだ。
少女は立ち上がると部屋の端の窓を隠している黄色の花柄カーテンを勢いよく開ける。
外は暖かく、綺麗な水色の空。
しばらく外を眺め、少女はゆっくりと部屋から出ていく。
次に少女が向かった場所は洗面所。少女の部屋は二階で、洗面所は一階だから行き来は面動だが洗面所自体はそこそこ広いのであまり文句はない。
ほんの十数秒歩き、洗面所の扉を開き中に入ろうとしたのだが
「……うぎぎ……またぁ?」
ここの扉は立て付けが悪いのか閉めるのに相当な力を要する。
無理やりすると一度外れたので、もう少女は閉めるのを諦めた。
入口近くにある電灯のスイッチを押す。
すると部屋に灯がともり、奧にある鏡が光を反射する。
その鏡に映る少女は――肩までの黒髪、鮮血にも似た大きな瞳が特徴だ。
それでいて華奢で、白い肌が光に照らされて。
美しいとしか、言いようのない少女だ。
少女の目線は鏡の中の自分にうつす。
(…これ、私だったっけ。)
自分の姿を見て、誰だったか考える。鏡の中に映るのは自分なのに。
とりあえずそんな事は気にせず、櫛で寝癖をなおしていく。
外側にハネていた髪も大分おちつかせると、次は台所へ向かった。