裏路地の黒猫

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鉄に似た香りと、紅色の液体。彼の目の前に広がるのは、人の形を模した肉塊。気色の悪い奇声を上げる、ただの肉である。
誰かの目の前に広がるのは、爪を剥がれ、眼球を抉り取られ、口から紅色の液体を吐き出し、腿を切り裂かれて、悲痛な声を上げて痛みに悶える者。
なんて快感。耐え切れず、彼は、「あぁ」と恍惚の声を漏らした。
おっと、いけないいけない。あくまでも自分は、裏切り者を消す。仕事より自分の快感を優先してしまうとは自分の悪い所だ。だが然し、仕方ない事だろう?自分に粛清の仕事は向かないな、なんて思いながら、餌物を前にして舌舐めずりをする様な下卑た笑みを浮かべ、彼は金属で、肉から血を滴らせた。例の様に奇声が耳に入る。当然ながら煩くて仕様がない。
あれ、あれ。肉が、黙り込んだ。よく見てみると、息を吸っていないし吐いていない。そうか、死んだのか。
「…脆いな」
彼はそう呟いて、ビニール袋に肉を詰め込んだ。
ぶらり、ぶらりとビニール袋を揺らし、彼は部屋を出て行った。

前言撤回、きちんと戻りますよ (プロフ) [2016年11月30日 20時] 1番目の返信 PCから [違反報告]

誰かの声がした。断末魔の様なそれは、とても耳障りで仕方がない。特にすることもなかった俺は、それが気になって様子を見に行くことにした。部屋に足を踏み入れてみると、鉄のような悪臭が鼻を刺激する。この様な光景は見慣れていて、吐き気はしなかった。
「誰がこんなに派手にやったんだぁ?」
やれやれと、血を避けるように部屋を出る。すると少し先の方にビニール袋を持った男を見つけた。きっとこれは彼がやったのだろう。
「おーいそこの兄ちゃん…って、もしかしてあんた副首領さん?こんな所でなーにやってんの?」
副首領、名前は覚えていない。覚える気がない。一体殺されたのは誰だったのか気になり、副首領に明るい表情で話しかけてみる。

雪兎(元・えりりん)@ここにはもう居ません (プロフ) [2016年12月1日 19時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

誰だろう、と思い振り返る。何だっけ、幹部だっけ?あの見た目は印象に残り易いのだろうが、自分には解らない。まぁ兎も角、返答はした方が良いだろう。
「君には関係の無い事だ」
…あれ。こんな事言おうと思った訳では無いのに、自然と言葉が出た。こいつの自分を見る目が変わるのだろうか。いや変わって良いけども。
妙に明るく表情が、喉に何かが詰まっている様な違和感を覚える。何というか、気持ち悪い笑顔だな、と。
おや?何だか、彼は自分では無く自分の持っているビニール袋を見ているのだろうか?何故?
「…すまないんだが、何故ビニール袋に視線が向いているんだ?」

前言撤回、きちんと戻りますよ (プロフ) [2016年12月3日 0時] 3番目の返信 PCから [違反報告]

副頭領はやはり少し対応が冷たい。俺の性格故か、人に話しかけてもたまにこういう対応をされる事はあるため、もう慣れている。それに副頭領自体に、然程興味は無いのだ。だが、関係ないと言われると余計に気になってしまう。副頭領が俺のビニール袋への熱い視線に気が付いたらしい。その中に入っているものの中身は大体察しがついているが、話のネタが欲しくて中身について訊く事にした。
「そのビニール袋さ、何入ってんの?やっぱ危ないやつ?」
服のポケットに手を入れながら、駆け足で副頭領の隣に並ぶ。

雪兎(元・えりりん)@ここにはもう居ません (プロフ) [2016年12月5日 20時] 4番目の返信 スマホ [違反報告]
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