「ん~、美味しい~!」放課後、クッキーらしきものを頬張りながら校門に寄りかかっている陸上部員。部活が終わって顧問から貰ったらしいそのクッキーを一口で飲み込むと、「帰ってもつまらないしなあ…」と呟いた。
「バレー部終わるのおっせーのな…」うちは顧問がアッサリしてるから楽だぜ、と対して喜ぶ様子もなにも見せずに無表情で思う。あーつまんない、なんてずっと考えていたら、ふと声が聞こえた。「あ?…おう、石井か。お前バレー部だっけ」
「そりゃ大変だねえ。もう帰るの?」彼が着ていたのはバレー部の練習着ではなく、涼しげな夏服だった。そのためもう帰るのだと判断したのだろう。「一緒に帰る?途中までだけど」と言って楽しそうに笑った。
「じゃー帰ろ!…あ、そうだ、あのね!近くにすっごい美味しいカフェがあるらしいんだけど、一緒に行かない?」一人で行くの恥ずかしくて、と顔を赤らめながら言う。ムリならいいよ、と気を伺うように顔を覗き込んだ。
「本当!?行こう行こう!!」ぱあっと心底嬉しそうに、満面の笑みを浮かべながら言う。ぐいっと彼の手を引いた。
「なに食べよっか!私ねー、パフェとー、パンケーキとー…」るんるんとスキップをしながらそう言い、石井はなに食べる?と笑いながら聞いた。
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