水辺の蛟
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馬刺 (プロフ) [2017年10月28日 16時] 1番目の返信 [違反報告]長きにわたる重臣も、信用していた騎士たちも敵。
国のため、長く奔走し続けた王の最期はあっけないものであった。
家臣全員による叛逆によってあっけなく西洋に浮かぶ孤島に栄えた国は終わった。
王が暴君だったわけではない。
それどこか御身を投じて前線に赴き、国の財政状態は良く、黒い影は王のそばになく、清廉潔白を絵にかいたような人間であった。
一代目にしてかなし発展した国であった。
王が死ぬと叛逆者たちは去り、民もまた去ったという。
海からの異民族による侵攻が激しく、戦火の絶えないところに国があったからだ。
身を守るために、また生活するために居た民たちは島を出て海へ乗り出したそうな。異民族は一定の間隔で侵攻してきていたため、その空白期に出たとのこと。
理想郷と呼ばれたその国はひっそりと西洋のどこかに浮かぶ島にあり、当時の住居と未だ王座で眠る王が遺っているとのことだ。
では何故家臣たちは叛逆したのか。
それは一向に分からなかった。
その国が実際にあったかすらも分からない。
西洋に浮かぶ孤島は実際にあるのだが、その国が存在したかはわかっていない。
吟遊詩人に聞いた話だ。作り話なのかもしれない。
だが気になる。ここで終わる話なんてつまらない。
音を知り、世界を知ると同時に聞いてきた話にずっと惹かれてきたのだ。
無いのなら別に構わない。
その孤島を探す旅に出るために家族へ暇乞いはしてきた。
探せずとも、その国が空想の物でも旅する途中による酒場やギルドでその国の別の話が聞けるやもしれない。
期待に胸を躍らせ、赤芭の暦に旅に出た。