シャルル
___あなたは遠くへ行ってしまう。そう実感するとやっぱり涙が止まらなくなっちゃって、まだ行かないでいて欲しいと思う。でも、消してしまったのなら。あなたがそれを選んだのなら。私はもういいんだ。 「笑って」 この日、私の恋は終わった。
ふわり、と優しく頬を撫でる風。ふと横を向くと蒼い海が優しく揺れていた。歩いてきた道は小さく見える。町だっていつもより小さい。意味もなく持ってきた花は、花弁を散らしながら小さく見える町に広がっていく。暖かい日に包まれながら私は目を瞑った。
___黙っていよう。そう思ったのは何時だったか。 心が碧い優しさで満たされたら、笑える気がしたんだ。あのときみたく、笑える気が。結局、できなかったけど。
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