散茶
メッセージ一覧
特になし (プロフ) [2017年1月23日 23時] 38番目の返信 [違反報告・ブロック]彼の濡れた声を聞いて、ぎゅうっと胸が締め付けられる。今度のは痛みを伴わない、高揚感に何かが混ざったとても心地良い物。嗚呼、そうか。
「…絶対、離さないから」
彼の顔を隠す手を腕を掴んでいる方とは逆の手で掴み、無理矢理退ける。涙に濡れた瞳と自分の瞳をぶつけると、彼は顔を隠そうと抵抗するけど許してなんてあげない。
「……少し落ち着こう…?、ね」
彼の手首から手を離しそのまま掌に手を滑らせ、手を恋人繋ぎの形にして彼を引き寄せる。まるでクラシックでダンスを踊る時みたいに。そうだね、いっそ踊り出したい気分だよ。この気持ちをなんて表すか、僕には理解出来たんだから!
特になし (プロフ) [2016年12月27日 16時] 19番目の返信 [違反報告・ブロック]雨の上がった後の午後の空はとても清々しく、未だ高い位置にある日も数刻前までは雲の後ろに隠れていたとは思えない程に燦々とその光を庭に落としていた。
そんな冴え渡る美しい冬の青空を見上げていても、勿論俺の悶々とした気分は晴れる事は無い。瞳は文字の並ぶ紙に向けられているけれど、勿論俺の考える事はずっと一つだ。
一体全体、なんでこんな事に…
「…翼さん、これ難し過ぎじゃないのー?」
確かに自分の成績が落ちていたのは理解して居たけれど、俺に相談もせず家庭教師を付けるだなんて、非道過ぎやしないのか。
親から実績を上げて居る先生だと聞いていたし、実際良い先生だ。教え方めっちゃ上手いし。じゃあ何に問題が有るのか、って聞かれると俺の頭に問題が有るんだろう。
「ねぇ…ちょっと休憩しようよ?」
先生の青空と同じ色の眼を見ながら言う。この部屋に時計が無いから何時間連続かは解らないけれども、結構長い間やったと思う。…体感時間が長いだけかもしれないけど。
黎 (プロフ) [2016年12月27日 20時] 20番目の返信 [違反報告・ブロック]俺は、机の上にきちんと置かれた問題用紙と、
睨み合いをする少年_睦月国永に勉強を教えていた。
そう、今もっている教え子である。
今迄で一番良い教え子だ。翼もそう実感していた。
しかし今回の問題は少し難しすぎただろうか。俺の教え方が悪かったか。
"休憩しよう"と言う彼を見詰め、どうしようか少し迷ったが
「..そうですね。あと10分頑張ったら休憩しましょうか」
と笑顔を貼り付け返す。
どんなに良い教え子でも、一度慈悲を与えれば次から甘えられてしまう。
そうして休憩の時間が増え、学力が落ち、親御さんに顔向けできなくなり__
否、そんな事にはさせない。
俺のプライドに掛けて、絶対に
特になし (プロフ) [2016年12月29日 18時] 21番目の返信 [違反報告・ブロック]「ありがとー翼さん、愛してるよ」
心にも無い愛の言葉を吐き、もう一度問題と顔を合わせる。嗚呼なんて日だ。せめてもう少し隙の有る先生だったなら幾分かましだった。
俺は相手にペースを取られたままで過ごすのは嫌だから、正直言うと翼さんは少し苦手だったりする。
頭が良くて、顔も体型も『なんでモデルやってないんだ!』ってくらいで、それに加えて隙が無くて愛想が良いなんて、やっぱり世の中不公平過ぎるんじゃないかな。
其処まで考えて、俺はもう一度真剣に問題集を見つめ始めた。10分なんてさほどの時間じゃない、これ終わったら休憩させて貰えるんだから少しぐらい頑張って仕舞おう…なんて俺らしくない事を考えて。