悪魔と契約とAbility

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深紅のパーティードレスを揺らすと十月は、通信機を装着した。
「こちら構成員の十月です。抹殺対象、無事に抹殺致しました。只今、帰還致します」
通信機に伝えられる指示を頼りに、十月は優雅に歩いていく。慣れないヒールに手こずりながら戻っていく途中、かすかな音が耳を刺した。十月はばっと振り向くが誰もいないことに安心すると歩を進める。
「……とでも思いました?」
物陰に先祖から伝わる藍色の瞳をぶつける。この瞳に捕らえられては__逃げられない。
ガガガガッ、と床を、壁を、傷つけながら一心不乱に撃ちまくる。
「もう、パーティーは終わりです。貴方もお帰りください」
弾丸を物陰に放つ。だがそれは当たらなかった。
「っ、!!?」
振り向くも遅し、背後を獲られていた。

spkl (プロフ) [2017年5月20日 14時] [固定リンク] PCから [違反報告]

誰でもどうぞ!!

spkl (プロフ) [2017年5月20日 14時] 1番目の返信 PCから [違反報告]

「…!言祝様!!」
上司である言祝だと気がつき、急いでひざまづく。
「ご無礼をお許し下さい……!」
一心に頭を下げる。だが、心中は言祝に対しての怒りであった。
なぜ着いてきているのだ、保険?ふざけるな、私一人で殺れる、誰の助けなど要らないのに。私はあの人の為に任務をこなしている、邪魔されては信用されなくなってしまう。それだけは避けたい。まさか、私は……信用されていないのだろうか__?

spkl (プロフ) [2017年5月20日 21時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

「はっ、承知致しました」
急いで立ち上がり握っていた拳銃を握り直す。上司である彼は絶対に守らなければならない。任務であろうが、そうでないであろうが彼は契約者である。いずれこの世を救う契約者だ。一人足りとも殺されては溜まったものでもない。
「私が案内します、お守り致しますのでご安心を」
後ろにいる上司である言祝は会ったことが無い。契約により声を失い、マフィアでは幹部、実力は未知数だが幹部に在籍している辺り強いのであろう。十月の頭の中で覚えた言祝のデータと推測が飛び交う。
「……」
彼の力を見てみたい、そう思った。

spkl (プロフ) [2017年5月21日 6時] 3番目の返信 PCから [違反報告]

唐突に言祝の背後に回ったことよりも、言祝の声に驚いた。何処か透明で儚い声なのに何処かに冷酷なものを感じる。一度聞いたら忘れることが出来ない声だ。
「(喋れたのか……、まさか契約は偽り?)」
と思うのだがその声で予想の斜め上の事実を告げられる。
「敵に包囲されているとでも!!?」
しかもかなりの数だとか。ある程度包囲されているのは予測済みだ、だがこれほどの数は予想だにしない。一体誰が……。
「まさか、警察…!?」
口にするとさらに確信へと変わる。警察は予め、この抹殺を知っていたとでもいうのか。否、それはない。マフィアは情報を漏らさない、漏らせない、漏らしたくない。恐ろしい末が待っているのだから。
「(アイツ……いつの間に呼び寄せていた!!?しかしアイツは死んでしまった…。囮か?)」
ピーンと良くない予感が頭を横切る。
「まさか……私たちが囮だと!?」
自分たちマフィアが警察の囮に気がつく。相変わらず嫌な連中だと文句を言っている場合ではない。動揺と焦り、十月の弱点が徐々に彼女を支配していく。

spkl (プロフ) [2017年5月21日 16時] 4番目の返信 PCから [違反報告]

ごくりと唾を飲み込み、目を凝らす。
「15人ですかね、警察の少し弱い程度ですが」
逃げられるかもしれない、と少し確信する。だが、また考えが浮かぶ。なぜ、角に15人も配置する必要があるのか。奇襲ならともかく警察は我らを標的としている…。角に躍り出た自分たちを乱射するのか。ならば残りの5人は?いくらマフィアの幹部だろうが構成員だろうが、一斉攻撃されれば生きていない。それに死体は穴だらけ。マフィアに送り付ければ情報が漏れたと白状しているもの。警察も慎重に行動したいはずだ、外からボロボロと崩すために。
「この配置、見覚えがあります……」
この配置は、警察の五本指の上位の警察……。
「沙羅矢切弥勒、本当に厄介なものに当たりました」

spkl (プロフ) [2017年5月21日 17時] 5番目の返信 PCから [違反報告]

部下にぽん、と肩を叩かれ振り替える。は煙管を握っていた。準備が出来たと言われ、こくりと頷いた。そして手に持っていたメモ帳にボールペンを走らせる。
《お疲れさん、じゃあ帰るから》
と紙を渡し逃げようとしたのだが襟を掴まれ逃げられなかった。渋々とその場に留まり煙管を吹かす。
《十月ちゃんは傷つけないでね、一応ナンパして連絡先貰ってないから》
部下はぎょっとしたが、沙羅矢切がナンパするのを知っているため頷いた。
沙羅矢切は悪魔と契約していた。力を受け取った、だが__声を失った。

spkl (プロフ) [2017年5月21日 20時] 6番目の返信 スマホ [違反報告]

「は、はい」
こくりと頷く。何と心強い存在なのか、戦闘にいると頼りになる存在だ。なるほど、幹部の席につくことがある。弾が切れぬよう全ての銃に弾を補充しておく。考えるのは沙羅矢切のことである。以前、十月はナンパされたことがある、被害者なのだ。その時は何とか追い払ったのだがしつこい奴だ。その粘り、違う使い方すればいいのに、と何度も思う。しかも契約したのか、女の悪魔だろうか。しつこく粘ったのであろうな。考えが終わる頃、弾の補充が終わった。
「死なないで下さいよ、貴方は世を救うヒーローになるお方。危険だと判断されたらお逃げ下さい」

spkl (プロフ) [2017年5月22日 20時] 7番目の返信 スマホ [違反報告]

くるり、人の気配を感じで振り向く。そこにはいかにも若い男がたっていた。なるほど、全ての仕業は彼か。若者は元気だなぁ、と感心する。沙羅矢切はメモ帳を取り出し走らせた。
《こんばんは、俺は沙羅矢切弥勒。事情によって話せないんだ、いやーしかし元気だなぁ》
ペラリとめくり、《うらやましい》と笑う。緊張感などない。

spkl (プロフ) [2017年5月22日 20時] 8番目の返信 スマホ [違反報告]

あ、ばれてる……、と感心する。もしかすると、彼も契約によって声を失ったと見て良いだろう。同類、か。と睨む。これはやり易い。容赦なくいかして貰う。
《まぁまぁ、いやーしかし声がないって大変だねぇ。君は空気を振動でもしてるのかな?いやーいいなー》と呑気にメモを書く。《少しは楽、になるよね?羨ましいよ》。
何処からかで悲鳴が聞こえる、殺られているらしい。察するに、十月か。
《十月ちゃんかな、扱い手慣れてる?あ、同業者だからかな。いやー中々攻略出来ないんだよね。連絡先貰ってないから。厳しいよねー》
等と、今の状況など考えていないようだ。

spkl (プロフ) [2017年5月23日 21時] 9番目の返信 スマホ [違反報告]

「!!?」
ガキンッと急いで抜刀し、防ぐ。最近の若者は血の気が多いとまた、関係ないことが浮かぶ。その表情には余裕、冷や汗一つかいてなどいない。が中々上手い構えだ。始めてみた、これは退屈しないで済みそうだ。まあ、おじちゃんは平和主義だからね。かんっ、と弾き返す。そした腕を晒す。途端に血を吸われる音が鳴り響いた。

spkl (プロフ) [2017年5月24日 20時] 10番目の返信 スマホ [違反報告]
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