忌まれ子

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ライリー

666 (プロフ) [2017年9月19日 16時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

ライリー、という名の天使が在る。
彼は三千年以上の時を神の元で存在しているが、その性格は至って奔放。悪魔や堕天使、人間、聖なる者も邪なる者も別け隔てなく接するある意味で天使らしくない天使だ。
俺個人としても、彼を知る者としても、ライリーは、あいつは、天使に良い意味で相応しくない。

(とある堕天使の日記より引用)

666 (プロフ) [2017年9月19日 16時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

とある悪魔達の会話

なあおい、またライリーがこっち(魔界)に来たってよ。マモン様が頭を抱えてたから確かっぽい。
マジか、あいつまた来たのか。よくもまあ天使なのに此処(魔界)来るな。
あいつ瘴気に強いもんな。浄化しなくても此処(魔界)で暮らせる、って言うし。堕天使の俺からしてもあいつは規格外過ぎるわ。
サタン様は何であいつ堕天させないんだろうな、俺は不思議で堪んねぇよ。
つかあいつあれで三千年しか居ないんだぜ、色々と可笑しくね?
なー。しかも天魔戦争ん時は隠すでもなく前線で戦うんだぜ? ベルゼブル様はそこが気に入ってるらしいけど。
アモン様なんかは裏があるんじゃないかとか、未だに探ってるらしいぜ。お疲れ様だよなあ。
でもほんと、あいつは真面目に裏表無いよな。それなりに永く付き合ってるけどさ、誰かの陰口言ってんの聞いたこと無いんだよ。愚痴はよくあるけどなあ。
はは、違いない。
まあ取り敢えず俺達も会いに行くか?
そうだな、また写真の話でもするか!

666 (プロフ) [2017年9月19日 16時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

ライリー自身の日記より引用

今日からまた人間界! 久しぶりに降りたけど、やっぱり文明発達してるなあ、見ててすっげえ楽しい!
写真もいつの間にか白黒から色彩豊かになったなあ……時の流れをすごく感じる。
昔々俺が生まれた頃には写真なんてなくて、俺はずっと絵を描いてたんだっけ? もう、そこまでよくは覚えてないなあ。

あーあ、結構久しぶりだったからこの前出来た友達も皆老いるか死ぬかしちまったし、神子達も随分と数を減らしたな。
でっかい建物も沢山建ったけどバベルの塔レベルじゃないし、罰が下ることもなくって空き地は減っちまった。
ちみっ子達はもう、ほとんど会えない。



つまんないなあ、なんだか、あの檻に居た頃みたいだ。

666 (プロフ) [2017年9月19日 20時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]

ライリーの生まれを知る者の証言



あいつは確かに天使だが、同時に人間なんだよな。
なんと言うか、俺にも表現できないような存在だ。……まあ、良い奴には違いない。例え多くの呪いを引き受けていたとしても、だ。
気の毒なやつだよ、ライリーは。
なのに大神に仕えてる辺り、自分でそれを認めたくないんだろうなあ。

あいつは元々天使と堕天使、それも人間堕ちの堕天使との間に生まれた"天使に最も近い人間"だ。それを知るのは大神と、俺と、あとは親本人とその親友の悪魔くらいか。
ライリーはライ、と言う名前で今からそうだな……何年前だったか……確か、バベルの塔が建つ三百年くらい昔の人間界に生まれたんだったか。
さすがの俺も覚えてない。詳しい数字はさすがにな。

子供の頃のライリーは可愛かったなあ……。年の割に賢くて、自分が何者かは知らなかったんだが無邪気に大神を信じていて、な。
満更じゃなかった風を装って、大神が天使が皆持っている聖なる炎なんかを魂の中心に授けたりしてたくらいにはな。

だがやはり、無理は祟った。
ライリーは六歳頃の体で、突然成長を止めたんだ。
最初は天使に近い人間だからかと俺も思ったんだが、どうも違うようで……。
結局、その頃は殆ど居なかった"神子"として孤児院から教会に引き取られたんだ。
今となって考えれば、まあ……俺が介入すればよかったんだがなあ……。

666 (プロフ) [2017年9月20日 21時] 4番目の返信 スマホ [違反報告]

俺が生まれた頃、人間は皆生き生きしてた。同じ言葉を話して、神サマを信仰してた。
でもある時神サマに会おうとした。自分達も同じところに登ろうとした。……神サマを貶めようとした。



結果、皆の言葉はバラバラにされた。



俺はそんな皆の中で、何故か言葉がわかった。成長が止まった体には何が何だか解らなかったし、それを教えてくれるような"家族"みたいな存在もなかったから、
俺は皆の通訳をした。

さらに皆は俺を崇め立てた。
誉めてくれたのは嬉しかった。ありがとうと言われたのはとても心地よかった。
でも、よく解らなかった。
説明されたとしても俺の頭も体も六歳児と変わりはなかったし、何より神サマが俺の成長を止めていた。
理解させないようにしていた。
……天使に最も近い人間として、魂を汚されないように。



今なら諦めがつく。
いくら神サマだって、全知全能だって、心があるんだ。人間の皆を作るくらい、不完全な存在なんだ。俺を天使に引き留めるくらい……利己的なんだ。仕方ない。人間とも悪魔とも天使とも似ていて、違う存在だから。
仕方ない。どこまでも仕方ない。



例え俺をあの檻の中に閉じ込めたのが神サマだって言われたとしても、俺は諦めるよ。
仕方ないよ、運命、というか神サマがしたかったことなんだから。

俺は崇め建てられ、奉られ、そして捧げられた。神サマの元に。
俺のためだけに教会が、檻が作られ、俺はそこに入れられた。炎を延々と燃やす寒い寒い石床の上で、俺は永遠にも思える時間をそこで過ごし、教会の下の町に住む人たちを守った"らしい"。
……らしいっていうのは、その教会兼檻にはステンドグラス以外の窓がなかったから。声だけが、俺にそう教えていたから。

『ライ様』
『大神子ライ』
『神の子ライ様』
『街の護り手』

ってな。

666 (プロフ) [2017年9月25日 9時] 5番目の返信 スマホ [違反報告]

俺は耐えらんなかったんだよなあ……流石に。長い間教会に、檻に、炎に囲まれて、閉じ込められて……生きるのも辛くて。
だから、あの教会が地震で崩れそうになるときも何もしなかった。死ぬに任せたかった。……結局、生き残ったんだけどな。
俺が守ってきたらしい町は壊滅してて、ほんの一握りの子供と大人が居るだけだった。
その頃はもう言葉が同じ人間達どうしで集まってて、通訳を頼まれないのは新鮮だったなあ。
俺はよく解らないなりに助けを求めて、助けられて、他の町に移住した。名前は覚えてないけど、まあかなり住み心地の良い町だったと思う。

俺は今度こそ幸せだった。
俺を引き取ってくれた家の暖かいご飯。近所の皆の優しく、しかし対等な言葉。たまには叱ってくれる。
それが嬉しかった。

そこでの俺はすくすく育った。六歳の体から七歳、八歳と……少しずつな。
俺自身も嬉しかった。難しいことも少しずつ理解していける。自分の名前を理解できる。本、は……高価だから無かったけど、遊ぶことができる。自分で見たものを言葉にできる。絵にできる。表現できる。
楽しかったなあ……。どうしようもないくらいに。

だけどやっぱり、俺は人間じゃないんだと知ってしまった。思い知らされてしまった。

666 (プロフ) [2017年9月25日 10時] 6番目の返信 スマホ [違反報告]

天魔戦争。
天界の天使と魔界の悪魔との大戦争。
下手すると魔界の勢力が強くなって、天使達の力が弱くなる。
天使も悪魔も、余程の理由がなきゃ皆参加する。しかも、参加しなかったとしても戦争の様子は頭ん中で確認できる。……システムは詳しくは知らない。まあ神サマなら何でもありだって思ってるしな。
ちなみに魔界にはサタンがそれに似せたシステムがあるらしい。まあ俺堕天使じゃないからあんま関係ないんだけど。

俺が生まれてからその日初めて、天魔戦争は勃発した。
理由は確か……あの地震で死んだ人達の魂があまりにも救われないから、だったかな。俺という生贄があったのはある程度の悪魔は知ってたらしい。驚きだな。まあ構わないんだけど。
俺は突然走った声に驚いて、でも周りの皆は無反応だったから混乱した。
声曰く、天魔戦争の正義は天界にあるとかなんとか。よく解らなかったけど戦争をやるのかとかぐるぐる考えて、そいで無視することに決めた。幻聴だろう、ってな。

だけど、困ったことに日に日に天魔戦争は激化していく。俺はその状況に興奮していて、中々寝れなくなっていた。しかもその頃、体は人間のままだったから……寝不足で、俺はひどい事件に巻き込まれたんだ。

666 (プロフ) [2017年10月13日 9時] 7番目の返信 スマホ [違反報告]
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