忌まれ子

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幸葵

666 (プロフ) [2017年3月31日 8時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

ヤンデレ、メンヘラ、と言うのが俺に最も上手く当てはまる言葉だとは思う。
正確にはパラフィリア。異常性愛。
……まあ現実的には受け入れたくない言葉であるわけだけれども、事実であるのだから理性の上では認めざるを得ないわけだ。なんと言っても俺は人を殺したことがある。
いやまあ正確には未遂なのだけれども、殺人の未遂であるから……笑うことだってできない。俺の犯した罪というのは、そんな軽い代物ではない。
それに、そのせいで殺し掛けた相手は人間関係というものに疑問を抱いてしまったらしくて。疑心暗鬼になって俺は愚か周りの人間全てを敵視して、そして苦しんでしまったらしい。らしいというのは、俺はその頃にはもう警察やら精神病院やらを転々としていて、人伝え風の噂……そんなものでしか相手の安否やら現在状況やらを確認する事が出来なかったから。
今は教師という職業に就いていることもあって、もうそんなことはしていないが……その相手のことは、実は未だ忘れられていない。
まあしつこいだろうなあとは理性の上では考えているし認めている。
……問題は、それを受け入れられない本能的な部分だ。
俺の困った癖の中に自傷癖という物がある。読んで字の如く自分の体を傷付ける、何て言う癖だ。これは本能を抑え始めた頃に出来た癖で、まあ副作用的な物だろうとは思っている。
これは先ずタイミングが読めない。読める気がしない。
大まかに分類すると、この癖が出て来るのは俺の異常性愛の部分……根本的なところが疼くときと、自己嫌悪が疼くときだ。どうしても抑えきれないときに意識が飛んで、俺の体には傷が付いている。
全く困ったことだ。周りからは仰天される上に積み上げてきた物が一気に無くなってしまうから。
唯でさえ前歴が酷い物の上、自傷癖付きとは如何な物か……。全く、自分の事ではあるが困ったものだ。

666 (プロフ) [2017年3月31日 8時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

彼を殺し掛けた後まで俺が生きているのは、ただの惰性のようなものだ。
母さんは俺が事件を起こした後も変わらずに接して、それでいて生きろと言ってくれた。父さんは事件なんて関係ないと言ってくれた。二人の為に生きて居る、と言うのもあながち間違いじゃ無いが……。
だがやはり、俺が今まで生きて居るのは惰性のようなものだと思っている。



俺の通う大学の、小さな講義室。
とりとめもない事を考えて、彼のことと父さんや母さんの事を考えて、そして教師が話すことを一々ノートに取っていた。
……ただただ、詰まらないと思う。
彼の居ない生活は何処までも単調で、それでいて虚しいものだ。
彼の声を想う。
俺の名前を呼ぶ、あの彼の声を。……懐かしい。懐かしくて堪らない。

俺はあの当時どうしようもないほど自己中心的で、傲慢で……そして弱かった。
今思えば意味が解らない。
何故彼が俺を理解してくれると考えたんだろうか。
何故彼が俺の気持ちを受け止めてくれると考えたんだろうか。
何故、何故……彼が、俺を好いてくれているなどと、考えたんだろうか?

……思考がループし始める。気付けば世界は暗転していて、俺の意識だけを置いてけぼりにして進んでいくんだ。そして俺の体は、俺の物では無くなる。



夢が覚めたような心地。
ジクリと音を立てて痛む手首と、喧噪を遠くに聞いていた。
俺は息を吐き出して手元を見る。……ノートが血で汚れていた。だがまあ表紙だけ。問題はやはり、このカッターだ。
このカッターはずっと、というか何時の間にか自傷用になっていて、これでもう……ウン十何回目になる。
俺自身は構わない。問題はこれを見られることだ。……喧噪は遠い。今の内に隠れてしまおう。

立ち上がって辺りを見回す。……どうやらここは何時もの空の講義室のようだ。
面倒くさい。
ノートを綺麗な方の手で抱えて、汚れた手の方はハンカチで包む。……幸運なことに、俺のサークルは芸術系だ。幾らでも言い訳のしようはある。



……そう、癖が付いたのはこの頃からだ。
痛みと理性は同じ物で、幸せと本能は遠いものだと考えてしまって、自傷癖を止める気がなかったから。
何故、だろう。
答えは無い。……当たり前のことだから、俺はまた、諦める日々を繰り返す。

666 (プロフ) [2017年5月22日 10時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]
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