‥1
ありがとうございますどちらから始めましょうか?
いえいえちょっと今から英検なので、先にお願いできますか?
了解です英検頑張ってください
ありがとうございます、終わりました(色々と)
わああまだ始まってなくてすいません始めます
いえいえ大丈夫ですよ、ありがとうございます
保健室。そこは怪我をしたり気分が優れない者が来る場所である。そう、断じてサボったり昼寝をしたりする場所ではない。だからこそ、海里は目の前の男に対して呆れながら口を開いた。「・・・今月何回目ですか?」
「……知らんがな」寝返りを打つその男は、どう見ても生徒ではない。白衣を着ているし、身長だってそれなりにある。しかしながら彼はサボっていた。樹、という名の彼は、講義を開くことそれ自体を、放棄していたのだ。
「はぁ・・・・・・」誰がどう聞いてもやる気のないその返答に思わずため息がこぼれた。サボるならまだ生徒の方がマシである。教師がこれで果たして良いのだろうか。
「それにここにゃあ時間はないだろ……職場かここは……」ああいや一応職場だったか、などと呟くとあくびを溢し、毛布くれよ毛布、と海里の顔を見ずにそう要求した。怠惰な男である。
ユーザ登録画面に移動