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飛べない鳥は夢を見る。

Neon (プロフ) [3月28日 20時] [固定リンク] PCから [違反報告・ブロック]

これは文化祭も終わった数日後の噺。
猫の尻尾が生えた、左側に火傷痕のある少女、猫葉千倖は慌てながら共有スペースに行き、近くにいたピンク色の肌の少女、芦戸三奈にこう問うた。
「菅原孝支知らない!?」
そうとう慌てていたのだろう、普段は『スガさん』、時々口を滑らせて『スガエル』と呼ぶのだがこの時だけはフルネームで。
しかし芦戸三奈から返ってきたのは1言。
「菅原孝支?誰、それ」

「は、」言葉を失い、共有スペースにいない西谷に電話をかける。
「西谷!スガさんが…いない…」「流石におかしい。俺が一応書いておいたA組の奴らの名簿見てもスガさん…“菅原孝支”の名前は一切ねぇんだ。」「芦戸さんが…“菅原孝支?誰、それ”って」「神隠し…?」「でも…何で雄英限定?」「夢半ばで死んだ奴が、か?」
まだもう一人の転生者であり、人気を博しているプロヒーロー、コータローこと木兎光太郎には確認していないが現状唯一菅原孝支の記憶を保っている転生前からのクラスメイトの西谷夕と会話をし、電話を切る。既に彼女の部屋には到着していた。

Neon (プロフ) [4月15日 21時] 14番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

部屋を開けると、不思議なことが起きていた。
_そう、“菅原孝支”が写っている写真が全て、芦戸などの別人に切り替わっている、もしくは消えている…要はいなかったことにされているのだ。
上昇する心拍を押さえつけるように、木兎に電話をかける。すんなりとかかる。

「木兎さん!スガさん…いや、菅原孝支のこと、わかりますか!?」「覚えてるぞ?あの見た目詐欺のやつだろ?」「その言い方やめてください。でも、よかったです。」「そんなこと聞いて、どうしたんだ?」困惑気味にそう告げる木兎に猫葉は経緯を説明する。
「え、」「そう、ですよね。何ででしょうか。記憶を保っているのは私と西谷、そして木兎さんだけ。」「転生してるんだよな。」「もしかして、絆でしょうか。」
少女がぽつりと零すと「それだ!」と暗い雰囲気を飛ばすような快活な声が電話口から響く。
「にゃん…ん”んっ猫葉と西谷は勿論のこと。何せ同じ高校だしな。俺は何回か戦ったことがある程度だけどな。」「木兎さんの狂気性が上回った定期」「酷い!」
ケラケラと笑う猫葉。気分は少しだけ明るくなったが謎は深まるばかり。今週の土曜、記憶を保っている3人で落ち合う約束をし、電話を切る。

それからの授業は平静を装っているだけで精一杯だった。気を抜けば涙が流れそうでどうしようもなく苦しく、辛かった。
「でも、突然消え失せたスガさんのほうが苦しいに決まってる。」私が、いや、私達が救うんだ。
意思を固め、覚悟を決める。

Neon (プロフ) [4月15日 21時] 15番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

菅原孝支消失事件の話をするために、3人は近くの公園に集まっていた。
「神隠し…最近起きてるらしいっすね。」「男子高校生ばかりが消えているらしいな。」普段のハイテンションはすっかり身を潜めている木兎。「だからってスガさんを狙う理由が…」「神算鬼謀」「それ…!」「スガさんが言ってた。“そういうのは神算鬼謀の菅原さんに任せなさい!”って。」「多分…個性だけ喰らっているとかか?」「完璧になろうとしていた…ってことですかね。」「足りなかったのは戦闘知能。それを完全に補完してくれる個性だったんだよな、あれは。」「スガさんの個性は実質的な未来予知としか言いようがないです。」「俺達しか居ない以上…」無理だ、と言い切ろうとしたその瞬間。

西谷の携帯が鳴った。相手はA組イチ、もしかしたら雄英イチかもしれない程の美形の轟。

「机に置いてあったから送る。朝、猫葉が言ってた“すがわらこうし”ってのはこいつか?」

その文面とともに送られてきた写真に3人は言葉を失う。
そこには、血のような真っ赤に染まった鳥居が全体を囲っており、その中央に椅子に縛り付けられ、目隠しをされていて目元は見えないがその特徴的な髪型は明らかに菅原だった。その直後
「すがわらって奴は覚えてねえが、困ってんなら抱え込まなくていいぞ。俺達も微力だろうが協力するぞ。」
OK!というスタンプと共に送られてきたその文面に涙が溢れる猫葉。

彼女はもう、一人なんかじゃない。

Neon (プロフ) [4月15日 21時] 16番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

「あーやっと帰ってきた!」「ごめん。あのこと考えてて。」「つーかこれ本当に悪趣味だよな。何がしたいんだ!って感じ。」
「私の知り合いのプロ…コータローって言えば分かるかな。と西谷と一緒にそのことについて話をしてたら“完璧になるためにスガさんを誘拐した”って。」「戦闘IQが皆無だったのか」「猫葉が言ってたことが事実なら、実質的な未来予知の個性を持つ菅原を隠すのは理に適ってる。」「神隠しが多発してるらしいから、それの影響かもね。」「これが合成なんかじゃなければ…」「これは私の野生の勘だけど…多分3日も経てば吸収される。」「死ぬ、ってことか」「うん。」「タイムリミットは実質2日、というコトですわね。」「うん。私と西谷、機動力のある爆豪くんと緑谷くんはスガさんの救出。それ以外は情報収集を頼む。」
冷静に指示をする猫葉。あたかも妖かのようににやりと目元を下げた。

Neon (プロフ) [4月15日 21時] 17番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

「猫葉!場所かわかった!____!」「わかった。皆、行くよ。」事情を話し、リミット当日は西谷、猫葉、緑谷、爆豪に限り外出を許可された。幸いそれなりに学力はあるのでなんとかなると見越しての許可。
「ここ、だよね。」その場所は古びた神社。突然猫葉が蹲る。「どうしたんだ猫葉!?」「そういえば…神社とかに行くと突然頭痛がする…とか言ってたような。」「その話はあとだ。さっさと見た目詐欺野郎助けんぞ」「菅原孝支だって…」頭を押さえながら注意する。現状、歩くことが難しそうなためこの中で一番身長が高い爆豪(というか残りの2人が猫葉より小さかった)におんぶしてもらっている。

「ここが、内部。」緑谷の声が響く。かなり湿っており、とても涼しい。「この写真を見るに…」「っ!!!」突然苦しそうに呻きはじめる。桜色の尻尾が2つに割れた。「視え…た。スガさんが、どこにいるのか。」
爆豪の背から飛び降り、先導するように走り出す。それについていくと、確かに菅原孝支がいた。衰弱しかけており、吸収される直前だったことは火を見るより明らかだった。

Neon (プロフ) [4月15日 22時] 18番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

返信禁止

Neon (プロフ) [2023年8月7日 19時] [固定リンク] PCから [違反報告・ブロック]
(C) COMMU