「……う…っ」路地裏を腕を押さえながら足を引きずって走っている。腕や足からは血が流れていて、地面に赤い斑点を作っている。距離はあるが、後ろからは警察の足音がする。「……死ぬわけには…いかない」視界が眩むなか、そう呟いて走り続ける。
「ねえキミ」不気味な笑顔を張り付けたまま、少年は血を流している人物の目をみる。「助けようか?」
「え…」いきなり声がして、そちらを振り向く。そして少年が視界に入った。「…誰?」匂いからして吸血鬼じゃないのは分かるから、警戒する。
「ふふ、オレはただの力を持たない人間。」取り敢えずの紹介というところで相手に言う。「で、さっきのオレの質問だけど、どうするの?」
「………何をする気」そう言いながら相手をじっと見つめる。
「あれ?さっきの言葉聞いてなかったの?ただのボランティアさ」ふふ、と笑い相手に言う
「……人を傷つけるような手助けだったらいらないってこと」顔をしかめながら言う。
「まさか、そんなワケないっしょ。」屈託のない笑顔を向ける
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