八百万の心と神

メッセージ一覧

無知は罪である。
自らの世界に何も疑問を抱かない。それは目隠しをしたまま歩いていることと同じだろう。
どこを歩いているかも知れずに右往左往。
しかしそれは恐怖故の迷いではないだろう。何も知らないのならば恐怖を知ることもない。だからといって勇気があるわけでもない。
ただ、何も知らない。
それで仮に天真爛漫に純粋無垢な笑顔を振り撒き歩くなら。それは、目隠しをしたまま他を踏みつけることではないか。
目隠しをしているから、現状を視界に入れないからこそそこがどうなっていたところで笑っていられる。
無知は罪である。

鈴美 (プロフ) [2016年7月30日 1時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

専用

鈴美 (プロフ) [2016年7月30日 1時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

青い空は雲に覆われてしまっていたから、暑い日差しは遮られていた。縁側に座っていても、弱い肌を焼くことはなかった。
小さな支配者は空を見上げていた。正確には、その大きな雲達の向こうに、想いを馳せていた。
今しがた、自らの所有している神が、任を終えたとの聯絡が入った。世界をまだ良く知らぬ小さなこれは、その従僕が帰るのを心待ちにしていた。
何も気づかぬ無邪気な瞳。それは灰色の曇天を映し、無事に帰ってくれと願うのだった。
しかし、そんな時間は絶たれる。
がさりと、音がしたのだ。
すわる縁側の向こう。そこには政府から借りているこの屋敷とそれ以外とを隔てる木製の塀があるのだ。その向こうには、ぼうぼうと繁る草。その辺りから、何かが草を踏み付けるような音がしたのだ。
驚き、怯える。
小さな支配者。それはまだ齢十三の少女である。だからそれらしく、彼女はびくりと震え思うのだ。
怖い。
と。まだ帰らぬ従僕に向けて。

鈴美 (プロフ) [2016年7月30日 1時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

『…迷い混んだか…』
困ったものだな。小さくため息をついてそう言うと、目の前にいる少女を無表情で見た。
カラン、カランと下駄をならして繁った草むらから出てくる。
さて、何処まで降りてきてしまったのか。
迷子、と言うには少し違うか。この場所は知っている。ただ、自身の家に帰るにはどの道を辿ったら良いのか。
あれだけ繁っているというのに下手をしたら道を外れてしまう。
仕方がなく此処まで来たのだが…見知らぬ少女が目の前にいるとなると、些かどうして良いのか分からない。
どうせ少女は式神の帰りを待っているようだし、俺は戦いたいとは思わぬ。
ただ、少女を見て思ったのは穢らわしい。そう感じた。
無知でるが故に神をなんとも思わず、扱うのだから。まぁ、望んでその立場になる神もおると言うが…やはり人の子は気持ちが悪い。

塵芥 (プロフ) [2016年8月3日 18時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]
メッセージ返信
メッセージの一覧に戻る
(C) COMMU