ーElectric Chronicleー

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命の国 城下町
(専用です。)

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2016年9月3日 13時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

トコトコトコ。小さい猫が歩いていた。
もう、辺りを見渡しても、その小さい姿は何処にもない。あれ? 少女は目に見える景色に戸惑いを覚えた。
どうやら、猫を追いかけていたら、いつの間にか迷ってしまったようだ。
「此処は、何処?」
彼女に優しい、光の国ではない。……彼女は、光の国でその政権を腐敗させている一要因であるから、民達には嫌われているかもしれないが。それを知っている彼女ではない。
少女の名前はラピス。何処か遠い異国の地では確か石と言う意味だった筈だ。
ラピスはその可愛らしい顔をほんの少しだけ強張らせた。今日、命の国の偉い人と会うと言う用事があって命の国に来たのだ。
何だか親が、心配そうだったが、言われるままに来てしまった。のに、親のその心配が的中してしまったのか、ラピスは迷子だ。ラピス、悪い子である。
「どうしよう……!」
泣きそうだ。もう。
だけど、泣かないように唇を噛んだ。噛む力が強かったのか、血が少々滲んでしまったけれど。
いつもの天真爛漫な笑顔は何処へとやら、ラピスは不安で不安で仕方がない。
うぅ。白いドレスは未だ綺麗なまま。ふと。ぽたぽたと涙がドレスに染みを作った。
「私、私……!」
お使いも満足に出来ない。
ダメダメな自分が悲しい。それよりも、不安が勝るが。
「もう、帰りたいよぉ。」
一度泣き出したらもう止まらなかった。
嫌だ。こんな場所。安全な家に早く帰りたい。
ぐすぐす泣いてたから、彼女は近くにいる気配に気付かない。それがラピスの救いの手となるか魔の手となるかは、まだ、わからない。
今日の夜には半月が昇るだろう。そして、今、時刻は昼である。

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2016年9月3日 13時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

中立国ということもあってか、提督という立場だというのに最近はめっきり書類整理ばかりだ。
先程までは部屋に篭って羽根ペンを走らせていたが、どうも息がつまる。
いつの間にか垂れてきた薄い色のブロンドの髪を撫で付け立ち上がった。
このままでは焦るだけだ、少し散歩に行こう。
この国は非戦国だ。
そのため亡命者も多い。
最近は軍としての仕事が少ない割に、そんな者達の整備に追われる。
きっと今日も人が溢れかえって街の方はごった返しているはずだ。
そうするとやはり迷子などいるだろう。
そう考えながら歩いていると、やはり迷子になっていると思われる少女がいた。
一際目立つその真っ白なドレスに目を細め、高い位の少女だろうかと考える。
ともあれ声をかけておいて損は無いだろう。
「失礼、お嬢さん。どうかなさいましたか?」
対貴族用の笑みを浮かべ、目の前の少女と目線を合わせる。
ぐすぐすと泣いているため、彼女と話はできるだろうか。
それよりも彼女はここの国の言葉は話せるのだろうか。
命の国の公用語はスウェーデン語なため、驚かれないといいが…。
まぁ一先ず笑っておこう。

(プロフ) [2016年9月3日 14時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

ラピスは声をかけてきた男を見上げ、一瞬だけ羞恥心に顔を赤らめてから、涙を拭った。
一瞬だけ母国語ではない言葉に戸惑いを見せたものの、此処へ来る前に一生懸命に覚えたスウェーデン語であった事が幸いして、何となく言っている事を理解した。
「私は迷子、なの。」
スウェーデン語で話しかけて来たのだから、母国語であるオランダ語ではなく、スウェーデン語の方がいいだろう。そんな安易な考えで、迷子。ただその一言をスウェーデン語で呟いた。まだ、長文を言える程にはなっていないから、それ以外に言いようがなかった。その、一言さえもまだ、たどたどしさが残る。
「あなた、だぁれ?」
貴方は誰ですか? そう、問おうとしたのに言えたのはこの一言だ。
決まりが悪そうに苦笑いをラピスは浮かべる。
子供特有の警戒心を抱きながらも、ラピスは不安そうに揺れる青い瞳にエドガーを写すのであった。

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2016年9月3日 15時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]

やはりこの少女はこの国のものではない。しかも迷子と来た。
「私はこの国の軍人です。」
子供相手で、しかも怖がらせないようにとにっこりと優しく笑みを浮かべた。
きっと提督と言ってもわからないだろう。
そのため軍人と名乗ったが、細かいことは置いておく。
しかしよくこんな子供が他国の言葉を話せたものだ。
練習したのだろうか。大したものだ。
少し関心したように見つめると、悩むように腕を組む。
自分はどの国の言葉でもそれなりに話すことが出来る。
提督という立場からか、必死に勉強したのだ。
彼女の顔立ちを見るに、恐らく光の国のものだと思われる。
光の国の公用語は確かオランダ語だっただろうか。

(プロフ) [2016年9月3日 15時] 4番目の返信 スマホ [違反報告]

「軍人…。へぇ。」
ラピスは目の前の男を見る。
確かに軍人らしい逞しさがある。
あまり頻繁に自国の軍人にあった事はないけれど、何だか怖い人ってイメージがある。
それは、ただの偏見な為、軍人とはこう言うもの? と、今絶賛混乱中だった。
優しい笑みに少しずつ警戒を解きながら軍人さんに無理して使っているスウェーデン語はやめて、オランダ語は通用するかしら。と、考えた。
「別の言葉、大丈夫?」
そう尋ねて、心配そうに青い瞳を揺らす。
これが、演技なら大した役者だが彼女の場合はそこまでしようとする気力は無かった。
ただ、このまま恥ずかしいのは御免だ。
純粋に恥を嫌って、ラピスはほぅ。と、小さな溜息をついた。
「私、偉い、会いに行くの。」
偉い人って、どう言うのだったか。
スウェーデン語は、まだ身に付いてはいない。あぁ、先生に怒られてしまう。
憂鬱で、恥ずかしい。

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2016年9月4日 7時] 5番目の返信 スマホ [違反報告]

なれないスウェーデン語で一生懸命何かを伝えようとする彼女がなんとも可愛らしく、いつもはバカ真面目の彼もいつの間にか表情筋が緩んでいた。
ポーランド、フランス、スペイン、オランダ、チェコの順番に、少し言葉を呟きまだ話せるか確認する。
たぶん大丈夫だろう。
必要最低限話せれば十分だ。
「光の国なら…オランダ語ですかね?」
軍人としての洞察力から彼女の国を見抜き、オランダ語で話してみる。
やはり拙い言葉をこんな小さな子に話させているのは酷だと思ったのか、心配そうに見つめる少女の頭を軽く撫でてやり微笑んだ。
「偉い…会いに行く?」
さすがにこれはわからなかったのか、頭にはてなを浮かべ考える。
彼女は偉い人で誰かに会いに行きたい、ということか?
強ち間違っていないが、どうもしっくり来ないらしい。
困ったように頬を掻いた。

(プロフ) [2016年9月4日 8時] 6番目の返信 スマホ [違反報告]

「えぇ、そうです。」
目の前の彼がオランダ語で話しかけたので、オランダ語でラピスは返答した。
まだ慣れないスウェーデン語よりもしっかりとしている。
ラピスは目の前の男が嫌いではなかった。
だから、頭を撫でられてもただ微笑んだだけだったし、いつの間にか不安から来る震えも止まっていたのだ。
ラピスが抱く彼への人物評価は優しい人。
一言で表す事が出来た。不明瞭ではない一言だが。
偉い……会いに行く?
そう、困ったような彼を見て、ラピスはやはり伝わらなかった事を理解した。
こんなんじゃ、伝言ゲームのような時にみんなが混乱しちゃう。
「私、偉い人に会いに行くんです。それがお役目なのです。だけど、迷子になっちゃいまして。」
オランダ語で説明をした。偉い人……提督とか何かの軍人さんだった気がする。
否、気がするではなく、提督さんに会いに行くのだ。はっきり言って、断りたかったけども。提督さんが彼であればいいのに。

yuiyui(*^_^*) (プロフ) [2016年9月6日 6時] 7番目の返信 スマホ [違反報告]
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