オリキャラ自由高校

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【専用長編】

(プロフ) [2017年3月26日 18時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

第一幕《その娘、背負う者》
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カラン…とすでに氷だけになったグラスをストローでガシャガシャとかき回す。
茶髪の緩くふわりとした髪を横で結い上げ、金色の瞳。憂いを帯びた横顔はまさしく妖艶と言っていいくらいの少女はその顔を酷く歪ませた。
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「本当、図々しいわねソイツら」
「瑞稀、落ち着け」
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茶髪の髪を片方だけ伸ばし、同じく金色の瞳。氷のように冴え冴えとした顔立ちと彼の持つ雰囲気が友好さを感じさせない青年は苛立ちを漂わせる少女を宥めた。
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「神楽、だって私たちの…七代目のシマで勝手にやりたい放題やってるのよ?許せっての?」
「それを判断するのは俺たちじゃない七代目だ。それより、梓は今日一人で帰ったのか」
「梓ったら、友達と帰るから護衛はいいって」
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私の梓が巣立っていくーっとふくれっ面になる瑞稀。と、バン!!っと勢いよくカフェのドアが開けられた。その向こうにいるのは、一人の男。真っ青な顔で息を切らした男は、2人を見るなり叫んだ。
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「瑞稀の姉御、神楽の旦那、お嬢が攫われやした!!!」
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その瞬間、店内はピアノ線が張り巡らされたような緊迫した空気に支配された。

(プロフ) [2017年3月26日 19時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

そんな店内の一角に、向かい合って座る二人の少年。
一人は中性的な顔立ちの美少年。
背が低く、髪も長くと少女に見間違えそうな容姿である。
もう一人は黒髪の好青年。
ニコニコと笑っており、一見すると優しそうに見えるがどこか近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
この緊迫する店内の中、その二人は周りの空気を一切気にしていないようだった。

「・・・だってさ、紫雨。攫われちゃったって」
「だからなに」

依然として笑顔を崩さない青年に仏頂面で答える少年。

「売り込むチャンスじゃない。行ってきてよ」
「やだよ。なんで僕が・・・」
「俺、荒事は苦手だからね」
「どの口が言ってんだか・・・」

両者の言い合いは平行線をたどり、結果としてじゃんけんで負けた少年・・・紫雨が行くことになった。
念のためキャスケット帽を目深に被り、声も少し高くする。
これでどこからどう見ても少女のはずだ。
というか、これを見破られたらちょっと自信無くす。
そんな事を思いつつも笑顔を作り、テーブルに座る二人に声をかけた。
「おにーさんたち、ちょっといい?」

白露 (プロフ) [2017年3月27日 15時] 2番目の返信 PCから [違反報告]

ピリピリとした雰囲気の中で掛けられた声。チラリと見ればそこにいるのは笑顔を浮かべた少女…いや
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「なんだ、何か用か。女装の評価なら他所でしてもらえ」
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仕事柄、変装には見慣れている。状況が状況なのでかなり冷たい反応だが、それを瑞稀が咎めた。
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「こんな状況で評価して貰おうとしてる訳じゃないでしょ?……それで、何の用?」
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微笑んで相手する瑞稀。だが目は笑っておらず、どこかぞわりと寒気のする笑みだった。

(プロフ) [2017年3月30日 16時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]

「っ、」

見破られた。
しかも一瞬で。
だがしかし、こんなところで尻込みするわけにはいかない。
これも仕事なのだから。
一応顔を隠す役割も兼ねているのでキャスケットは被ったままで話を続ける。

「おにーさんたち、遊月組の人達でしょ?随分困ってるみたいじゃない。若頭さんが攫われるなんて、ねえ?」

下手をすれば命がなくなる。
けど、そんな状況だからこそ敢えて笑顔を浮かべて問いかける。
こちらだって伊達に情報屋をやっているわけじゃない。
それなりの死線はくぐってきたのだから。

白露 (プロフ) [2017年3月30日 16時] 4番目の返信 PCから [違反報告]

さらに室内の空気が凍る。
が、コホンと咳をしたマスターが神楽と瑞稀を咎めた。
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「落ち着きなさい2人共。これ以上雰囲気を凍らせるなら流石の私も怒るよ。それと、梓ちゃんを助けたいなら彼女の話も聞くのも1つのうちだ。冷静でなければ大事な情報を逃すだろ」
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ジトリとマスターを睨みつける2人。
ほんの数十秒後、溜息ともいえる息を吐き出した2人はバツの悪そうな顔を浮かべる。
それを見たマスターは困ったように笑い、少女に顔を向けた。
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「すまないね、どうも彼女の事になると気が短くて。で、なにを知っているんだいお嬢さん」

(プロフ) [2017年3月30日 17時] 5番目の返信 スマホ [違反報告]

ここのマスター超いい人。
なんて思いながら本題とも言える話を始めた。

「色々知ってるよ~。居場所とか居場所とか居場所とか?ね、青くん」

あえておどけるように言って話を聞いていたであろう相方に声をかける。
ちなみに青くん、というのはあくまでも仕事上の呼び名であり彼の本名は青羽湊だ。
呼びかけられた湊は一瞬げ、という顔をしたもののすぐに笑顔を作ってこちらに応じた。

「まあね。なんてたってここらじゃ一番の情報屋と自負しているくらいだし」

白露 (プロフ) [2017年3月30日 17時] 6番目の返信 PCから [違反報告]
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