鎖「痛い・・・!痛いよ・・・!やめて・・・!」校舎裏からか細い声が聞こえる、「助けて、助けて」と、何度も言う、少女の周りには沢山の女子生徒、大人数で暴力を受けていた
誰でもいらっしゃいな
咲良「貴方・・・何の用かしら?何故ここにいるの?」相手は私たちを小馬鹿にするようにクスクス笑う。腹が立つ。周りの女子もざわざわし始める、バレたらだめね、でも、続けるのよ。
咲良「こいつが私の栗花落君に近づくから!おまけに!私より可愛いからって調子に乗ってるのよ!?」鎖「私・・・調子にも乗ってないし・・・栗花落お兄ちゃんは、お兄ちゃんだから・・・」咲良「うるさいわね!」鎖「ヒッ・・・ごめんなさい・・・」ビクビクと怯える鎖、周りの女子が鎖を蔑むような目で見る。鎖は目に涙を浮かべる、後々、頬に涙が伝う。咲良はクラスのリーダー的存在。女子は咲良の言うことは何でも聞くから誰も逆らわない。助けて の一言も届かない
咲良「何なのよ貴女!!あんた達!今日は撤収するわよ!」覚えておきなさいよ!!と、最後に言葉を残し、走り去って行く。鎖は、立ち上がり、涙を拭う。服に付いた汚れを掃う鎖は、唯々、黙っているだけだった。
鎖「ありが・・・とうございます・・・」ペコリ と頭を軽く下げる。助けてくれたのが嬉しかった。お礼を言った後に少し、微笑む。こう言う時にコミュ障出て欲しくないな・・・これはフラグだ。
鎖「いえ・・・本当にありがとうございました・・・」先程とは違う柔和な笑みを浮かべる。距離を詰められ少しビクッ とする。自分の体を上から下まで見ると、困った表情になる。”美人”と言う言葉は初めて言われた。鎖「いや・・・美人なんて・・・そんなことはないでしゅ・・・」噛んでしまった。コミュ障・・・出てしまった。鎖「保健室にはいかなくて大丈夫です・・・」
噛んだことは相手に気づかれてないといいけど・・・適当にそう思いながら。鎖「えっと・・・迷惑をかけたくないので・・・」少し俯く
”保健室に行かない方が迷惑”その言葉がなんだか嬉しかった。それに、手を差し出してくれるその手を振り払うわけにはいかなかった。鎖「あ・・・ありがとうございます・・・」と、言って手を取る
先程の事について聞かれる。答えたくはないが、答えるしかない。自分は先程の事をすべて話す。話終えると。鎖「話、聞いてくれてありがとう。」少しだけだが優しい笑みを浮かべる
自分、対人恐怖症だけど、こんなに人と話せたのは久しぶりだ。廊下から足音が聞こえる。保健室のドアが勢いよく開く。栗花落「鎖!大丈夫か!?」鎖「栗花落お兄ちゃん・・・!?」そこに居たのは自分の兄だった。何でここにいる事が分かったのがわからない。でも、なんだか一安心した
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