あやめ商店街

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田舎町は空気が澄んでいてとても心地好い。
自転車に乗って下り坂を駈けていると、秋の香りがする朝の風が頬を優しく撫で、何だか清々しい気分になった。
今日は快晴であった。
青々と茂った木の上ではお天道様がピカピカ光る顔を晒して、道を照らしている。
しゃーっと気持ち良い音を立てて勢い良く坂を下ると、いつも通りの桜並木に通り掛かった。
春ならば薄桃色した花弁が風に混じって舞うのだろうが、秋である今ではなけなしの葉っぱが枝の上でひっそり揺れているだけである。少し残念な気分だ。
士族の家計のお陰で田舎に建つには立派過ぎる実家に居るのはどうも息苦しいけど、古びた校舎に蟠る実態の分からないクラスメートと過ごすのもどうも辛かった。
だから登下校するこの時間が何よりも至福であった。
傷みを知らない短髪が掻き上げられ、体の芯の芯まで清々しい。
感嘆を吐くように溜息を付くと、中の悪い気は抜けてまた頑張ろうって思える。
単純な人間だこと。ばあ様はそう、僕を笑ったっけ。

清。 (プロフ) [2016年10月19日 23時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

赤食精肉店と書かれた鉄の看板の店奥で、口元が笑っただけの顔をいつも通りに貼り付けながら、蛇腹は準備をしていた。針金のような指で鉈を持ち、肉を捌いてトレーの中に入れ、一定の量の肉がたまるとショーケースに入れる。そんな淡々とした作業をただこなしていた。ふと、時計を見るともうお昼時だった。掛けていたエプロンもまた解体した肉から飛び散った赤いドリップ液で汚れていたが、そんなことに蛇腹は気づいていないようで、そろそろお客さんも来る頃だな、そう思い蛇腹はそのままの格好で店の奥から出ると、でこぼこした古い霞みがかっているガラス戸の向こうで人影が見え、蛇腹は急いで店の内鍵を開けて、その人影を出迎えた。
「ああー、お待たせしちゃいましたか?すいません。なにをお探しですか?今日もいいお肉入ってますよ。」
そうどことなく違和感を覚えるようないつもの笑顔で。

枸杞 (プロフ) [2016年10月12日 23時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

「よし。」

結われた髪を揺らし、片手にもったブラシを止める。
掃除は完璧、お湯の温度もちょうどいい。暖簾をあげるとするか。

腰にかけていた手拭いでぬれた足や手をふき、足袋をはく。
邪魔にならないように、と上げていた袖のひもを解き、羽織りを着る。
暖簾を上げる前に自分の部屋に戻って、両親の仏壇に手を添えた。

「本日も、お店の繁盛のため、よろしくお願いいたします。」

この店を継いだ月から毎日やっていることだった。父さん母さん、いつもありがとう。
部屋の隅に立てかけてあった暖簾を手にとり、玄関に出る。
赤い暖簾を下げれば、開店のあかしだ。

「さて、今日の一番湯はだれだろう。」

.. (プロフ) [2016年10月11日 18時] [固定リンク] PCから [違反報告・ブロック]

「なんとなくわかるんだよ」
長年の勘ってやつ?なんてふざけたことを言いつつちゃりん、と財布から値段表に書かれた値段とぴったりの数だけ小銭を出し。
実は少しだけ早めに来ていて、中から微かに聞こえるタイルを擦るブラシの音を聞いてタイミングを図っていたことは秘密である。

サクラギ (プロフ) [2016年10月12日 23時] 3番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「はは、なるほどね。」

小銭を受け取って、しっかりと箱にしまい、それじゃあいい湯を、と言って相手を見送る。
相手が風呂場に向かったのを確認して、そういえば牛乳や酒の数は足りるだろうか、今なら妹を使いに行かせて買い足すことができる、と番台を離れ、冷蔵庫に向かう。

.. (プロフ) [2016年10月12日 23時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「いい湯だった〜」
45分後くらいだろうか、速水が出てくると、タオルを首にかけ、ほこほこと暖かそうに顔を赤らめて満足そうにしながら出てくる。
冷蔵庫の方を見るとなにか閃いたようにして
「あっ、コーヒー牛乳ある?」
と、相手に言い

サクラギ (プロフ) [2016年10月15日 4時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「あるよ。はい、どうぞ。」

書き物をしていた顔を上げ、瓶をとって相手に渡す。相手の満足した様子に、嬉しくなった。

「よかった、満足してもらえたみたいで。」

両親から受け継いで、もう数年にもなるが、毎日不安であった。突然受け継ぐことになったのである。湯を入れる、それだけだと思っていたが、そんなことは無かった。仕事の大変さには溜息しかでない。

.. (プロフ) [2016年10月15日 5時] 6番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「どうも〜」
えへっと微笑ましく笑いつつ、渡された瓶を右手で受け取り、左手で小銭を渡す。
くいっと腰に手を当て、一気に飲み干すとぷはー、と声を出し
「あっそうだ、こんなものが落ちてたんだよね」
とポケットから天然石と思われるブレスレットを取り出し、相手に渡す。

サクラギ (プロフ) [2016年10月18日 15時] 7番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

午前7時頃、心地よい秋風を感じつつ、店を開けるために外へ出る。
「古本買取.リーブル古書堂」と書かれた看板を扉の隣に置き、軽く箒で店の前を掃く。
「あっ、おはようございます」
丁度店の前を通った人影に、にこりと微笑みながら挨拶をして

サクラギ (プロフ) [2016年10月5日 22時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]

「うーん私、飽きっぽいからなー。中々ハマるゲームが無いんだよね~。」
そこで、ふと思った。
「店長ってゲームとかします?」

キャウル (プロフ) [2016年10月10日 9時] 19番目の返信 携帯から [違反報告・ブロック]

「そうですね…ゲームは特にやりませんね」
本を読む手を止め、答える。
ゲームか本かと言われたら本を読みたいらしい。

サクラギ (プロフ) [2016年10月10日 10時] 20番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「そうなんですか…」
と言いつつも頭の中では
店長ならそうだろうなと思う。
「あ、それより今日どこか行くんですか?車とか出して。」

キャウル (プロフ) [2016年10月10日 11時] 21番目の返信 携帯から [違反報告・ブロック]

「今日はこれから本を寄贈しに行くんですよ」
後部座席に置かれた本をちらりと見つつ答える。
答えた後、時計の方を見ると程よい時間になったなと感じたのか
「そろそろ出発しましょうか」
と、シートベルトを着けながら二人に問いかける。

サクラギ (プロフ) [2016年10月11日 7時] 22番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「はぁい」
と、気の抜けた返事をする。
車の窓から見える景色はレトロ感が漂っていて見ていてどこか穏やかな気持ちになる。
「あ、病院まで何分位なんですかー?」

悪魔ちゃん❥❥ (プロフ) [2016年10月11日 23時] 23番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

あやめ

サクラギ (プロフ) [2016年10月5日 20時] [固定リンク] スマホ [違反報告・ブロック]
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