「...ここ、久しぶりだなー...」キョロキョロと辺りを見渡す人懐っこそうな少年「...誰か来てくれないかなぁ、全然覚えてな...」疲労が重なったのか、その場に倒れる
ハアハアと浅い息を繰り返す首元には、フサフサの毛のせいで良く見えないが、首輪の跡のようなものがついている
「...う、御主人...様...」少し意識が浮いて魘されている「...僕は...幸せ...ですよ...」
「..くうん...?あれ、僕は...何してたんだろ...うおおお!すみません!僕、貴方がいるの気づかなくって!変なこと言ってませんでした!?」
「...えそらごと...って、やっぱり変なこと言ってたんだ僕!...なんて言ってました?」
「...」あからさまに耳を伏せて悲しがる「...うぅ、ごめんなさい...決してそんなつもりじゃ...」
「...うふ、久しぶりだな。御主人様以外の人と話すの。少し元気でた!...でも、僕の寝言は内緒です。本当に...」お腹の辺を撫ぜる
「...うん、だって僕は...」ちょっと大きい声で言う「...犬、だから。仕方ないの。人間と一緒に生きるしかない。僕の母さんも父さんも、人間にこき使われて死んだよ...でも。」少し震え声で言う。「僕、好きなんだ。どんなにひどいことされても、僕を必要とするならいい。」
「違うよ!!」怒鳴った少年の目は、もう柔らかくなく、ギラギラとした殺気を放っている「...そういう生き物なんだ。犬は。...いいよね。他の動物は気高くて!!でもね。」そう言って怯まず前を見る「...僕らは違うんだよ。奴隷なんだよ。人間の。もう僕らは人間に慣れてしまった。もう戻れないんだ」
「...お兄さん...」呟き、ぷちぷちと上着のボタンを外すそうして、首筋を見せる「...ほらね。僕も。」そこには明らかに人間のものだとわかる歯形や火傷、擦り傷など、普通の少年が負うことのないような傷があった「...お腹とかにももっとある。見る?」至って無邪気に聞く
「...ごめんなさい。僕、...なんか両親が否定されてるみたいで...僕も、同じなのに...」そう言って相手を見る「...強くなりたい...僕が弱いから...」
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