ごーお
『暇…』授業が終わり、やっと放課後。今日は何もないし、家に帰るか。それとも…準備室に向かうか。何故準備室かというと、理由は先生に会うため。ホントにただそれだけだ。会った瞬間、きっと一目惚れだったと思う。回りが灰色にしか見えなくても、彼が綺麗だと思った。迷惑になったら困るから絶対にそんなことは言わないが。ああ、でも今行っても迷惑じゃないだろうか?とはいっても、もう準備室の前に来てしまったし、行くしかないよね。そう思い深呼吸をして勢いよく準備室の扉を開ける。『籠島先生!!』
『あ、寝てましたか?来ない方が良かったですかね…』あはは、と頭を軽く掻きながらいう。どうしよう、申し訳ないことしちゃった。帰った方が言いかな。でも来て直ぐ帰るのも変か。色々と考えた結果、中に入ることを決めたらしく、一歩中に入り扉を閉める。もう少し静かに開けてたら寝顔見れたかな、なんて少し悔しく思う。少し悔しけど、そこまで悔しくない。何故かって?籠島先生は寝てること多々あるから。授業中とか。
『…またお喋りしに来ました…』ちょっと申し訳なさそうに苦笑して、遠慮がちに相手の横に座る。ふと、彼の髪が跳ねていることに気づき、先生、寝癖ついてるよ、と笑いながら、そう言い跳ねてる髪に触れた。
『先生、顔真っ赤ですね。しかも寝癖直りません』何度直そうとも、その髪は見事に元通り跳ねている。水か何かを使わなくては直らないようだ。それはそれで可愛いから良いのだが。背もたれに寄り掛かり、面白そうに笑った。
『そこまで酷くないですし目立たないと思いますよ』そう言った後、先生から視線を外し、何となく準備室を見た。どうしても、先生が相手だと落ち着かない。無駄に緊張してしまう。毎日と言っていいほど会っているのに。再び先生に視線を戻すと、何故か見つめられていたので、思わず頬が赤くなり、さっと目を逸らしてしまう。『…俺の顔に何かついてますか…?』
『え…』綺麗と言われ、まるでやかんのように顔を真っ赤にさせて肩をぷるぷると震わせる。恥ずかしくてこのまま死にたいっ!!その場の空気に耐えられずうわぁぁぁ、と叫びながら気づけば彼の顔を殴っていた。殴ってしまったことで、冷静さを、取り戻し慌てて謝る。『はっ…ご、ごめんなさい!!すいません大丈夫ですか?!』嗚呼、やってしまったと言わんばかりに、彼の肩を掴み殴った場所を見る。幸い腫れておらず、安心した。
『嗚呼、よかった…本当にごめんなさい』彼から手を離し、深々と頭を下げた。まだ僅かに頬が赤い。何で今先生殴ったんだろ…自分でも疑問でため息が出てしまう。恥ずかしくて殴ったとか意味が分からない。先生が大丈夫でも、俺が大丈夫じゃない。『所で先生…先生は目が可笑しいんですか?』
『そういう問題じゃないですよ…なれちゃダメです』はぁ、とため息をつき、苦笑する。『あ、そう言うことではなくて、俺を綺麗なんて言ったんで目が可笑しいのかと思っただけで、本当に可笑しくはないと思いますよ?』あはは、と笑って見せる
『!!?先生!?あのっ、え?』好きと言う言葉に再び顔を真っ赤にさせ、させる。撫でられてることにもかなり焦った。慌ただしい奴だ。やけに心臓の音が煩い。嗚呼、どうしよう…死ねる。また殴ってしまいそうだ。内心乱れまくりだがじっと大人しく頭を撫でられる。
『…それはどういう好きでしょう?』普通にと言われても分からない。いや、恋愛としてと言われても凄い焦るんだけど。それでも淡い期待を抱いた。『なってみますか?』今日家に来ればなれるかもしれませんよ、と付け足す。まだ、僅かに頬が赤いが笑顔で答える。
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