柴犬。のボード
メッセージ一覧
ラズ (プロフ) [2020年3月12日 10時] 2番目の返信 [違反報告]朝食のいい匂いが家中に満ちてきた頃、白藍星は目を覚ました。
睡眠で固まってしまった体を大きく伸ばしながら、寝ぼけ眼で制服に着替えて洗面所へ向かう。
「おはよう、ステル。眠そうだな」
「眠いよ……兄さんはいいよね、朝に強くって」
「お前の朝の弱さはマムに似たんだろうな。ほら、父さんがご飯作ってるからその寝癖直してから来い」
頭を小突きながら自分と同じ赤毛でエメラルドグリーンの瞳の兄はキッチンに向かった。
我が家では朝の弱い母に変わり父が一切の家事を熟す。
母に似て朝の弱い自分には見習いたくともできそうにない。
結局、顔を洗っても髪を結ってもイマイチ目の覚めないまま朝食取り、兄と共に学校へ向かった。
ラズ (プロフ) [2020年3月12日 10時] 4番目の返信 [違反報告]朝はなかなか頭が起きない星は、学校に行くまでの道のりを兄にへばりつきながら向かう。
そうすると半分寝ていても事故に遭うことなく学校に着けるのだ。
兄もそれを承知で、左手をポケットに入れ右手でスマホを触りながら黙って歩いてくれる。
星はその左手を抱きしめるようにギュッとくっつけばいいのである。
「雲(ウォルク)おはよ〜今日も今日とて弟腕にくっつけてんのな」
この状況は兄、雲の友人も知っていて、何も言わずにいてくれるのだ。
「放っておいたら電柱とキスするからな。ステル、学校着いたぞ。起きろ」
この兄の言葉でやっとこそ星は目を完全に覚ます。