黒い烏
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. (プロフ) [2019年1月9日 22時] 57番目の返信 [違反報告・ブロック]家を出て、いつもの公園へ向かう。
今日は彼女の方が先に来ていたらしく、ボールをつく音が聞こえた。自然に口角が上がるのを抑え、何食わぬ表情でコートへ足を踏み入れる。
「ごめん、待った?」
様子を見るからに、しばらく練習をしていたのだろう。もちろん、友達曰く鈍感な千秋には彼女のつぶやきはあまり聞こえていなかった。
「じゃあ、始める?ルールとかそっちが決めていいよ」
彼女からの提案であるため、彼女にそういった。それに千秋がこのような賭けなどやったことがなく、決めるのは彼女の方がいいと思ったからでもあった。今の千秋はそんなことより、勝ってしまった場合のことの方が心配な程だった。自分が彼女へ何を望めばいいのか。話すようになってまだ数日だ。ましてや女性と接した経験の少ない千秋がだ。
____一瞬、千秋の頭に一つだけよぎったが、気づかないふりをした。